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2017/06/20

『エコスタイルの挑戦』 前書きと目次

Ecoweb


エコスタイルの挑戦
 ~2030年までまだまだ必要、太陽光発電投資~


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著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-419-8
初版発行:2016年2月12日
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 はじめに

地球温暖化に一向に歯止めがかからない。世界各地で異常気象による災害が頻発し、日本でもここ数年、大雨による洪水や浸水、土砂くずれなど、大きな被害が相次いでいる。地球温暖化対策は、もはや待ったなしの危機的状況に追い込まれているのである。

そうしたなか、2015年11月末からフランス・パリで国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)が開催され、日本からは安倍晋三首相が出席し、途上国をも含めた新たな地球温暖化対策の国際合意をめざすことになった。

国際社会が温暖化への危機感を共有したのは1992年にまでさかのぼる。国連地球サミットで「気候変動枠組み条約」が採択されたのが始まりで、この条約のもと、1997年に京都で開催されたCOP3では、先進国に二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出量の削減を初めて義務づけた「京都議定書」が採択されている。

議定書では、2008~2012年の5年間で、1990年に比べて先進国全体で5%の削減をめざすことになり、アメリカが離脱する事態にはなったものの、結果的に参加国・地域の削減率の平均は22・6%と、目標を大幅に上回ることができた。しかし、削減義務のない中国やインドなどの新興国が大きな経済成長を遂げ、CO2の排出量を増やしたこともあって、世界全体の排出量は減るどころか、逆に5割も増え、京都議定書は残念ながら期待どおりの成果を出せなかった。

このまま温暖化が進めば、さらに深刻な影響が出ることは必至で、COP21では、先進国だけでなく途上国を含むすべての国々が協調して取り組むという、新たな温暖化対策の実効的な枠組み「パリ協定」が採択された。パリ協定では「産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑える」ことを国際目標として掲げている。ちなみに日本は、COP21に先立ち、2030年度までに温室効果ガスの削減量を2013年度比で26%とする目標を国連に提出している。

これまで国際間の地球温暖化対策に、はかばかしい成果が見られなかったとはいえ、世界のエネルギー市場では、CO2を排出しない風力や太陽光、水力などの再生可能エネルギーが、新たな電力供給源として年々比重を増してきていることは間違いない。京都議定書が採択された1997年当時、世界の風力発電は760万キロワットだったのが、中国、アメリカ、ヨーロッパを中心に導入が進み、2014年には3億7000万キロワットと、いまや原子力発電と肩を並べるほどになっている。太陽光発電にいたっては、当時は世界的に見てもほぼゼロだったのが、いまではおよそ1億8000万キロワットにまで急速な広がりを見せているのである。

日本でも再生可能エネルギーの普及を促そうと、2009年11月に家庭や事業所等における太陽光発電の余剰電力買取制度が始まり、さらに2012年7月からは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスのいずれかで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束した、固定価格買取制度(FIT)がスタートした。

再生可能エネルギーによる発電事業は、環境に貢献できるだけでなく、FITを利用することで長期にわたって安定した収益を期待できるとあって、制度発足以来、高利回りの魅力的な投資としても注目を集めるようになった。とりわけ、設置が容易な太陽光に人気が集中。企業が売電目的で設置するメガソーラーや、個人投資家による小規模発電設備が一気に増え、太陽光発電ブームが巻き起こっている。

そうした状況下、太陽光発電システムの販売・施工を全国規模で展開し、急成長を遂げているのが、本書で紹介する株式会社エコスタイル(東京本社:千代田区、大阪本社:大阪市、代表取締役社長:木下公貴氏)である。

2004年に設立された同社は、当初はオール電化商品の販売を手がけていたものの、経営不振に陥り、倒産寸前の状況に追い込まれた。そこで2008年11月に、経理畑出身の木下公貴氏が創業者に代わって社長に就任し、まさに「金なし・コネなし」の背水の陣で再スタートを切ることになった。

そして翌2009年、住宅用太陽光発電の補助金制度や余剰電力買取制度の開始に伴い、木下氏は「子どもたちの未来のためにも環境問題は大きなテーマであり、ここが大きな節目になる」と一大決心をし、太陽光発電ビジネスへの転換を図った。しかし、テレフォンアポインターを使った電話営業では、なかなか成果に結びつかない。そこで思いきってウェブサイトによる集客方法に切り替えたことが功を奏し、問い合わせが増え始めた。

その後も電話勧誘や訪問販売はいっさい行わず、ウェブサイトの検索連動型広告や新聞広告、セミナーの開催などに絞って情報提供し、関心を持った人からの問い合わせや相談に応じるという営業スタイルに徹した。その姿勢は今日も変わっていない。

2012年に、10キロワット以上の再生可能エネルギーによる発電に対し全量の固定価格買取制度(FIT)が始まったのを機に、同社は住宅用から産業用へと軸足を移し、再生可能エネルギー投資に関心を持つ投資家に向けて、投資効率に優れた50キロワット未満の産業用低圧システムに特化した太陽光発電の投資スキームを開発。同時に自社施工体制を増強し、50キロワット未満の産業用低圧システムから50キロワット以上の高圧システムまで、多種多様な太陽光発電システムの施工を手がけるようになった。

こうした自社責任施工と大量現金仕入れ、ウェブサイト中心の集客による営業コストの削減により、高品質かつ国内最安レベルの価格を実現するとともに、業界最長レベルの20年施工補償を行うなど、「あんしん価格・あんしん施工・あんしん保証」の3本柱を確立し、青森から鹿児島まで全国規模で太陽光発電システムの施工実績を重ねてきた。その数はすでに5000件を優に上回る。これは、多くの顧客から支持を集めていることの証と言えるだろう。

「子どもたちのため、次世代のために、環境を守る義務と責任を遂行するという使命のもと、われわれは、プロの視点で『これなら買いたい』と思う製品とサービスを、われわれが買いたい価格でご提供するしくみづくりに努めてきました」と、木下氏は語る。

また、同社では、より多くの人に再生可能エネルギー発電事業への参画を促し、固定価格買取制度のメリットを享受してもらいたいとの思いから、金融商品取引業者の登録を受け、2015年1月から新たにファンド事業を立ち上げた。

通常、太陽光発電事業を始めるには、まとまった資金が必要だが、ファンドを利用すれば1口50万円からの小口出資が可能となる。出資金を用いて太陽光発電システムを設置し、発電されたエネルギーを売却する事業に投資するというものだ。毎年の元本償還と発電事業による利益の分配で、長期的に安定した収益が期待できるうえ、なにより環境にやさしい再生可能エネルギーの普及に貢献することになる。

FITがスタートして以来、太陽光を中心に再生可能エネルギーの導入が進みつつあるといっても、世界的に見れば、日本はまだまだ遅れていると言わざるをえない。2014年度の日本の発電電力量に占める再生エネルギーの割合は、従来の水力を除くと3%程度にとどまる。経済産業省が策定した2030年度の電源構成では、水力を含む再生可能エネルギーを22~24%とし、うち太陽光は7%にまで増やそうとしている。世界に向けて約束した温室効果ガス排出量2013年度比26%削減を達成するためにも、さらなる再生可能エネルギーの普及が望まれる。

2016年度からは電力小売りの全面自由化が始まるが、エコスタイルではこれに伴い、再生可能エネルギーによる電力の供給事業にも本格的に乗りだす。地域住民が資金を出しあい、ファンドスキームで太陽光、地熱、小水力など地域の特性を活かした再生可能エネルギーの発電所をつくり、そこでできた電力を地域で利用する、いわゆる電力の「自給自足プロジェクト」を推進していく考えだ。

「電力事業が生み出す利益を地域のなかで循環させるしくみを構築することにより、地域経済を活性化させ、ひいては地方創生につなげたいのです。そのためにも、地域の電力インフラを根本から変える必要があるのではないでしょうか」と、木下氏は新電力事業への意気込みを語る。

本書では、子どもたちの未来のために、再生可能エネルギーの普及を促進し、地域電力インフラのイノベーションにも取り組むエコスタイルの事業活動を紹介するとともに、同社の企業理念・経営理念に迫るものである。すでに太陽光発電事業に携わっている方のみならず、地球環境の未来を考え、再生可能エネルギー発電事業への参画を検討している方々にとって、本書がなんらかの指針となれば幸いである。

なお、本文中の敬称は一部略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

  2015年12月  鶴蒔靖夫


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はじめに


第1章 本格的な再生可能エネルギーの時代が到来

どうなる? 今後の原子力発電所再稼働のゆくえ
原子力発電を2割超とする2030年度の電源構成
地球温暖化対策に不可欠な再生可能エネルギー
FITの導入により「太陽光ブーム」が到来
太陽光の電源構成比7%実現に向けての課題
FIT後の再生可能エネルギー自立化を見すえて
太陽光導入にブレーキ? 出力制御の新ルール
将来の基幹電源への期待が高まる太陽光発電
実用化が待たれる、電気をためる新技術
電力小売りの全面自由化が再生可能エネルギーの普及を後押し


第2章 太陽光発電事業で躍進するエコスタイル

ウェブサイトでの集客が功を奏し、順調に売り上げを伸ばす
50キロワット未満の産業用低圧太陽光発電に注力
太陽光発電投資の魅力をウェブサイト以外でも積極的に発信
まだまだある太陽光発電投資のメリット
国内最安レベルの「あんしん価格」を実現
販売から施工まで自社責任による一貫体制
充実のアフターフォロー体制で顧客に「あんしん」を
再生可能エネルギー事業への門戸を広げ、ファンド事業にも乗りだす


第3章 あんしん太陽光発電エコの輪

投資への不安を取り除き、顧客の満足を追求
顧客の要望に即したシステム設計や見積もりを提案
投資を目的とした土地付太陽光発電の人気が上昇
基礎・設置・電気の工程すべてを自社で責任施工
施工の要は土台をつくる基礎工事
ノウハウを積み上げ社内の共有財産として活かす
施工するうえで大切なのは周囲への気遣い
業界内でも抜きん出た充実の「あんしん保証」
自社施工部門による任せて「あんしん」のメンテナンス


第4章 顧客の声がエコスタイルの成長を後押し

顧客アンケートで約94%が「満足」と回答
 太陽光発電からの収入で早期退職後は趣味を満喫 ―― 福岡県 ユーチューバー T・Yさん
 定年後に備え、アパート経営に太陽光発電をプラス ―― 千葉県 大学職員 S・Mさん
 充実した保証と豊富な施工実績が業者選びの決め手に ―― 埼玉県 不動産業経営 Sさん
 CO2削減のため、遊休地活用で太陽光発電を開始 ―― 茨城県 会社員 石黒昭さん
「エコの輪」に寄せられる顧客の声


第5章 木下公貴のめざす企業ビジョンと人生哲学

倒産寸前、「金なし・コネなし」からの再スタート
どんなに苦しくても無借金経営を貫く
見よう見まねで自らウェブサイトを作成
薄利多売の営業戦略で「いままでの5倍働こう!」
社会に必要とされる会社であるために
仲間との信用の絆が会社成長の礎となる
いったん決めたことは必ずやりきる


第6章 エコスタイルが描く再生可能エネルギーの未来図

再生可能エネルギーによる電力の自給自足を実現
地域の財産である「自然の恵み」を利用する
将来的には100メガワットの電源確保をめざす
ガスと電力のセット販売を検討
ゼロ・エネルギー住宅を提案
金融技術を駆使して再生可能エネルギーのさらなる普及を
株式上場に向けて経営基盤を強化


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