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2019/07/03

『ACNグループの挑戦』 前書きと目次

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ACNグループの挑戦
~総合ソリューションコンサルティング事業元年~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-457-0
初版発行:2019年6月15日




はじめに

2018年6月29日、「働き方改革関連法案(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案)」が参議院で可決、成立した。これは、「働き方改革の総合的かつ継続的な推進」「長時間労働の是正と多様で柔軟な働き方の実現等」「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」の3つを柱とし、その実現のために、労働施策総合推進法(旧・雇用対策法)、労働基準法、労働時間等設定改善法、労働安全衛生法、じん肺法、パートタイム・有期雇用労働法(旧・パートタイム労働法)、労働契約法、労働者派遣法の、8つの労働関係法の改正を行うための法律だ。

各改正法は2019年4月から順次施行され、時間外労働の上限規制や、年5日の年次有給休暇の取得などが義務づけられただけでなく、違反した企業には罰金などが科せられることもある。もとから少ない労働時間・労働日数で十分な業績をあげてきた企業であれば問題はないだろうが、そうでない企業が今後も業績を維持し、さらに伸ばしていくためには、これまで以上に仕事を知的に、かつ効率よく行うことが求められるようになるはずだ。つまり、よりいっそうの生産性の向上が必要になるわけだ。

生産性をより向上させるには、労働環境の改善が不可欠である。そのための手法のひとつとして近年、多くの企業が注目し、実践に取り組んでいるのが、オフィス環境の整備だ。

働き方を一新し、開発力を強化するためには、オフィスを「知識創造プロセスを実行する場」として構築することが必要であるとして、オフィス環境を改善してきた先進的な企業の実例が数多く公開され、その考え方が一般にも浸透しつつある。そうした企業の例を参考に、ペーパーレス、フリーアドレス、サードプレイスオフィスといった、ひと昔前のオフィスのイメージとは大きく異なるしくみや制度を導入している企業も最近では少なくない。

このような「新しいオフィス環境」を可能にしているのが、ICT(情報通信技術)の進化である。

固定電話や机上のパソコンから解放され、ネットワークを利用して、いつでもどこでもビジネスが行える環境を手に入れた現代人にとって、真に快適で便利、かつ創造性を存分に発揮できるオフィス空間とは、どのようなものだろうか。

オフィスとは、企業活動を行ううえで不可欠な経営資源であり、人が創意工夫を凝らしてビジネスを生み出し遂行するための基盤となる場であり、時間あるいは目的などを共有した人と人とが交わる場所でもある、多面性を持った空間だ。そうしたさまざまな側面を持った空間を、いかに活用するか。

ICTによる環境変化は、組織のあり方や、人が働く意味、さらにはライフスタイルにまで影響を及ぼすだろう。しかも、かつてのような、ただひたすら生産性の向上のみを追求してきた時代から、いまでは「働き方」が問われる時代となってきた。そうした時代における「オフィス」とはどうあるべきかを、企業を率いる経営者はもとより、社会全体で真剣に考えていく必要があるのではないか。

「新しい働き方や新しい発想が実現できるかは、新しい空間の活用ができるかにかかっていると思います。どのような空間で個性を発揮してもらうか、その構想がなければ、働き方改革は進んでいかないでしょう」

こう語るのは、一貫して総合ソリューション事業を手がけてきた株式会社ACN(本社:大阪市中央区)の代表取締役社長・藤岡義久氏だ。

ACNは、分譲オフィスソリューションというオフィス用不動産の新しいしくみを提唱する株式会社ACN不動産や、関西を中心に「ソフトバンクショップ」20店舗(2019年4月現在)を展開する株式会社ACNモバイルなどとともに、ACNグループを形成し、「オフィスをレベルアップする会社」をスローガンに全国に活躍の場を広げている企業だ。全国約2万社の顧客に対し、ACNグループ各社が連携して、さまざまな課題をワンストップで解決するサービスを提供している。

ACNグループが手がける総合ソリューション(問題解決)の範囲は、複合機、パソコン、モバイル端末など一般的なIT機器の保守、メンテナンス、導入や運用のサポートといった範疇にとどまらず、業務用エアコンによる電気代の削減や空調環境の改善、セキュリティシステムによる防犯対策、さらには相続税対策や資産運用のための不動産事業にまで及ぶというから驚かされる。

1996年に創業したACNは、コピー機や複合機のリース販売から始まり、顧客が成長発展するプロセスに寄り添いながら、顧客とともに成長を遂げてきた。藤岡氏は「顧客満足度を高めること」を最も大事にしており、その過程でいくつもの画期的なサービスを生み出してきた。代表的な商材である、カウンター料金を廃止したコピー機や複合機は、コピー代金の大幅な経費削減につながると、顧客にたいへん喜ばれているという。

IT機器、ネットワーク、セキュリティシステムなど、オフィス環境のインフラ構築において、提案から施工、メンテナンス、アフターフォローまでをグループ内で一気通貫で対応する体制を整えていることも、顧客からの圧倒的な支持につながっている。とりわけアフターフォロー体制は、どこよりも厚く、丁寧だと、高い評価を得ている。アフターフォローに特化したACNのサービススタッフは、顧客の悩みや相談事に対して、あらゆる手段を駆使して解決にあたり、顧客との末永い信頼関係を培っている。そうした日々の努力の結果、ACNは東阪エリアのオフィスソリューション利用経験者に向けたウェブ調査(調査機関:マイボイスコム)の顧客満足度調査で3年連続第1位の栄誉を獲得した。

一方、不動産ソリューション事業においては、オフィスビルをフロアごとに分譲する、分譲オフィスソリューションを展開している。都心の優良なオフィスビルを入手し、ワンフロアを企業経営者に分譲する、あるいは、入居を希望する企業にテナントとして貸し出し、テナント付きで投資家向けに販売するケースもある。いずれの場合も、利便性の高い都心の優良な立地にオフィスを持てることから、企業経営者からはもちろん、投資家からも高い満足度と好評を得ているという。

「時代は激しく変わっていきます。働く人たちが思う存分、能力を発揮できるオフィスのかたちを考えることは時代の必然です。テーマは無限に広がっていきます。私は、働く環境の改善というテーマを追い続けることが、地方を変え、街を変え、社会全体を変えることにまで発展していくと信じて、これまでやってきました」

藤岡氏がこう語るように、ACNでは「総合ソリューション事業を通じ、新しい価値の創生と、社会の進展に寄与し、進歩発展を目指します。」を経営理念として掲げている。

働き方改革関連法が施行されたいま、オフィス環境の改善や改革は、多くの企業が高い関心を寄せる、社会的なテーマのひとつと言える。それだけに、藤岡氏の考えやACNのさまざまな取り組みは、その一つひとつが貴重な事例となり、多くのヒントや示唆を与えてくれることだろう。

本書は、オフィスの総合ソリューションを牽引するACNグループの今日までの歩みをたどると同時に、創業者・藤岡義久氏の歩みと理念に迫るものである。そこから、人々の働き方や意識改革、地方創生、街づくりなど、さまざまな分野から日本の将来の道筋を考えるうえでの良質な素材を、一人でも多くの人にみつけていただければ、著者としてこれほどうれしいことはない。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

2019年4月  鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 働き方改革と多様化するオフィス

オフィスの作業効率は日本の経済にも影響を及ぼす
オフィスのあり方と働き方の変化
働き方改革関連法が目的とするもの
1980年代から始まったオフィス改革への取り組み
オフィスのあり方を変える原動力となった「組織的知識創造理論」
「12の知識創造行動」とは
ICTの進歩が生んだフリーアドレス
コミュニケーション活性化のための工夫
働くことの意義を問いなおすオフィス改革
地球環境の保善につながるオフィス環境
インフラを整えることこそがオフィス改革の第一歩


第2章 オフィスソリューションをリードするACNグループ

スローガンは「オフィスをレベルアップする会社」
オフィス空間内にあるすべてのことをワンストップで
顧客企業とともに理想のオフィス空間をつくりあげる
オフィスにある機器すべてをひとつの領域にまとめる
必要コストの常識を変えた「スーパーアクティブプラン」
ネットワークのトータルなサポートを提供する「アクティブサポート」
「リモート支援パッケージ」でパソコンを遠隔操作
業務用エアコンをトータルにサポートする「あんしん保証Ecoプラン」
攻めの防犯を実現する「アクティブセキュリティ」
顧客満足度を最大限に高めるサービススタッフの力
3年連続で顧客満足度第1位の栄冠を獲得
営業スタッフとサービススタッフの連携
中小企業の活性化にICTは不可欠
コンシューマへの基地として展開するモバイル事業
広がりをみせる女性専用カプセルホテル事業


第3章 分譲オフィスソリューションが生む新しい空間価値

オフィス用不動産で独自のビジネスモデルを構築
空間を所有することは空間を創造すること
分譲オフィスソリューションのメリットとデメリット
物件へのこだわり
分譲オフィスソリューションのサポート体制
家賃13%アップ、オーナーのリピート率8割の実績
相続税対策としても効果大
都心部の地価はオリンピック以降も下がらない
不動産との融合で生まれる新たな空間価値


第4章 ACN創業者・藤岡義久の闘いと信念

高校生のときから創業を志す
いきなりトップの成績をあげ、21歳の若さで係長に
部下の声に応えて独立を決意
懲戒解雇で会社を追われる
試練をはねかえして急成長
コピー機のカウンター制廃止を実現
大きな会社も動かすことに
売ったあとにこそ、顧客とよい関係を
本社を「ツイン21 MIDタワー」へ移転
拡大と成長の軌跡
リーマンショックを乗り越えて
3・11以降の着実な進展
チーム制に込められた人生哲学


第5章 総合ソリューションコンサルティングをめざすACNが切り開く未来

オフィスは投資である
顧客満足追求のための理念と基本精神
インパクトのあるテレビCMで知名度アップ
新電力「ACN Energy」をスタート
体系的な研修制度と全社員の資格取得
多彩な資格取得にチャレンジするACNの社員たち
公明正大な実力主義
必要なら上場も
ネットワーク環境の整備こそが地方創生の鍵
オフィスが変われば地方が変わる
時代がACNを後押ししている
総合ソリューションコンサルティング業界をつくることを使命に

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