**鶴蒔靖夫

2018/08/06

『人生100歳時代 不動産投資のフロンティア』 前書きと目次


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人生100歳時代
不動産投資のフロンティア
~将来の不安を安心に変えるフロンティアハウス~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-445-7
初版発行:2018年7月30日




はじめに

最近では、「人生100年時代」「人生100歳時代」といった言葉をよく見聞きするようになった。

たとえば神奈川県知事の黒岩祐治氏は、2016年の年頭記者会見で、県民一人ひとりが、その人らしく生涯にわたって生き生きと暮らせるよう、県、市町村、大学、民間企業、NPOなどが「かながわ人生100歳時代ネットワーク」を立ち上げ、「人生100歳時代の設計図」として、協働してさまざまな取り組みを進めていくことを宣言した。

また、同年10月には、ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授とアンドリュー・スコット教授の共著による『THE 100-YEAR LIFE』の日本語翻訳版『LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)が発刊され、大きな反響を呼んだ。同書では、2007年に日本で生まれた子どもの50%が107歳まで生きると述べられており、ついにここまできたかと実感する。

そこで政府も、人生100年時代を見すえた政策のグランドデザインを検討する「人生100年時代構想会議」を、2017年9月に発足させている。

たしかに戦後、日本人の平均寿命は延び続けている。1950年には男女ともに60歳程度だった平均寿命は、2016年には男性80.98歳、女性87.14歳(厚生労働省「平成28年簡易生命表の概況 参考資料2 主な年齢の平均余命の年次推移」)にまで延び、「人生90年時代」も目前に迫っている。

この調子でさらに平均寿命が延びていけば、「人生100年時代」の到来も、いよいよ現実味を帯びてくる。そうなれば、その分、仕事をリタイアしたあとの、いわゆる「老後」の時間も長くなっていく。

しかし、少子高齢化の急速な進展により年金制度の基盤が揺らぎ、今後の年金受給額が目減りするなど、年金制度自体の将来も危ぶまれるなかで、老後の生活に対する金銭的な不安を抱いている人は少なくない。そのため、「老後の暮らしに必要な資金は、現役のなるべく早い時期から準備しておこう」という自己防衛意識が、一般の会社員はもとより、一定の資産を有する階層にまで広がっている。

老後の暮らしを安定させる手立てのひとつが、不労所得の確保、すなわち投資による資産運用である。投資の対象は、株式、投資信託、債券などの金融資産と、不動産や金などの実物資産に大別されるが、なかでも不動産投資は、経済状況や為替相場の変動等による影響が少なく、資産価値も落ちにくいうえ、相続税対策をはじめ税制面でもメリットがあり、長期保有することで安定した収入が望めるとあって、高い人気を集めている。

ゼロ金利とも言われる空前の低金利時代が続いていることも、不動産投資の人気の背景としてあげられる。しかし一方で、低金利時代ゆえのさまざまな問題も浮上してきている。

「融資したい」という金融機関と「建てたい」という不動産業者の思惑が一致し、立地や物件の良し悪しを問わずにワンルームマンションやアパートなどの賃貸住宅が続々と建てられた結果、エリアによっては空室が目立つようなところも出てきている。入居稼働率の悪化により、家賃を保証するサブリース契約をめぐる不動産業者とオーナー間のトラブルも相次いでいる。なかには、「長期的な安定が望める」はずが、期待どおりの収益が得られないどころか、ローンの返済もままならないというケースさえあるようだ。返済原資が家賃で賄えないとなれば、不良債権化が懸念される。そのため、金融庁が各金融機関の融資状況にメスを入れ始め、不動産への融資の引き締めにかかっている。

加えて、少子高齢化の進展や、人口減少、空き家問題の顕在化など、不動産業界を取り巻く環境は、必ずしも明るい材料ばかりではない。それだけに、不動産投資を始めるにあたっては、物件選びはもとより、誰(どの不動産会社)から買うか、誰に管理を任せるかといった「パートナー選び」が非常に重要になってくる。

「不動産投資における最大のリスクとも言えるのが空室でしょう。ですから、オーナー様に満足していただくために、収益性の高い物件を開発し、入居稼働率を100%に限りなく近づけることが、われわれの使命と考えます」

こう語るのは、本書で紹介する株式会社フロンティアハウス(本店:神奈川県横浜市)の代表取締役を務める佐藤勝彦氏である。大学を卒業後、マンションデベロッパーを経て、1999年に佐藤氏が32歳の若さで設立したフロンティアハウスは、横浜や東京を中心とした首都圏エリアでの一棟売りの収益物件の開発・販売を中心に、用地仕入れ、建築、販売、賃貸募集、賃貸管理までをワンストップで展開することで、顧客からの厚い支持を集め、着実に実績を積みあげてきた。現在では年間50棟近い物件の開発を手がけ、約2000戸の管理を行っている。

佐藤氏いわく、「収益物件の開発において最も重要なのは立地」とのことで、土地の仕入れが不動産投資の成否の鍵を握っていると言っても過言ではないようだ。建物についても、万人受けのする既存のワンルームでは入居稼働率に限界があるため、エリアの特性や入居者のターゲットを絞った間取りや設備、内装などに工夫を凝らしている。

加えて、空室を限りなくゼロに近づけるために、通常の賃貸契約にとどまらず、マンスリー賃貸や民泊などを組み合わせて対象となる利用者の層を広げるなど、リーシング・イノベーション戦略を展開していることも、フロンティアハウスの特徴のひとつだ。

それが可能なのは、オーナーが物件を一棟所有しているからこそである。不動産の収益物件では、ワンルームマンションなどのように、1戸ごとにオーナーが契約する区分所有もあるが、フロンティアハウスでは、建物全体をオーナーが契約する一棟所有を主にしているのだ。

「一棟所有の場合は、最終的に土地が残るため、将来的に建て替えが可能です。そのときは建設資金の投資だけですむため、より高い利回りが期待できます」

と、佐藤氏は一棟を丸ごと所有することのメリットを強調する。

会社設立から20年目を迎え、売上高50億円(2016年度)、従業員数50名を超える企業に成長したフロンティアハウスがめざすのは、「100年企業」だ。オーナーや入居者といった同社の顧客に対し、子どもや孫の世代まで親子何代にもわたって役に立てる会社となるよう、収益物件としての賃貸アパートやマンションから、ファミリー向けの分譲マンションや戸建住宅まで、不動産事業の幅広い領域を手がけ、住まいに関するあらゆる要望に応えられる体制を整えている。

そして「100年企業」のもうひとつの意味するところが、社員の子どもや孫の世代まで親子何代にもわたって誇りをもって勤められるような、魅力のある企業体をめざすというものだ。「企業は人材がすべて」と語る佐藤氏は、「人を育てる」ことにフォーカスを当てると同時に、社員一人ひとりの多様性を認め、それらを発揮できる環境づくりや、福利厚生の充実など、働き方改革にも力を注いでいる。

本書は、収益物件の開発・販売を中心に不動産の総合企業として成長を続けるフロンティアハウスの事業活動を紹介するとともに、創業社長・佐藤勝彦氏の経営理念と人生哲学に迫るものである。

超長寿社会を迎え、将来の安心を確保する手立てとして不動産投資を検討している人や、便利で快適なアパートライフやマンションライフを楽しみたいと考えている人にとって、本書がなんらかの指針となれば幸いである。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

2018年6月  鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 将来の不安を安心に変える不動産投資

長寿化の進展でますます長くなる「老後」
老後の暮らしは自助努力によって守る時代に
預貯金は「リスクを取らないリスク」
投資対象の金融資産と実物資産を徹底比較
将来の生活を守るための不動産投資
税制面や生命保険代わりとしてのメリットも
不動産投資の最大のリスクが「空室」
サブリースをめぐるトラブルも多発
入居稼働率低下のリスクが少ない一棟売り物件
今後も有望な東京・横浜エリアの不動産投資
不動産投資は信頼のパートナー選びから


第2章 不動産投資をトータルサポートするフロンティアハウス

収益物件のトータル業務をワンストップで展開
立地へのこだわりで高い入居稼働率を維持
赤いライン入りの外観が特徴的な自社開発物件
入居者目線に立った間取りや仕様を工夫
多様化するニーズに合わせターゲットを絞った展開も
営業はインターネットでのアプローチが7割
オーナーに対する万全なアフターサポート体制
販売した物件を未来永劫管理していく使命
「収益物件のAtoZ」をめざす
自社保有物件を増やし経営安定の一助に


第3章 空室ゼロをめざすリーシング・イノベーション戦略

空室をなくすことが最大の使命
マンスリー賃貸と民泊を絡めて貸し方の引き出しを増やす
マンスリー賃貸がエリアのニーズに合致して満室を実現
住んでいてワクワクするような空間づくり
多様化するマンスリー賃貸のニーズ
地場の不動産仲介業者と組んで賃貸募集
サブリースの目的は顧客満足の向上


第4章 人材育成と働き方改革への取り組み

企業を動かす最大の要素は「人」
新入社員全員がまずは土地の仕入れを経験
「人を育てる文化」を醸成中
多様な働き方を選択できる環境づくり
社長室が現場の意見を集約
ワーク・ライフ・バランスを重視した働き方改革
資格取得支援と豊富な資格手当
社員とその家族の幸せを追求すべく福利厚生を充実
多様性を発揮できるステージづくり


第5章 創業社長・佐藤勝彦の経営理念と人生哲学

野球での活躍で注目を浴びた少年時代
野球部を去ることになった苦い思い出
勉強そっちのけでアルバイトに明け暮れた学生時代
バブル経済絶頂期にデベロッパーに入社
バブルが崩壊し、勤めていた会社が民事再生手続きへ
責任をまっとうすべく最後までやり切って「卒業」
身ひとつでフロンティアハウスを立ち上げる
管理までトータルで提供することの重要性を学ぶ
努力という無形財産が有形財産をつくる
顧客、社員、取引先への思いを経営理念に託す
飛躍の契機となった横浜地区の「難あり土地」
リーマンショックの危機を間一髪で逃れる
MBA取得をめざし大学院へ


第6章 フロンティアハウスが描く「100年企業」への未来図

親子3代にわたるおつきあい
人口減少時代の収益物件の市況を予測
収益物件においても高まるインバウンド需要
人口増の東南アジア市場での展開も視野に
収益物件と戸建住宅の組み合わせ
不動産関連ビジネスは協業の時代へ
セミナー開催による集客にも注力
プロダクトアウトからマーケットインへの転換
「100年企業」に向け、地に足をつけた戦略を


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2018/07/10

『LED革命』前書きと目次

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LED革命
~LEDのリーディングカンパニー「遠藤照明」の挑戦~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-374-0
初版発行:2012年8月17日




 はじめに


文明は明かりとともに歩んできた。

はじめに人は火という道具を手に入れた。火は、人に暖を取らせ、獣から身を守り、食べものに火を通し、そして照明となった。火の使用により、人類は初めて文明を持つ余裕を持てたといえよう。暗闇でただ眠るしかなかった人に、火の明かりは光源として文明を育はぐくむチャンスを与えたのだ。

火の揺らめきはやがて松たい明まつからロウソクへと代わり、ガス灯、白熱電球、蛍光灯、ハロゲン灯など、新たな光源へと進化の幅を広げていった。そしてここにきて、これまでの照明の歴史とはまったく次元を異にする新たな光源を人類は手に入れることになった。それがLEDである。

LEDのメリットは何よりも消費電力が圧倒的に少ないことがあげられる。ざっくりいって、白熱電球照明の八〇%以上の消費電力を節減できる。環境や資源問題が喫緊の課題とされている現在、救世主ともいえる光源だ。

LEDの真価はほかにもある。輝度・演色性など、光のクオリティがこれまでのどの光源よりも高いのだ。さらにはデジタル環境に対応しやすく、自由自在に光をアレンジできることも照明デザインをするうえでははかりしれないメリットである。

LEDの登場により、照明の世界はドラマチックに変容した。いままさしく、照明の革命といえるような大イノベーションが進行しているのである。

そのLEDへのイノベーションの火付け役となり、日本の業務用LED照明市場でトップクラスのシェアを有するのが、本書で取り上げる株式会社遠藤照明(本社:大阪府大阪市、代表取締役:遠藤良三氏)である。

遠藤照明が専業照明メーカーとして、これまで手がけた商業施設の名をあげると、誰もが知っている大手百貨店から大型商業施設、スーパー、飲食店など、枚挙にいとまがない。おそらくほとんどの人がすでに、遠藤照明のLEDがつくり出す光の空間でショッピングやグルメを楽しんだ経験があるのではないだろうか。

「高付加価値空間」をつくり出すプロ集団という事業テーマを掲げる遠藤照明が手がけた空間は、これまでにない高い付加価値が生まれ、空間全体を彩ることは当然ながら、環境負荷が少なく、さらに電力料金が大きく下がるというのだ。いまや環境を意識する企業活動は、地球市民として当然の責務の一つといえる。さらに景気低迷・消費不況により収益率が低下している商業施設にとって、電力料金の削減は実質的に利益率の向上と同じ意味を持つ。次々と新たに生まれる空間の多くで、遠藤照明のLED照明が採用されるのも当然である。

遠藤照明の創設は昭和四十二(一九六七)年。遠藤良三氏が個人で立ち上げた、会社というより個人の製作所からのスタートで、それがすべての出発点だった。遠藤氏は、安定した大手銀行の正社員という恵まれた場を惜しげもなくかなぐり捨てると、「金がない」「人がない」「ルートがない」のないないづくしをものともせず、たった一人で会社を立ち上げたのだ。

そこから、非住居空間照明におけるトップシェアを占める企業にまで遠藤照明を育て上げてきた遠藤氏の歩みは、まるで小説のように起伏に富んでいる。私が遠藤照明をテーマに筆を起こしたのは、いまドラスティックに進行しているLED照明へのイノベーションを紹介したかったと同時に、遠藤氏の強い独立精神と、信じた道を強きょう靭じんな意志力で突き進んでいく生き方を、ともすれば、軟弱な生き方に傾きがちな最近の多くの人に知ってもらいたいという思いが大きかったからだ。

遠藤氏の豪胆かつ先見性豊かな経営力は、この三年ほどの動きに特に顕著だ。

たった一人で起業し、非住居空間照明に集中するという戦略でしだいに頭角を現すようになった遠藤照明は、平成二年には大阪証券取引所(新二部)に上場を果たす。照明専業メーカーとしては初の株式上場である。その後も順調に発展を遂げ、ピーク時には総売上高一八七億円にまで達していた。

だが、その歩みは決して順風満帆ではない。平成二十年にはリーマンショックが襲いかかり、遠藤照明の業績は一気に二十年前の水準まで落ち込んでしまう。その後、日本経済は円高、少子高齢化の進行などにより、いまだに低調から抜け出せてはいない。

このとき、遠藤氏はすぐさま「今後、経営資源の投下はLED分野に集中する」と大胆な決断を下した。いずれはLEDが照明の主流になると予感されたものの、当時、LEDが国内照明市場に占める割合はわずか三・四%にすぎなかったのだ。

この決断は見事な結果を導いた。平成二十二年三月期は一三一億円だった遠藤照明の売り上げは、翌平成二十三年三月期には一八九億円と急伸。平成二十四年三月期では二六八億円(実績)、平成二十五年三月期では三五三億円(予測)とさらに勢いよく伸びつづけているというから、痛快極まりない。すでにその売り上げの八〇%はLEDによるものだという。

いうまでもなく、LEDについても世界的な厳しい競争が繰り広げられている。もし、遠藤照明の決断がなければ、日本のLED事業は世界のLED化への潮流にも後おくれをとっただろうといわれている。遠藤氏は社団法人日本照明器具工業会の常任理事の要職にもあるが、率先してLED化を促進したことにより、日本の照明器具産業を大きく牽引する功績も果たしたことになろう。

現在、世界の照明市場は一〇兆円規模と巨大なものになろうとしている。しかも、加速度的に急成長も続けている。その主流は間違いなくLEDが占めるはずだ。

「そうした経済環境に的確に対応するために、アジア諸国はもちろん、欧米にもショールームを開設して海外事業を本格化させ、世界のリーディングカンパニーになることをめざしています」

遠藤氏はこう語る。

事実、これまで遠藤照明では、照明市場の世界的拡大を先取りし、二十三年前にタイに工場を設立。その後、中国にも生産拠点を設けている。その結果、圧倒的な価格競争力を持つなど、世界戦略への布陣固めにも抜かりはない。

本書では、LEDによる非住居空間照明を経営の主軸に据えて、照明新時代を牽引していく遠藤照明の活動を紹介するとともに、創業社長・遠藤良三氏の経営理念、行動哲学にも迫りたいと思っている。

このところ、ポテンシャル低下が懸念される日本経済だが、日本にはこんな元気な企業があることをぜひ、知っていただきたい。こうした企業ががんばっている、それが日本の底力だといえないだろうか。

遠藤照明のパワフルな活動を知れば、日本の未来に新たな活路は開けるという確信が湧いてくるはずだ。また、遠藤氏の生き方は、勇気ある決断、迷うことない行動力こそが難局を切り開いていくのだというメッセージを放ち、多くの人に貴重な示唆を与えるものだと信じている。

なお、本文内の敬称を略させていただくことを、あらかじめお断りしておく。


平成二十四年六月   鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 LEDが開く新しい光の時代

照明革命の幕が切って落とされた!
非住居空間照明はLEDがあたり前という時代がはじまった
次世代の照明・LED
誰もが驚いたオールLED照明の提案
売り場を二分しての大実験
売り上げを押し上げるLED照明効果
オフィス空間照明にも理想の光
伝統と先進イメージを融合させる
高付加価値空間創造企業としての遠藤照明
非住居空間×LEDに特化し、オンリーワン企業に
LEDなら大手に勝てる!
照明を知り尽くしている照明のプロ集団


第2章 文明から文化へ――照明の歴史

光が人をつくった
光の正体は電磁波
火からロウソクへ――明かりが果たした役割
歴史を変えた白熱電球
青白く光り、消費電力が少なく、電球の寿命が長い蛍光灯
非住居空間を彩る照明・ハロゲン灯:HIDランプ
本格的なLED時代の幕開け
LED研究の夜明け
光の三原色と青色発光ダイオード
白色発光ダイオードの開発
照明意識の変化とLED使用の急増
東日本大震災でLED普及はさらに加速
環境負荷の圧縮、省エネ照明とLED
非住居空間照明におけるLED化を牽引
クライアントは育ての親
エネルギー消費とデザイン性の高さを併せ持つLED照明


第3章 照明環境創造のプロ集団・遠藤照明

Ⅰ.照明事業
 照明テクノロジーの原点――照明技術研究所
 ビジネスを実際に成立させていく――営業本部
 高付加価値空間を提案する――照明計画研究所
 供給体制を万全に――生産本部
 遠藤照明の品質力の要――品質保証部
Ⅱ.海外事業
 グローバル市場で勝ち抜いていく
 すでに世界攻略の拠点を完成
Ⅲ.環境ソリューション事業
 環境が世界の課題になることを視野にイーシームズを創設
 レンタル事業と省エネ
 省エネ照明の普及浸透に大きく貢献
 イーシームズの環境提案・自動監視制御システムECOライナー
 多彩なサービスメニュー
Ⅳ.インテリア家具事業
 照明とコラボするインテリア製品を開発
 付加価値の高い家具に特化
Ⅴ.人材育成
 高付加価値空間をつくり出すプロフェッショナルたち
 「社員憲章」と「エンドーバリュー」
 信賞必罰制で人材を鍛え直す
 打たれてもいいから出る杭になる、そんな人材を育てていく
 戦略的人事配置で一〇〇〇億円企業の人材育成を


第4章 光とともに歩んできた半世紀

ビジネスとは無縁の家に生まれ育つ
安定よりも自分で勝負! の道がいい
五年で捨てた恵まれた銀行員の座
照明との出合いは“甘いささやき”?
たった一人の独立
護衛艦用照明で鍛えられた技術力
ニクソンショックで、新規領域を探す
店舗照明へと照準を決め、遠藤照明を設立
活路はカタログ制作から
カタログがバインダー形式だったわけ
「一度、使ってもらえれば」という自信
「遠藤ならば」の信頼性
「オリジナルに徹する」を貫く
独自の存在感で価格決定権を手にする
明るさから光の演出の時代へ
一〇〇億円企業に成長
タイに本格的な生産拠点を完成
照明専業メーカーとして初の上場
新技術への積極的な挑戦
バブル経済の崩壊の洗礼を受けて
パチンコ店ブームの火付け役
アパレル、百貨店などの空間照明を牽引
失われた二十年
一〇〇%LEDへの転身
電光石火の攻めを展開


第5章 世界のトップランナーに

進化しつづける「LEDZ」
商業施設から新たなる分野へ
世界がLEDに向けて走り出す
世界規模の倍々ゲームがはじまった
世界のトップランナーへ躍進
競合を恐れとしない、これだけの理由
世界市場で「ENDO」ブランドを確立する
光の未来へ・三年後、一〇〇〇億円企業をめざす


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2018/06/05

『土地を活かす知恵 人を活かす情熱』 前書きと目次

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土地を活かす知恵 人を活かす情熱
~エム・ケーの土地活用革命II~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-444-0
初版発行:2018年6月20日




はじめに

「あれ、以前通ったときと景色がすっかり変わったなあ」

取材などで全国を飛びまわる日々を送る私だが、最近、新幹線やクルマの窓から見える景色が以前とは大きく変わったことに気がついて、驚くことがしばしばある。ふと目をやると、以前は茫漠とした空き地が広がっていたところに、工場や倉庫、あるいは配送センターといった、壮大な規模の建物が建っているのだ。

土地は無機的なものだと考えられがちだが、そこに建物が建ち、活用され始めると、土地は急に生き生きとした表情を取り戻す。その結果、一帯の景色までもが活気を帯びてきて、それを遠望する者にまで元気を与えてくれる。土地は、なんらかの目的で使われてこそ命を持つということを、身に沁みて実感する瞬間だ。

バブル経済の崩壊やリーマンショック、さらには歯止めの利かない少子化も重なり、日本の不動産事情は、以前とはまったく異なった様相を呈するようになっている。

かつては「土地信仰」という言葉もあったほど、土地は絶対的な資産であった。だが現在では、都市中心部のごく一部を除けば、ただ持っているだけの土地は「お荷物」と化しつつある。所有していれば税金を納めなければならず、相続のときにはもめごとの種になることもあるうえ、相続税も重くのしかかる。

だからといって売ろうと思っても、最近では、地方ばかりか、首都圏でも中心部から少し離れると、買い手がつかないというケースも珍しくないご時世だ。少子化により住宅需要は頭打ちになり、地方は言うまでもなく、都市部でも空き家が目立つようになってきている。

加えて、「失われた20年」とも称される長引く不況を体験した企業は、設備投資に二の足を踏んでいるところも少なくない。減反政策や後継者不足などにより、代々受け継がれてきた農地もいまでは耕作放棄地となり、荒れ地のまま放置されて雑草が生い茂り、なかには不法投棄のごみの山になってしまったところさえある。

かつては想像することのなかった「土地余り」の時代を迎え、いまや不動産は“負”動産とすら呼ばれるようになっている。

だが、そんな不動産市場に新たな価値観を導入し、使い道がないと考えられていた土地に息を吹き込み、有効活用の道を生み出している企業がある。それが本書で紹介するエム・ケー株式会社(本社・東京都日野市)であり、同社を率いる代表取締役の小林勁氏である。

エム・ケーの創業は1988年11月1日である。まさにバブル経済沸騰期の真っただ中であり、創業からおよそ1年後の1989年12月29日の大納会では、日経平均株価は3万8957円と史上最高値をつけた。

当時、株価以上に高騰していたのは地価である。そうした時期に創業した不動産会社と聞けば、不動産価格を吊りあげながら不動産を買っては売り、売っては買いを繰り返して大きく儲ける、そんなビジネスを展開してきたのではないかと考えるのが普通だろう。だが、小林氏は、不動産バブル最盛期の当時から、土地を有効活用することで安定的に収益を確保することを重視し、その収益を積みあげて会社の基礎体力にするという、堅実そのもののビジネススタイルにこだわっていた。

「人間の活動は、すべて土地の上で行われます。しかし、使える土地の広さには限界があります。だからこそ、土地をいかに利用するか、どう活用するかという知恵が重要なのです。活用方法しだいで、土地の価値を限りなく拡大し、発展させることができるはずです」

こうした独自の視点を持つ小林氏は、土地などの不動産に新たな生命を吹き込み、長期的に収益を生み出すものへと変革させていかなければならないと考えた。具体的に言えば、単に不動産を右から左へと売り買いするのではなく、その土地に長期的に価値を持つ上物を建て、その上物をリースして収益を生み出す「ヘッドリース事業」という独自のビジネスモデルを生み出したのである。

やがて、エム・ケーの土地活用技術はさらに進化していき、その技術で小林氏は、本来、開発ができないとされている「市街化調整区域」を開発するという新たなビジネスに乗り出し、エム・ケーを大きな成功へと導いていった。

多くの自治体にとって、「市街化調整区域」の存在は、頭の痛い問題だった。手つかずのまま放置されている広大な土地には雑草が生い茂り、不法投棄の場になっているところも少なくなかったが、その開発にはいくつもの困難があった。

「市街化調整区域」の活性化計画には、自治体などの許諾が必要であるうえ、相当数にのぼる土地オーナーの了解を取りつけるという困難を極める作業もともなう。そのため、膨大な時間と手間がかかるのが普通である。

ところが、小林氏が率いるエム・ケーは、それを驚くほどの短期間でやり遂げてしまうのだ。冒頭に書いた景色の変化は、小林氏が手掛けた「市街化調整区域」の開発プロジェクトにより、土地が新たな生命を得たことによる変化だったのである。

こうした「市街化調整区域」の開発により、それまで過疎化に悩んでいた地方に新たな雇用が生まれ、自治体としても新たな税収が期待できるようになる。これは、国が掲げている「地方創生」という課題に対する、これ以上ない解答にもなっている。それを証明するように、現在、エム・ケーには全国の自治体から次々と開発依頼が殺到しており、その応対だけで時間がなくなってしまうと、小林氏はうれしい悲鳴をあげている。

「不動産は、所有することに価値があるのではありません。不動産を活用し、長期的に収益を得られるものに変えていかなければならないのです。その実践を推進することが、不動産事業に求められる本来の社会的役割であるはずです」

と言う小林氏の発想は、不動産の価値観におけるコペルニクス的転回と言っても過言ではない。

この革新的発想がいかに時宜を得たものであるかは、エム・ケーの30年の軌跡が証明している。その間には、バブル経済の崩壊と、その後の長期的不況、さらにはリーマンショックなどもあり、不動産市場のみならず、日本経済そのものがたどった道は、平坦とはほど遠かった。だが、そうした時代背景のなかでもエム・ケーは、創業以来、おおむね右肩上がりの勾配を描いて着実に成長路線を歩んできた。

35平方メートルの狭い事務所に、小林のほかは女子社員が2人いるだけでスタートした小さな会社が、いまや年商200億円を超えるまでになり、時代の先端を走って日本の不動産活用の質的転換を力強く牽引する、堂々たる企業へと成長を遂げているのだ。

「不動産事業は、私の天性の職業だったのかもしれません」

と、謙虚な口調で語るこの言葉以上に、小林氏の正鵠を射るものはないだろう。

エム・ケーは、2017年11月に創業30年を迎えた。企業の寿命は30年という説があるが、それを踏まえるならば、2018年はエム・ケーにとって、新しい世紀の扉を開き、この先、さらに一段、また一段と新たなステージを駆けのぼっていく、まさに新たな出立の年だと言えよう。

本書では、小林氏とエム・ケーの30年の歩みをたどりつつ、その歩みを牽引する小林氏の不動産活用の理念と実績を、つぶさに紹介していく。

「生涯、仕事人でありたい」

これも、小林氏が掲げる理念のひとつだ。76歳(2018年時点)である小林氏のこの考え方は、いまや4人に1人は高齢者という日本を活性化させる、もうひとつの価値ある提唱と言えるだろう。

そうした意味からも、小林氏という傑出した人間像を描き出し、その足跡を紹介することは、現在の日本が抱える幾多の課題に対する答えを示唆し、その先への光明を示す、貴重な1冊となるものと自負している。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

2018年5月  鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 “負”動産から“活”動産へ
―エム・ケーと小林勁が仕掛ける不動産革命―

エム・ケーの新たな一歩・創業30年パーティー
パーティーに集まった多様な顔ぶれとエム・ケー
安定的な経営基盤なくして企業の成長はありえない
「市街化調整区域」とはなにか
市街化調整区域開発のオンリーワン企業「エム・ケー」
エム・ケーが行った市街化調整区域開発事例
 事例Ⅰ 市街化調整区域開発プロジェクト「イオンモールつくば」
 事例Ⅱ 市街化調整区域開発プロジェクト「ネクストコア清久」
 事例Ⅲ 市街化調整区域開発プロジェクト「ネクストコアあきる野」
 事例Ⅳ 市街化調整区域開発プロジェクト「ネクストコア五霞」
 事例Ⅴ 市街化調整区域開発プロジェクト「ネクストコア海老名」
 事例Ⅵ 市街化調整区域開発プロジェクト「ネクストコア三島三ツ谷工業団地」
 事例Ⅶ 市街化調整区域開発プロジェクト「ネクストコア千葉誉田」


第2章 不動産価値革命の先駆者
―建築設計士から不動産業への転身―

土地に生命を吹き込むことを天職として
土地を愛するDNAを受け継いで
農地改革で土地を失う
建築の道を志す
生涯働き続けるために
建築は日本の将来像を具体化する仕事だ
超高層ビル時代の幕開け
建築設計家としての一歩を踏み出す
先輩から学んだ設計士としての技術と魂
いまも思い出に残る病院設計
一生の基盤が形成される
ゼネコンから住宅メーカーへ転進
いくつものカルチャーショックから学びを得る
芽生え始めた独立志向


第3章 農耕型不動産ビジネスとヘッドリース事業
―所有から活用へ。不動産の新しい価値を見出す―

エム・ケー株式会社の船出
マンションの一棟売りからスタート
困難な仕事だからこそ挑戦する
「農耕型」という新しい不動産ビジネスの開発へ
確かな収益基盤、それも継続的な収益基盤をつくろう
「ヘッドリース」というビジネスモデル
リスクはエム・ケーが負い、オーナーには迷惑をかけない
ヘッドリース事業第1号案件「北野ビル」
大量雇用時代の社員寮・社宅に着目
社員寮から有料老人ホームへの転用
耳たぶに触れる需要を聞き逃すな
不動産事業を通じて社会に貢献する企業へ
大きなペナルティを支払って学んだこと


第4章 働き方改革を先導する
―徹底した少数精鋭主義と女性の活用―

粒選りの少数精鋭集団
率先して働き方革命を実現していく
次世代型の不動産マンを育てていく
何歳になっても仕事をしてほしい
一騎当千の営業活動を支える女性スタッフ


第5章 100年後も存続する企業へ
―企業遺伝子を培い、それを継承していく―

敢えて成長速度をゆるめる
「安全・確実経営」を確保しているからこそ取れるリスク
数々の受賞が物語る、小林の経営手腕
不動産ビジネスが揺らぐことは永遠にない
変化を鋭く読み取る先見性が勝負を分ける
小林が描く次世代型不動産活用とは
大胆な発想の転換が求められる都市開発
企業遺伝子をつないで100年企業へ


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2018/05/23

『学歴がなくても、年収6億円を稼ぐ男の人生』 前書きと目次

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学歴がなくても、年収6億円を稼ぐ男の人生
~「顧客目線」で不動産業界の常識を打ち壊す、佐々木数修都の型破り経営~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-442-6
初版発行:2018年6月3日




はじめに

日本が「長寿大国」と言われるようになって久しいが、長寿は、長く生きることで味わえる喜びや楽しさなどをもたらしてくれる一方で、これまでにない心配や不安も生じさせている。

その心配や不安の筆頭にくるのは、やはり健康とお金についてである。どうすれば豊かで活力のある老後を送ることができるのか。これからの時代は、年金だけでは心もとないし、銀行への預金も金利は限りなくゼロに近い。

それだけに、自分の責任で財産を蓄え、かつ、蓄えたお金は自分で守るという意識を持つことが不可欠だ。そこで注目されているのが不動産投資である。

不動産投資というと、投資のプロが行うものであり、素人が行うにはハードルが高いと思われがちだが、最近では一般の会社員でも不動産投資に取り組む人が増えているという。数ある投資商品のなかでも、不動産は安定感があり、かつ、わかりやすい商品であることが、広く一般に理解されてきたからだろう。仮に、急激な景気の変動に見舞われたとしても、不動産は、まったくの無価値になるようなことはない。

投資する物件と、その物件を手掛ける建設会社や不動産会社の選び方さえ間違えなければ、老後も家賃収入によって安心して暮らしていくことができる。そんな、ある意味で理想的とも言える老後の生活スタイルを、いまは普通の会社員でも手に入れることが可能な世の中になってきているのだ。

自分の将来を豊かで実り多いものにしたいなら、「自己責任」と「自助努力」を基盤にした準備が重要だ。とはいえ、自分だけではできないので、それを手助けしてくれるパートナーが大切となる。その準備をするときに力強い味方になってくれる不動産会社が、株式会社金太郎ホーム(本社:千葉県千葉市、代表取締役:佐々木数修都氏)である。

金太郎ホームは、グループ会社である株式会社金太郎カンパニーと株式会社エフと密接に連携し、東京から千葉に至る湾岸エリアを中心に、投資用賃貸マンションの施工・販売や自社施工物件の仲介・管理などをトータルに手掛けている。2002年に創業して以来、右肩上がりの成長をずっと続け、2017年度の年間売上高はグループ全体で100億円に達する。

創業者の佐々木数修都氏は、まだ47歳という若さで、ほとんどゼロの状態からここまで会社を築きあげてきた。

金太郎ホームの特徴は、すべてが顧客本位、入居者本位で貫かれていることである。
主力商品である新築賃貸マンション「ヒルズシリーズ」は、湾岸エリアの総武線沿線の駅から徒歩10分圏内に建つ、中低層のモダンなデザイナーズマンションだ。立地条件、設備、建築構造、デザインなど、どれをとっても秀逸で、かつ、新築か築浅のうえ、付加サービスも豊富なため、非常に人気が高く、入居率は平均96%を誇る。まさに、「入居者から選ばれる賃貸物件」だと言える。

そのため、500人ほどいる物件のオーナーは、全員が「勝ち組大家さん」である。全員が家賃収益を確保しており、これまでに債務不履行に陥ったケースは1件もない。つまり、金太郎ホームは「成功率100%」の優勝請負人なのである。

この成功と人気の秘密は、これまでの建設業界のやり方を根底から覆した建設手法にある。

手掛ける物件は法定耐用年数34年の重量鉄骨造の中低層マンションに限定し、物件のサイズや規格の標準化と徹底した効率化によって建設コストを3割以上削減することで、坪単価26万8000円という脅威の低価格を実現。さらに工期も同業他社の3分の2にまで短縮させた。

「最安値で最高品質、これに金太郎グループは挑戦します。『ヒルズシリーズ』は価格、品質、工期の3点セットで業界に革命を起こしたと思っています」

と、佐々木氏は言う。詳細は本文で説明するが、顧客本位の追求により生まれた画期的な施工法が、そのまま、従来のアパート・マンションの建設のあり方への問題提起となっていることにも注目してもらいたい。

最安値で最高品質という「金太郎流」は、土地を所有する人だけでなく、一般の会社員などにも、不動産投資への道を広く提供することになった。いまでは、金太郎ホームの物件オーナーの4割は、土地を持たない普通の会社員で占められている。しかも、彼らの多くは不動産投資を「事業」としてとらえ、2棟目、3棟目の購入に向かうという。

そうしたオーナーたちに的確なアドバイスをし、彼らの投資を成功に導けるのは、佐々木氏が洞察力と膨大な量の知識を持っているからにほかならない。

佐々木氏は、設計から収支計画の作成、現場管理、金融機関との交渉、さらには経営サポートや税金の相談に至るまで、すべてをコンサルティングできる不動産投資のエキスパートである。その教えを受けようと、不動産投資希望者が全国各地から金太郎ホームにやってくる。日本人だけでなく、外国人投資家のお客様も増えているという。

「私は、マンションを売っているのではなく、事業を売っているのです」

そう語る佐々木氏は、建物のほかにもうひとつ大事なものも売っている。それがサービスだ。

金太郎ホームでは、入居者に対し、スウェーデンのVOLVOの無料レンタカーをはじめとして、野球観戦チケットや東京ディズニーランドの招待券など、さまざまな特典を提供している。こうしたサービスの原資は、金太郎グループ内で信用保証や保険業務を担当する株式会社エフからの収入があてられている。

また、物件の仲介や管理などを受け持つ株式会社金太郎カンパニーによる管理体制も万全で、なにかのトラブルなどがあったとしても30分以内にスタッフが駆けつけられるように体制を整えている。

さらに、入居者どうしの交流会も金太郎カンパニー主導で行われており、その甲斐もあって更新率は84%にのぼる。つまり、金太郎ホームの物件に住んでいる入居者の大半が、長く住み続けることを希望しているわけだ。

なお、この金太郎カンパニーによる賃貸管理からのインカム収入により、金太郎グループの社員全員への給料がほぼ賄われている。つまり、金太郎ホームの年間100棟におよぶ賃貸マンション建設からの利益はそのままキャッシュとして残り、仮に金太郎ホームの売り上げがゼロであったとしても、社員全員の給料は問題なく支払われる体制ができあがっているというわけだ。

この金太郎グループの「潰れない会社」というビジネスモデルを、佐々木氏は身ひとつから築きあげた。キャッシュフローとインカム収入をベースにするこのビジネスモデルは、不動産業に限らず、すべての業界に通用する経営手法である。

さらに、徹底したむだの排除と時間の管理によって社員のコスト意識を高める手法は刮目すべきものがある。「習慣が人間をつくる」という信念を形にすることで若い社員を芯から鍛えていくことにより、成長速度を大きく向上させている。

このほかにも、社会貢献や海外戦略など、紹介すべきことは多くあるのだが、詳しくは本文を読んでもらいたい。すべての行動や考えが、佐々木氏の奮闘と努力のなかで生まれ、育まれたものであることが、感じとれると思う。

現在、佐々木氏は、約6億円の年収を得ている。この額は、グループ従業員数60人、年商100億円規模の企業の代表としては、一見、高額に見えるかもしれない。

しかし、本文をご一読いただき、「最安値で最高品質」のマンション建設を可能にし、年間100件の投資用マンションの一棟売り契約を結ぶと同時に、「潰れない会社」のビジネスモデルをつくりあげた優れた経営者であり、なおかつ、すべてのオーナーから寄せられる相談にも個別に応えている佐々木氏の素顔を知っていただければ、その金額の理由も納得できるはずだ。

また、自分の道を切り開くのは出自や学歴ではなく、物事の本質を見極める力と、誰かに喜んでもらいたいという想いがその原動力になることを、佐々木氏は身をもって伝えてくれている。

本書は、投資用賃貸マンションビジネスを展開する金太郎グループの事業活動を紹介するとともに、創業者・佐々木数修都氏の経営理念と人生哲学に迫るものである。これは、資産形成を考えている人だけでなく、生き残りを図る建設業界関係者、および、自らの人生の道を模索している若者にとっても、貴重な指南の書となるであろう。

なお、文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

2018年4月  鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 過熱する不動産市場の現状と課題

過熱する不動産投資の背景にある老後の不安
相続税制の改正でブームが加速
集団訴訟まで招いたサブリース問題
入居者もオーナーも満足させる、成功率100%の金太郎ホーム
じりじりと上昇する空室率はなにを語るか
不動産会社の言いなりになっている金融機関
賃貸アパート・マンション投資のメリット
不動産オーナーになる必要最低条件は、自分で判断できること


第2章 投資用マンションで快進撃を続ける金太郎グループ

「勝ち組大家さん」への仲間入り
金太郎グループのアウトライン
不動産投資の素人には新築物件が最適
重量鉄骨造マンションの建設費で坪単価26万8000円を実現
「最高品質」「最安値」を実現するための8つの約束
「湾岸に集中」「駅から10分」という徹底したエリア戦略
不動産投資の成功はキャッシュフローにあり
「ヒルズシリーズ」に込められたオーナーへの配慮
コスト削減との闘い
投資初心者も安心のワンストップ体制
「不動産」ではなく「事業」を売る
パートナーとは対等の関係
事業収支計画のシミュレーションと出口戦略
自らマンション経営をしているからこそわかること
千葉県の賃貸市場


第3章 サービスを売る=潰れない会社

最後まで面倒をみる体制
徹底した入居者本位の姿勢
なにかあっても30分以内に駆けつける
入居者本位の数々の特典
滞納時の家賃を保証する株式会社エフがサービスの財源
サービスには値段がない
東日本大震災直後にとった行動
「潰れない会社」の法則
キャッシュへのこだわりが、何者にも振り回されない会社をつくる


第4章 強烈逆転人生・佐々木数修都の47年間

昭和の匂いが残る男
怠け者の大工の父親、貧しい家が出発点
友達は絶対に裏切らない
オートバイと学級委員とアルバイトの日々
研修期間中に会社を辞めて、次の会社へ
談合が許せず退社を決意
恵まれない環境だったから、すべて自分で覚えなければならなかった
身銭を切って物件を完成
いちばん迷惑をかけた人たちが、いちばん助けてくれた
創業時から佐々木を支えたスタッフ
独自の営業スタイルを確立し、「6億円稼ぐ男」へ


第5章 理念を込めた人材育成

顧客に対する非礼3回でクビ?
新入社員向けのユニークな研修
時間の管理が社是
限られた時間のなかで最高の結果を出す
あらゆることから「むだ」をなくす
「集中タイム」で残業ゼロに
相手を変えようと思ったら、まずは自分自身が変わる
家族を大事にする会社
仕事と家庭を両立できる会社
建設現場の光景を変える
生きた証をメモに残す
起業家を育てる「金太郎塾」


第6章 地域社会に寄り添いながら歩む金太郎グループ

超レトロ車輌「金太郎ホーム号」が走る
未来へつなぐまちづくり
小さいけれど、大事な貢献
いちばんの地域貢献は納税
スポーツ振興、「千葉ジェッツ」のスポンサーに
不動産業界のイメージの向上をめざす
なぜ「ライバルを育てる」のか
今後の動きから目が離せない金太郎グループ
金太郎グループの海外戦略
日本人起業家が結んでくれた台湾との縁
香港やシンガポールへの展開も視野に
20代の社長を誕生させることを宣言
後継者に未来を託し、ビジネスモデルの普及に尽くす


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2018/05/17

『バス旅女子が選ぶ 日本でいちばんバス会社らしくないバス会社』 前書きと目次

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バス旅女子が選ぶ
日本でいちばんバス会社らしくないバス会社
~安心、快適、きれいになるバス旅の秘密~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-443-3
初版発行:2018年5月28日




はじめに

「インバウンド」という言葉がメディアに頻繁に登場するようになり始めたのは、数年前からだ。本来は「外から中に入ってくる」という意味だが、近年は、訪日外国人旅行、あるいは訪日外国人旅行者という意味で用いられることが多い。

日本政府は観光を21世紀における重要な政策の柱として位置づけており、2003年の小泉純一郎内閣のときにビジット・ジャパン(訪日旅行促進)事業をスタートさせている。当時はまだ訪日外国人旅行者数は年間500万人ほどにすぎず、これを年間1000万人にするという目標が掲げられた。国を挙げた訪日旅行誘致の取り組みにより、2007年には訪日外国人旅行者数が800万人を超え、その後はリーマンショックや東日本大震災による一時的な落ち込みはあったものの、2013年に初めて目標の1000万人を突破した。

このころから「インバウンド」という言葉が盛んに使われるようになり、観光業や宿泊業など、訪日外国人旅行者を対象としたビジネスが勢いを増してきた。それを受けてさらに政府は、観光立国の実現に向け、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに訪日外国人旅行者数を年間2000万人にするという目標を掲げた。

ところが、免税制度の改定や、東南アジア諸国向けのビザの緩和、円安などが追い風となり、訪日外国人旅行者数は2017年に早くも約2869万人に達し、年間2000万人という目標を達成。そこで政府は新たに、2020年までに4000万人、2030年までに6000万人にすると、目標数値を引き上げた。

そうした状況下でバス業界は、中国人の爆買いツアーなどのインバウンド需要に支えられて貸切バスが好調だった。しかし、ここにきて、貸切バスによるインバウンドツアーに陰りが見え始めてきている。日本を訪れる外国人旅行者の旅行のしかたが、リピーターが増えるにつれ、ツアーではなくFIT(海外個人自由旅行)へとシフトしたことが大きな要因として考えられる。

代わって今後、外国人旅行者向けの需要が期待されるのが、LCC(格安航空会社)などと連携させた高速バスの分野だ。

高速バスは、多くは深夜もしくは早朝の発着で、新幹線や飛行機に比べて格段に安い料金で利用できるとあって、就職活動中の学生をはじめ若い世代を中心に人気が高く、いまでは格安の国内長距離移動手段として、日本人のあいだではすっかり定着した感がある。しかし、新幹線などに比べると、外国人旅行者のあいだでの認知度は、それほど高いとは言えないだろう。

ひと口に「高速バス」と言っても、以前は、大手電鉄系バス会社を中心とした高速乗合バスと、旅行業者が貸切バス事業者に運行を委託し、旅行業法に基づく募集型企画旅行のかたちで提供される高速ツアーバスの、2種類に分かれていた。後発の高速ツアーバスは、格安な料金設定で高速乗合バスとの差別化を図ろうとし、高速バス業界では熾烈な顧客獲得競争が繰り広げられた。

そんななかで2012年4月に、関越自動車道で高速ツアーバスの事故が発生。乗客7名が死亡し、乗客乗員39名が重軽傷を負う大惨事となった。

高速ツアーバスの運行が急増するなかで事故が起きたことを重く見た国土交通省は、安全性の確保などを目的に、高速乗合バスと高速ツアーバスを一本化した、新高速乗合バスのしくみをつくることにした。

こうして2013年7月末までに、高速ツアーバスは新高速乗合バスへと移行されたのだが、その再編された新高速乗合バス業界のなかで、独立系事業者として確固たる地歩を築いているのが、本書で紹介する株式会社平成エンタープライズ(本社:埼玉県富士見市、代表取締役:田倉貴弥氏)である。

平成エンタープライズの創業は、1992年に遡る。代表取締役の田倉貴弥氏が自ら購入した中古バス1台を元手に、台湾や香港から日本に来る観光客を空港や観光地に送迎することからスタートした。まさに日本におけるインバウンド・ツーリズムの先駆けと言っていいだろう。

「私がバス事業を始めた25年前には、外国人旅行者数は、まだ300万人を多少上まわる程度で、インバウンドという言葉を使う人はほとんどいませんでした。それがいまでは3000万人にも達しようという勢いですが、これほどまでにインバウンド需要が大きく伸びてきたのは、インターネットの普及が大きな要因でしょう」

と、田倉氏は創業当時を振り返りながら述べる。

インバウンド対象の貸切バス事業からスタートした平成エンタープライズは、2007年には東京~大阪間の高速バス「VIPライナー」の運行を開始し、高速バス事業に本格的に参入している。

バス事業者と旅行事業者の双方の免許を取得している平成エンタープライズは、いち早く自社の直販サイトを起ち上げ、集客から運行まで一括して自社で行うことで、めざましい成長を遂げてきた。

さらに、貸切観光バスや高速バス事業だけにとどまらず、2001年からは市町村が運営する路線バスや特別支援学校の送迎バスなどの、公共バス事業にも参入。幅広いバス事業を手がけるばかりか、旅行業との接点を活かした独自性の高い事業も展開している。

「私たちは、バス会社という枠を超え、お客様が必要とするさまざまな要望に応じて多種多様なサービスを提供できる、身近な存在をめざしています」

と、田倉氏は語る。

田倉氏は、社員の誰もが認めるアイデアマンで、これまでも顧客の視線に立って「こんなサービスがあったらいいな」と思うサービスを次々と生み出してきた。「周囲に男性客がいると安心して眠れない」という女性客の声に応えて、高速バスに女性専用車両を導入したのも、平成エンタープライズが初めてだ。

また、2010年7月には、東京の新宿駅のそばに、女性にとってうれしいパウダールーム完備の待合室「VIPラウンジ」を開設している。「VIPラウンジ」はその後、京都、大阪、東京、名古屋、なんばの各駅のそばにも開設しているが、パウダールームに高級コスメ200種類を揃えるなど、サービスの中身はいちだんと進化しているようだ。

実は私は、旧態依然としたバス業界に風穴を開けるべく斬新なアイデアを次々と打ち出し「バス業界の革命児」とも称されていた田倉氏の、そのビジネス哲学に迫ろうと、『バス会社社長の脱常識論』(IN通信社)を2010年12月に上梓している。当時も田倉氏の、常識にとらわれない柔軟な発想や、思いついたら即実行に移す決断力と行動力には、目を見張るものがあった。

「なにかおもしろいものはないかと、日々考えています」

と語る田倉氏は、何事に対しても興味と関心が強く、対象を分析し洞察する能力に長けている。田倉氏が生み出すさまざまなアイデアの根底にあるのは、「いかに利用者に喜んでもらえるか」であり、常に顧客の要望を満たすことを考えている。とりわけ「女性客を喜ばせたい」という気持ちが強いように見受けられる。

夜行高速バスの利用者というと、かつては男性客のイメージが強かったが、平成エンタープライズが運行する「VIPライナー」の場合、快適な眠りを追求した車内環境や、乗る前と降りたあとにまで配慮した「VIPラウンジ」のサービスなどにより、女性客から高い支持を集めている。「VIPライナー」の年間利用者数は約50万人にのぼるが、そのうち7割が女性で占められるという。

前著を上梓してから7年のあいだには、東日本大震災があり、新高速乗合バスへの移行もあり、高速バス事業を取り巻く環境は大きく変化したが、平成エンタープライズは、田倉氏が次々に打ち出す独自のアイデアと旺盛なチャレンジ精神で、順調に事業を拡大してきた。女性専用車両など、当時の高速バス業界では「脱常識」だと思われた先駆的な試みも、いつのまにか他社が追随し、いまでは常識となってしまった感がある。

田倉氏はいまも、常に他社の一歩も二歩も先を行き、うしろを振り返ることなく、先頭を走り続ける存在であることに変わりはない。

平成エンタープライズは、この7年のあいだに、バス保有台数、売上ともに、およそ2倍に増え、いまではグループ全体で450台のバスを保有し(2018年3月時点)、年商79億円を売り上げるまでに成長している(2017年3月期)

特筆すべきは、取締役副社長の葛紅氏を筆頭に、女性の管理職が多いことだ。平成エンタープライズには、女性が持てる能力を存分に発揮できる環境が整っていると見ていいだろう。

事業領域も幅広く、高速バス、路線バス、特定バス、日帰りバスツアーなどのバス事業にとどまらず、宿泊事業、ラウンジ事業、ネイルサロンやストレッチ&ボディケア専門店の運営や、8言語対応の総合観光ポータルサイトの運営など旅行系IT事業にも力を注ぎ、いまや「バス会社」のイメージを完全に超えている。

「高速バスや観光バス関連では日本一多くのサービスを提供できる会社にしたいのです。『あそこは、バス会社なのに、おもしろいことをやってるね。いったいどういう会社なんだろう』とお客様に興味を持ってもらい、バスという垣根を超えた新たな関係をお客様と築いていければと思っています」

と、田倉氏は抱負を語る。

目下、平成エンタープライズが重点的に力を注いでいるのが、インバウンドへの積極対応と、自社主催の日帰りバスツアーの拡充である。

日本を訪れる外国人旅行者は今後もさらに増え続け、年間6000万人時代の到来も、そう遠いことではないかもしれない。

ただ、外国からの旅行者は、高級ホテルに泊まるような富裕層ばかりとは限らない。むしろ、これから増えるのはバックパッカーのような、価値ある旅をリーズナブルに楽しみたいという人たちではないかと田倉氏は見ており、そうしたニーズに応えるべく、高速バスでの移動や宿泊、着地型旅行商品などをパッケージ化して、海外の人たちに積極的に提案していきたいと考えている。

また、外国人旅行者を対象としたエンタテインメント系のビジネスも、視野に入れているようだ。

本書は、今後ますますインバウンド需要が期待される高速バス業界にあって、独自性に富むサービスを打ち出し、バス会社の枠を超えた幅広い事業展開で快進撃を続ける平成エンタープライズの、強さの秘密を検証するとともに、創業社長である田倉貴弥氏のビジネス哲学に肉薄するものである。

わが国が観光立国をめざすうえで大切なことはなにか。バス事業の関係者のみならず、観光業や宿泊業など、さまざまなサービス分野に携わる人にとって、常に顧客目線のサービスを追求する田倉氏および平成エンタープライズの姿勢から学び取れることは多いはずだ。サービスを提供する側と、そのサービスを利用する側の双方にとって、本当に価値のあるサービスとはなにかを考えるうえで、本書がなんらかの指針となれば幸いである。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

2018年4月  鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 インバウンドの増加で需要増が期待される高速バス

高速バス新時代の幕開け
規制緩和で貸切バス事業者が高速バス事業に参入
高速乗合バスと高速ツアーバスの一本化
既存の停留所の発着枠を新規事業者に配分
新制度のもとで新高速乗合バスの人気は定着
付加価値の高いサービスを提供できるかが鍵
インバウンド需要は貸切バスから高速バスへ


第2章 バス業界の常識を変える平成エンタープライズ

バス事業を軸に関連分野へ事業を多角化
快適な眠りを追求する高速バス「VIPライナー」
タイプで選べる「VIPライナー」の豊富なラインナップ
サイト内の人気者「ネコ社長」がチャットボットにも
大好評だった「ワンコインシート」キャンペーンを復活
乗車前と乗車後まで考えたサービス「VIPラウンジ」
アナログとデジタルを融合させたサービス
路線バス、送迎バスや「あそびバス」で地域社会に貢献
バス事業者としての交通安全への取り組み
バス会社の枠を超えた顧客目線のサービスを


第3章 「あったらいいな」をかたちにした多彩なサービス

一般の利用客にも開放された「VIPラウンジ」
多目的ラウンジとしてサービスをグレードアップ
「VIPラウンジ」にネイルサロン「ルピナス」も併設
就職活動中の学生を応援
「手ぶら観光」が好評の手荷物一時預かりサービス
利用者の心をつかむには、きめ細かい対応が必要
格安の簡易宿泊施設「ホステルわさび」を展開
バス事業と宿泊事業の相乗効果を高める


第4章 バス会社ならではのオリジナルツアーを企画・販売

アイデアで勝負する日帰りバスツアー
お笑い芸人をスペシャル添乗員に起用
訪日外国人のFIT化に対応して海外営業を強化
海外営業で夜行高速バスの利点をアピール
インバウンド向け着地型日帰りバスツアーに注力
格安な旅をパッケージとして提案できる強み


第5章 「ネコ社長」田倉貴弥の経営理念と人生哲学

「人を喜ばせたい」という熱い想いで事業を展開
いくつもの事業を営む父親の姿を間近に見て育つ
大好きなクルマの運転を仕事に
中古バス1台を元手にバス事業を起ち上げる
公共バス入札の価格破壊で注目を浴びる
不祥事をなくさないかぎり会社に明日はない
人の命を預かる仕事の重みを常に意識
福利厚生の一環として起ち上げた介護&ストレッチ事業
ブルキナファソに学校設立資金を提供
楽しくて人が集まる会社が大きくなる会社


第6章 バス会社の枠を超え、世界を舞台に総合観光企業へ

インバウンドの増加を踏まえた数々の新企画
ハワイ、バンコク、台湾に現地法人を設立
比較されないマーケットを創出
東京の上野にインバウンド向けのリアル店舗を出店
名古屋にインターネットカフェをオープン
個人旅行者を対象とした便利なサービスが続々登場
バス会社として公共バス事業の拡大にも意欲
バス業界に特化したドライバー求人サイト「ドラプロ」
株式上場も視野に新たなステージへ


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2018/04/19

『クルマを「きれい」にする美学【KeePer】』 前書きと目次

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クルマを「きれい」にする美学【KeePer】
~日本人特有の国民性が生んだ高性能カーコーティング~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-441-9
初版発行:2018年4月18日




はじめに


「自動車産業は20世紀の産業中の産業であり、19世紀初頭におけるランカシャーの綿紡工場に相当する」

これは、経営学者であるピーター・F・ドラッカーが1946年に著した書籍『企業とは何か』の中の一文(抄訳)であるが、21世紀となったいまも、自動車産業が世界経済に大きな影響を与えているという事実は変わっていない。1769年に初めて蒸気で走る自動車がフランスで登場して以来、クルマは進化を続け、自動車産業の裾野も広がり続けている。

一般社団法人 日本自動車工業会の推計によれば、わが国の自動車関連就業人口は約534万人で、これは日本の全就業人口の8.3%にあたる。また、自動車の製造品出荷額は53兆3101億円(2014年)で、全製造業の製造品出荷額等に占める割合は17.5%、輸出額は15兆1200億円(2016年)で、わが国の主要商品の輸出額のうちの21・6%を占めている。

こうしたデータを見れば、日本においても自動車産業は基幹産業であると言っても過言ではない。

クルマは、「文明の利器」であると同時に「文化の尺度」でもある。

戦後復興を終え経済成長が始まった昭和30年代の日本では、自家用車は庶民の憧れであった。やがて、週末のドライブや休日の自動車旅行は「近代的な生活の象徴」としてとらえられるようになり、一般家庭の自動車保有台数は、年を追って増え始めた。

1970年代になると、自動車は「一家に1台」があたりまえとなり、特に都市近郊や地方の農村部では「クルマがなくては生活できない」という状態になった。それは日本における「クルマ社会」の現出であり、「クルマ文化」の定着でもあった。

さらに1974年から1978年にかけて巻き起こった、いわゆる「スーパーカーブーム」は、大きな社会現象となった。小学生らが「スーパーカー消しゴム」を夢中になって集めたり、スーパーカーの展示会などではカメラを抱えたファンが長蛇の列をつくったりした。

その後、スーパーカーブームはいったん沈静化するが、1980年代後半になると、バブル経済の恩恵を受けた層が、ポルシェやフェラーリといった億を超える超高価格帯のクルマにこぞって手を出すようになり、第二のスーパーカーブームといった様相を呈するようになった。

しかし、どんな事象も時とともに移り変わる。これはクルマとて例外ではない。

バブル経済が崩壊するとともに、スーパーカーの人気はいっきに冷えこんだ。そして、いまでは「若者のクルマ離れ」が取り沙汰されるようになっている。トヨタ自動車が2010年にまとめた「『若者のクルマ離れ』について」でも、「エントリー世代(大学生)のクルマ意識の変化」として、「20代男性でクルマを趣味とする人は減り、お金をかけないものへと変化」「興味と所有欲もここ数年で大幅に低下」と指摘している。

このように、販売面では陰りが懸念される自動車市場ではあるが、変わらないものもある。それは「クルマ好きの人が持つ意識」である。

オークネット総合研究所がクルマの所有経験のあるユーザーを対象に実施した「クルマへの愛着に関する意識調査」では、20代の90%以上が自分のクルマに対して愛着を有し、そのうちの48%はクルマを「モノ」ではなく「家族」のような存在として、特別な感情を抱いていることがわかった。その愛着を感じるタイミングについては「運転しているとき」が34・4%と最も高く、次いで「洗車しているとき」が18.8%となっている。

このような感情は、「クルマを大切に扱い、長くつきあう」という意識に根ざしていると言えるだろう。

実際、日本人の「クルマを美しく保とう」とする姿勢は、国民性の表れだと言ってもいいだろう。こうした美意識は、世界でも類を見ない、一種独特な文化であると言えそうだ。だから、日本を訪れた外国人は、日本人の持つクルマのメンテナンスへの意識の高さに一様に驚くことになる。

フランス人男性と結婚した私の知人は、初めて伴侶を伴って日本に帰国した際に、渋滞する日本の道路を見た夫から、「日本では新車しか道路を走ってはいけないという法律でもあるの?」と聞かれたことがあるという。たしかに海外では、サビだらけのクルマや、へこみや傷の目立つクルマが走っていることも珍しくはない。そう考えれば、彼のような疑問を抱く外国人は、けっして少なくはないのだろう。

また、2017年10月には、中国のメディアが「日本のバスの運転手は、自身のクルマでもないのにタイヤのホイールまで雑巾できれいに磨きあげている」という記事を写真つきで掲載し、多くの中国人ネットユーザーから驚きの声が寄せられた。海外の人々からすると、汚れて当然のタイヤやホイールまでこまめに掃除する日本人の感覚は、驚嘆に値するようだ。

おそらく日本人は、世界的に見ても「クルマの美しさを保つこと」に熱心な国民なのだろう。だからこそ、ガソリンスタンドではサービスの一環としてスタッフが窓を拭いてくれるし、洗車機も世界中のどの国よりも発達している。

「私はいろいろな国で洗車機を見てきましたが、これほど精巧に動き、高いクオリティと付加価値をともなった仕上がりを実現できるのは、日本の洗車機だけですね」
こう語るのは、本書で紹介するKeePer技研株式会社(本社:愛知県大府市)の代表取締役社長である谷好通氏だ。

また、谷氏は「クルマを美しく保つためには、ごしごしと磨くのではなく、きちんとクリーンアップし、きれいにお化粧をすることが、なによりも大切です」とも語っている。

車体の美しさを保つ方法としては、最近では洗車とカーコーティングを併用する方法が最も一般的である。クルマに付いた埃や汚れを水で洗い落としたあと、ワックスやポリマーコーティング剤、あるいはガラスコーティング剤などで車体を保護して、美観を保つのだ。

しかし実は、この方法ではクルマの美しさを完璧に保つことは難しい。というのも、洗車には水が欠かせないが、水道水や井戸水にはカルシウムやマグネシウム、ナトリウムなどのミネラルが含まれているため、洗ったあとに鉱物のこびりつきが生じるおそれがあるからだ。さらに、コーティング剤として普及しているワックスの耐久性には限界があり、ポリマーは傷に弱いという難点もある。

こうした一般的な洗車とカーコーティングに付随する種々の問題を解決してくれるのが、KeePer技研の社名にもなっている「キーパーコーティング」という技術である。これは、洗車には水道水ではなく逆浸透膜でつくった純水を使用し、丁寧に手洗いを施したうえで「クリスタルキーパー」もしくは「ダイヤモンドキーパー」という独自のコーティング処理を行うというものだ。

この2種類のコーティング処理には、いずれも従来のガラスコーティング剤とは異なるケミカル製品を使っているため、経年車であっても塗装面を研磨することなく艶やかに仕上げることができる。

これらの技術について谷氏は、

「ドイツの大手化学メーカーと共同で開発した技術と、当社が独自に開発した技術が活かされています。これらの技術では、いくつも特許を取得しています」

と、胸を張る。

KeePer技研の設立は1993年。谷氏が当時経営していたガソリンスタンドで洗車とカーコーティングを担っていたスーパーポリマー事業部を分離し、洗車とカーコーティングの施工や、カーコーティングに使うケミカル製品や道具の販売、さらに施工技術の研修や伝承を目的に、KeePer技研の前身であるアイ・タック技研を起ち上げたのが発端である。

実は当初、谷氏は2軒目のガソリンスタンドを経営しようと考えていたのだが、ガソリン販売には総量規制があったため、やむをえず、2軒目のガソリンスタンドをつくる予定だった場所で洗車とカーコーティングの事業を始めたのだという。その「やむをえず」始めた事業が順調に業績を伸ばし、いまでは洗車&カーコーティングの専門店「キーパーLABO」として全国各地に展開するようになった。

KeePer技研の洗車&カーコーティング技術は顧客から高評価を得ており、リピート率もすこぶる高い。

「少しでも喜んでいただこうと工夫したことの多くがお客様に受け入れられ、それがリピーターの増加につながったのだと思います」

と、谷氏は言う。

KeePer技研の評判は、しだいにクルマ関連の業界に広く知れ渡るようになり、多くの注目を集めるようになった。そしてついには、大手石油元売会社が、傘下のガソリンスタンドに対して、KeePer技研の研修を受けることを推奨するまでになった。

そこで、KeePer技研では、同社が実施する研修を受け、カーコーティングの技術検定で1級の資格を取得した社員を擁するガソリンスタンドを、技術認定店「キーパープロショップ」とする事業を開始した。現在では、「キーパープロショップ」は5656店舗(2018年2月8日時点)にまで拡大している。

また、KeePer技研が運営する洗車&カーコーティングの専門店「キーパーLABO」は、フランチャイズ店を含めると全国に74店舗となっている(2018年1月末時点)。洗車&カーコーティング専門店として、ここまでの規模で事業展開しているところは、ほかにはない。

本書は、他に先駆けて画期的な洗車とカーコーティングの技術を開発し、日本の「クルマ文化」に新たな潮流をつくりだしている、KeePer技研の事業活動を紹介するとともに、創業社長・谷好通氏の経営理念と人生哲学に迫るものである。これは、クルマをこよなく愛する人々にとって、日本のクルマ文化を考えるうえでの貴重な指針の書となるであろう。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

2018年3月  鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 きれい好きな国民性に根ざした日本のクルマ文化

日本経済を牽引してきた自動車産業
減少傾向にある自動車販売台数
「若者のクルマ離れ」は本当か
「家族」や「友人」のようにクルマに愛着を感じる日本人
きれい好きな国民性が洗車やカーコーティングにも反映
クルマの「きれい」は「安全」に直結している
海外ではおなじみの「洗車屋さん」が日本には存在しない理由
洗車とカーコーティングに特化したKeePer技研


第2章 日本の新しい洗車文化を創造するKeePer技研

KeePer技研が提唱する「新しい洗車文化」とは
KeePer技研の技術を正しく伝えていく営業部隊
顧客のリピート率は85%!「キーパーLABO」
カーコーティングと洗車用のケミカル製品の開発、製造、販売
カーコーティング技術認定店「キーパープロショップ」を展開
組織変更で東証一部上場後の気の緩みを一掃
SUPER GT最終戦にてシリーズチャンピオンを獲得


第3章 クルマの美しさを追求する「キーパーコーティング」の実力

顧客の期待を上まわる「きれい」を実現
売れ筋ナンバーワンの「クリスタルキーパー」
圧倒的な艶と存在感を出す「ダイヤモンドキーパー」
「キーパーコーティング」の原点である「ピュアキーパー」
美しさを保つメンテナンスの基本は「洗車」
プロのこだわりが詰まったオリジナルの洗車グッズ
顧客のクルマと作業する人を守る、その想いが特許に結実


第4章 技術の向上への飽くなき探究―全国各地で活躍するKeePer技研の技術者たち―

全国13カ所にトレーニングセンターを開設
ガソリンスタンド経営者がカーコーティングに着目する理由
コーティング技術の認定制度と「キーパープロショップ」
「キーパープロショップ」の技術レベルをいかにして維持するか
全国チャンピオンをめざして競う技術コンテスト
日々「キーパーコーティング」の技を磨く技術者たち
モチベーションの源は「ありがとう」という言葉


第5章 創業社長・谷好通の経営理念と人生哲学

労苦でしかなかった「晴れた日の洗車」
32歳で起業し、ガソリンスタンドを開設
2軒目として洗車とカーコーティングの専門店をオープン
「キーパーコーティング」の原型となる「Qシステム」の誕生
ドイツの化学メーカーと共同開発したコーティング剤
ビジネスの基本は「与えるが勝ち」
妻の不調が教えてくれた「大切なこと」
第1号店の開始時から続ける徹底した情報公開
谷好通の仕事のこだわり


第6章 KeePer技研が描く未来展望

「キーパーLABO」100店舗体制の達成に向けて
事業発展に不可欠な人材の採用に注力
画期的な新人研修と早期キャリアアップ
女性向けの新商品「艶パック」で新たな市場を切り開く
米中への進出、アプローチで思い知った洗車文化の違い
次世代に託す「キーパープロショップ」の海外展開
堅実経営の先に見えてきた大きな夢「キーパーLABO500店」
まだまだ伸びしろのある国内市場

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2018/03/09

『オーイズミグループの挑戦』 前書きと目次


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オーイズミグループの挑戦
~驚きと感動のホスピタリティ産業を追求~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-375-7
初版発行:2012年9月3日




 はじめに

 長引くデフレはいつの間にか完全に社会に浸透した観がある。国内外のさまざまな要因が重なり、景気の先行きには一向に明るい兆しが見えず、人々の節約志向もすっかり定着した。そうしたなかで生まれたのが、食事や娯楽などを家の中で完結させる「巣ごもり消費」と呼ばれるトレンドだ。その影響をもっとも受けているのが外食産業で、加えて食の安心・安全に対する懸念、中食ビジネスの成長、さらには弁当を自作する弁当男子ブームなど、逆風が吹いている。

 さらに追い打ちをかけたのが東日本大震災だ。震災直後の過度な自粛ムードはほどなくして落ち着いたものの、不要不急の消費は手控えるという傾向は依然として続いている。

 昨年来からの「節電キャンペーン」も、大量生産・大量消費が前提だった従来の生活を改めて見直すきっかけとなった。

 その結果、誰もが「自分にとって本当に必要なものは何か」を考えるようになり、「自分にとっての幸せ、心地よさ」に対しては相応の対価を支払うが、そうでないものに対しては、いかに低価格であろうと価値を見いださない傾向が鮮明になってきた。

 外食産業においては、その傾向はいっそう顕著だ。いまや外食産業は、こうした社会の変化を敏感に読み取り、消費者の多様化する価値観に対応していかなくては生き残れない時代に突入しているのだ。実際、若者の酒離れに対応するため、食事に比重を置く居酒屋、一人客(おひとりさま)や女性(女子会ブーム)に喜ばれるメニューやシステムを導入した店が業績を伸ばしている。

 デフレの環境下でも人は自分が本当にいいと思ったものやサービスにはお金を使う。そうした意味では、顧客一人ひとりの志向を先取りする真のホスピタリティが求められる時代がはじまっているといえる。

 そうしたなか、ひときわ個性的な魅力を放っているのが、本書で紹介する「オーイズミグループ」だ。同グループでは、「遊」「食」「動」「明」を事業テーマに掲げ、「遊」のアミューズメント事業を中心に展開している株式会社オーイズミ(本社:神奈川県厚木市、代表取締役社長:大泉政治氏)と、「食」を担う飲食事業を展開している株式会社オーイズミフーズ(本社:神奈川県厚木市、代表取締役社長:大泉賢治氏)などでグループを構成している。

 平成二十四年三月期のオーイズミグループ全体の売上高は約三三〇億円、経常利益は三五億六〇〇〇万円となる。その中核を担うオーイズミは、平成十六年に東証一部上場を果たし、その実績と技術は高く評価されている。一方、オーイズミフーズは、居酒屋「くいもの屋 わん」を中心に全国でおよそ一六〇店舗を展開している。

 「わん」は現在およそ一三〇店舗を展開し、その洗練された料理や内装、さらにはきめ細やかなおもてなしのサービスといったワンランク上の店づくりで、顧客から高い支持を集めている。

 同社は「かかわるすべての人々をHappyに」をモットーとしており、発展の原動力となったのが、高付加価値路線の店づくりによって生み出される高い収益性だ。世の中はデフレであっても、手が届く範囲内でなら少しだけリッチな気分を味わいたいという顧客は確実に存在する。そうした顧客のニーズを読んだ的確な時代感覚、そして、顧客の嗜好にマッチした店をつくりあげ運営するオペレーションの巧みさが成功をもたらしたといえる。

 出店スタイルも特徴的だ。同社では、本社を置く神奈川県を中心に、居酒屋の競合が比較的少ない中小ターミナルなど、これまで業界が注目してこなかったエリアへ積極的に出店。地域住民のニーズをとらえた地域密着型の店舗展開は、画一的な店舗運営でローコストオペレーションを実現する同業他社とは一線を画す。こうした出店戦略は、地代などのコスト削減効果も生んでいる。

 また、すぐれたサービスを提供するためには、優秀な人材が必要不可欠となる。顧客へのきめ細やかなサービスはマニュアルだけに頼っていてはできない。地域密着型の店舗も本部からの指示だけでは現実不可能だ。

 そこで同社では、人事評価制度の刷新、モチベーションアップのためさまざまな取り組み、労務環境の改善などを積極的に行うことで、自ら考え自立的に仕事に取り組んでいける考える集団燃える集団づくりに注力している。

 「景気の低迷が続き、東日本大震災以降、消費者の財布の紐も固くなり、外食産業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いていますが、どんな状況においても、常に創造的な仕事を行い、仕事を通じて多くの人に愛される企業でありたいと願っています」

 こう語るのは、オーイズミ代表取締役社長・大泉政治氏である。

 大泉氏は父親から町工場を継ぎ、昭和四十三(一九六八)年に神奈川県秦野市で大泉製作所を設立。当時、大泉氏は二十五歳、仕事は大手電気メーカーの下請けとしてのプレス板金加工が中心だったが、第一次オイルショックにより、下請けとして生き残ることに限界を感じた大泉氏は、トレンドや他人のアイデアにとらわれない、逆転の発想で自社製品の開発に着手した。それが「硬貨計算機」だ。

 パチンコ店にとってはパチンコ台に大量に投入された硬貨を手作業で数えていた手間が省け、経営の効率化をはかることが可能となった。試行錯誤の末、硬貨計算機の開発に成功したのは昭和五十三年ころである。大泉氏が開発した硬貨計算機は発売直後から評判を呼び、日本電信電話公社(現・NTT)、日本国有鉄道(現・JR)、日本道路公団に次々と導入されていった。

 翌年には、その高い先見性と技術力が評価され、「全日本中小企業総合見本市」において内閣総理大臣賞を受賞。硬貨計算機のメーカーとして、世間に広く認知されることとなった。次いで「紙幣計算機」、「紙幣識別機用金庫」の開発に成功し、昭和五十七年には再び、内閣総理大臣賞を受賞している。

 「昭和五十七年に五〇〇円硬貨が誕生し、当社は大きく成長しました。なぜ私が硬貨計算機の開発を考えたのかといいますと、オイルショックが起きたとき、物価が上昇して一時的なインフレになりました。近い将来、デノミネーションあるいは五〇〇円玉が誕生するのではないかと直感したのです。自分の勘だけを頼りに実行に移すのには勇気がいります。内閣総理大臣賞を受賞したことが後々自信につながりました」

 続いて、大泉氏が着手したのは、製造業とはまったく結びつかない異業種の飲食業への参入だ。

 それまでの製造業とはまったく違う業種として最初に手がけたのはスーパーマーケットの経営である。

 「以前、日用品や食品を取り扱うミニスーパーの経営をしていました」

 ミニスーパーの経営は思いのほか順調に推移し、店舗数も拡大。このとき、大泉氏は消費者との直接取引である「BtoC」ビジネスの可能性に気づき、「BtoC」ビジネスの本格的な参入を決意する。ミニスーパーを運営する会社を基盤として、平成二年一月に居酒屋「うまいもの屋湘南いちば」を神奈川県厚木市に開店。さらに平成十二年一月に神奈川県伊勢原市に「くいもの屋 わん」を開店する。

 「最初は一年に二、三店舗のペースで開店させていました。当時、居酒屋業界は競争が激しく、戦略を考えるのに必死でした」

 大泉氏は、飲食業に参入した当初から、他者の真似はせず、独自の店舗運営に徹底的にこだわってきた。それが居酒屋「くいもの屋 わん」のワンランク上の顧客満足を提供する現在の店舗スタイルにつながっている。

 大泉氏の異業種へのチャレンジはまだ続き、その後、「動」の不動産業、「明」の介護予防分野への進出も果たしている。この二つの要素は、大泉氏の人生哲学である「楽しく仕事をして、楽しく遊び、おいしいものを食べて、素敵な家に住み、明るい暮らしをする」を実現させるためには不可欠だからだ。オーイズミグループの四つのテーマ「遊」「食」「動」「明」とは、大泉氏が追い求める人生でありチャレンジの歴史そのものを表している。

 本書は、究極のホスピタリティ産業を追求するオーイズミグループの飲食事業を中心に、グループ全体の事業概要を紹介しつつ、同グループを率いる大泉政治氏の経営理念、人生哲学に迫るものである。

 これは単に飲食事業に携わっている人のみならず、真の価値を求めるすべての一般読者にとっても貴重な指針の書となるであろう。長引く不況で社会全体に閉塞感が広がっている。チャレンジすることに対してあきらめてしまっている日本人の背中を押し、再び目標に向かって努力し、邁進することの偉大さを呼び起こすきっかけとなれば、これほどうれしいことはない。

 なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

平成二十四年七月   鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 多様化する顧客の価値観に対応せよ

長引くデフレがもたらした「巣ごもり消費」
逆風吹き荒れる外食産業
激化する外食サバイバル
激しい価格競争の渦に巻き込まれる
大打撃を与えた食の安全
ホスピタリティが求められる時代
外食産業に名乗りをあげるオーイズミ


第2章 かかわるすべての人に幸せを届ける

ナンバーワンをめざして――「くいもの屋 わん」誕生
オーイズミフーズに見る独自の経営路線
独自路線を築くもう一つの飲食事業の柱「オーイズミダイニング」
一品ずつ手づくり料理でおもてなし
答えは現場にある
中小ターミナルを中心にした出店戦略
かかわるすべての人にHappyを届ける


第3章 「遊」「食」「動」「明」をテーマに成長するオーイズミグループ

素晴らしい人生を送るための「遊」「食」「動」「明」
パチンコ業界の変遷
脱下請けで町工場から開発企業に
独創的なアイデアで内閣総理大臣賞を二度受賞
パチンコ業界に新規参入
パチスロ機の開発をスタート
堅実経営をめざす「不動産ビジネス」


第4章 一人ひとりが自ら考えて動ける集団に

オーイズミ流人材育成術
新機種を次々と考案する頭脳集団
仲間やお客の笑顔に支えられ
モチベーションを高める人材マネジメント
従業員の人生に寄りそう
感動するお店をめざして
従業員のチャレンジで業界に風穴をあける


第5章 広がりつづける挑戦の志

創業者・大泉政治の「不撓不屈」の精神
急成長を支えた「サシスセソ」戦略
強いリーダーシップをめざす
受け継がれる「挑戦」の志
グローバル化を視野に入れる


第6章 「遊」「食」「動」「明」の集大成へ

グループの集大成「介護事業」に進出
介護保険制度のあらまし
最新のスポーツ科学を取り入れた「早稲田アクティブ」
その人らしく明るくいきいきと暮らせるために
メガソーラー事業に参入
逆風が吹いても時代の潮流に乗る
チャレンジ精神を若い世代に


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2018/02/28

『オフィス環境革命』 前書きと目次

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オフィス環境革命
~パーティションでビジネスに進化を~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-376-4
初版発行:2012年9月15日




 はじめに

人は働く環境の善し悪しによって、仕事の能率が大きく左右されてしまうものである。

考えてもみてほしい。資料を置く場所にも困るほど狭いデスクがずらりと並び、間仕切りもない――そんな隣の人と肘がふれ合わんばかりの状況で、細かい数字を扱う経理のような仕事に集中できるだろうか。

あるいは、いやがおうでも同僚たちの雑談や騒音が常に耳に飛び込んでくるような環境で、クリエイティブな発想を生み出すことは果たして可能だろうか。

自分の実力を発揮することもかなわず、さまざまな不満や苦痛に耐えなければならない――そんな劣悪な環境で働くオフィスワーカーは、不幸以外の何者でもない。生産性や労働意欲は著しく低下し、いいアイデアも湧いてはこないどころか、そこで働く人たちは、常に大きなストレスにさらされ、心身ともに摩耗してしまう危険すらあるのだ。

いまやオフィス環境がそこで働く人に大きな影響力をおよぼすことは、周知の事実である。しかし、だからといって、すべての企業が実際にオフィス環境の改善措置を講じ、従業員の働く空間の快適さを追求しているかといえば、決してそうではないのが現実だ。

一〇〇の会社があれば、一〇〇通りのワークスタイルがある。当然、それを支えるオフィスにも、一〇〇通りの顔があってしかるべきである。にもかかわらず、かつての日本企業ではどんな職種であろうとも、そのオフィスの姿に大きな違いは見られなかった。

いわゆる「オープンオフィス」といわれる大部屋スタイルが圧倒的に多く、オフィスレイアウトも向かい合わせに机を並べて、部署ごとに「島」をつくった「対向島型形態」と呼ばれるものがほとんどであった。それぞれの職場に適した空間の快適さや利便性を追求してきた欧米の企業に比べると、日本企業は「オフィスの質」という面で大きく後れを取っていたことは間違いない。

しかし、そんな紋切り型の日本のオフィスのあり方が、近年になって大きく変わってきた。

そのきっかけとなったのは、昭和五十一年以降、通商産業省(当時)主導の下に進められてきた「ニューオフィス化運動」であろう。オフィス環境を整えることによる生産性の改善や従業員モラル(士気)の向上を目標に掲げたこのムーブメントは、次第に日本の企業に浸透していき、オフィス環境における経営者の問題意識をも変えていった。

オフィスは「物を生まない場所」から「生産する場所」へと認識が大きく変わったのだ。

そればかりではない。

いまやオフィスは単なる「労働する場所」ではなく、「企業の顔」「広告塔」としての役割をも担うようになったのである。

たとえば、平成二十二年にソフトバンクは創業三十周年記念イベント「ソフトバンクオープンDAY」というイベントを開催した。本社オフィスにツイッターの一般ユーザー一〇〇〇組二〇〇〇名が招待され、さまざまな催しが盛大に行われた。特に招待客に社員食堂を開放したことが話題を呼び、マスコミにも大きく取り上げられたので、ご記憶の方も多いと思う。

このイベントなどは、まさしく自社のオフィスを広報の一環として有効に活用した一例といえるだろう。

本書で紹介するコマニー株式会社(本社:石川県小松市、代表取締役社長:塚本幹雄氏)は、もともとは事務用キャビネットの会社として昭和三十六年に設立された会社である。

しかし、同社は将来的に求められるであろう新たなオフィスのあり方を見据え、昭和四十五年以降、パーティション事業にシフトしていき、一九八〇年代には業界のトップメーカーへと成長し、さらに昭和六十年には品質管理のノーベル賞ともいわれるデミング賞実施賞中小企業賞を受賞。一九九〇年代には中国進出も果たすなど、日本のパーティション業界を牽引しながら、いまも躍進しつづけている。

「いい空間には、いいパーティションがある」というブランドポリシーを根幹に、これまでさまざまなパーティションで、日本のオフィス環境を理想的なものに変えてきた。「コマニー」という企業名を知らなくとも、多くの人が気がつかないうちに、同社のパーティションに囲まれて働いているのではないだろうか。

世界と対等に勝負することが求められる現代の日本では、高度な専門知識を持った人々が最大限に力を発揮し、仕事の能率を向上させられるオフィスが必要となる。そのためには、周囲からの過度な干渉を避け、業務に集中できるオフィス形態が望ましい。

その一方で「オフィスでのコミュニケーションが活発な企業では従業員のモラルが高い」といわれていることから、従業員間のコミュニケーションを活性化するための環境づくりも重要だ。

しかし、多くの企業が必要性を認識しながらも、長引く不況や業績の悪化などからオフィス環境の改善に多額の予算を割くことがむずかしいという厳しい現実もある。

そこで注目されるのがパーティションによるオフィス空間のリニューアルである。パーティションを利用したリフォームならば大がかりな工事が無用なため、予算も工期も大幅に短縮でき、なおかつオフィス環境の快適性を大幅に向上させることも可能だからである。

オフィスばかりではない。こうした環境づくりは、あらゆる空間づくりの場面で注目され、工場、病院、介護施設、学校と多岐にわたり、パーティションの活躍の場が広がっている。

コマニーはオフィス空間の快適性を追求するとともに、ユニバーサルデザインや地震対策にも積極的に取り組み、さらには工事の騒音が顧客企業の業務の邪魔にならないよう独自の小音工事を開発するなど、さまざまな側面から商品開発に取り組んできた。また、パーティションを機軸にさまざまな可能性を探り、新たに電子錠の販売に取り組むなど、業務の拡大にも力を入れてきた。

このように、パーティション業界のトップメーカーでありつづけることは、たしかな品質とすぐれた開発力、そして、それを生み出す柔軟な思考を持つ優秀な人材があるからにほかならない。

代表取締役社長・塚本幹雄氏は「企業というものは、従業員あってのもの。社会に貢献できる企業であることはもちろんですが、従業員やその家族にとっても魅力的な会社でありたいと考えています。そのうえでパーティションを極め、将来的に売上高五〇〇億円をめざす。そのためにも、日本国内だけではなく、中国や東南アジアにも力を入れていきたいですね」と語る。

本書はパーティションが持つ空間づくりへの可能性と、業界の展望を検証するとともに、業界のトップメーカーとして、他の追随を許さないコマニーと、創業者・塚本信吉氏から現社長・塚本幹雄氏へと受け継がれてきた人生哲学、時代に合わせて研磨されてきた経営理念の真髄に迫るものである。

モノづくりのみならず、人づくりにも心血を注ぐ同社の姿勢は、企業経営者のみならず、現代に生きるすべてのビジネスマンにとって貴重な指針となるであろう。

また、本書をご一読いただくことで一人でも多くの方にオフィス環境の重要性をより深くご理解いただき、一つでも多くのオフィスが快適に生まれ変わる端緒となれば幸いである。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。


平成二十四年七月   鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 時代とともに変化するオフィス環境の推移

文明開化とともに生まれた日本のオフィス
グレー一色だった日本のオフィス
「モノを生まない場所」から「生産する場所」へ
日本のオフィス事情に一石を投じた「ニューオフィス化運動」
コミュニケーションがモラルを高める?
モチベーションを向上させるオフィス環境
オフィス環境を左右するパーティション
微減する日本のパーティション市場


第2章 パーティションのトップ企業「コマニー」

めざすのは「いい空間」の創造
四十年を超えるオフィス空間づくりの実績
オフィス以外でも活躍するコマニーのパーティション
パーティションの可能性を追求する開発力
営業力を向上させた「お客さま貢献サイクル」
クレームから学ぶ クレームを生かす
コマニーの取り組み


第3章 さまざまなシーンで活躍するコマニーのパーティション

企業文化を育むコマニー仕様のオフィス
厳しい条件下で工場に快適な空間をつくる
最先端技術を守るクリーンルーム
クリーンルームの大型化にも対応
人が集う空間をいかに心地よくするか
ユニバーサルデザインへの取り組み
医療・福祉の現場で生きるコマニーの思いやりの心
分煙対策や携帯電話BOXにも
耐震基準震度六強をクリア


第4章 コマニーを支える人的財産

万人が使いやすいドアはどうやって生まれたか
“白くない”ホワイトボードを生んだ柔軟な発想力
コミュニケーションから生まれるアイデアの卵
本音で語れる関係をつくるために
心を高めるコマニーの人材教育システム
HPCシステムがもたらしたものとは
「モノづくり」を支えるのは「人づくり」
徹底した品質管理教育が従業員の意識を変えた
コマニーの強みとは


第5章 パーティションの軌跡とともに歩む

キャビネットからパーティションへ
参入後十年で達成した間仕切り業界売上高第一位
意識改革を狙って取り組んだTQC
CI導入により、ついに「コマニー」時代へ
大きな転機となったデミング賞受賞
名証二部上場――コマニー新時代の幕開け
独立採算制度のスタート
創業者・塚本信吉の人物像
貫き通した「原理原則」の追求
創立五十周年を機に新たに制定された「経営の理念」


第6章 コマニーはパーティションの可能性をどこまで広げるか

めざすは「超」一流企業
パーティションの可能性を広げる“レンタル事業”
新たな柱「電子錠」
施工技術センターの新設
“ゼロ”からはじまった中国進出
現地人材を心でつなぐ
そして東南アジア進出へ
次の百年を見据えたコマニーの未来戦略


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2018/02/16

『土地活用革命』 前書きと目次

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土地活用革命
~不動産のプロフェッショナル集団「エム・ケー」の挑戦~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-377-1
初版発行:2012年10月13日




 はじめに

バブル経済崩壊後、日本の不動産を取り巻く環境は大きく変化した。地価は大きく下落し、土地神話は崩壊。不動産にまつわる関連法規も細部にわたり整備された。

その結果、不動産投資は、土地を転売して差額を得る(キャピタルゲイン)という、かつての手法が成り立たなくなっている。所有する土地を活用して、安定的な収入(インカムゲイン)を得る方法が主流となり、不動産投資は「所有」から「活用」へと移っているのだ。

遊休地活用の一般的な方法としては、アパートやマンションなど、賃貸住宅経営があげられる。しかし、地主・土地オーナーは、経営経験がない人がほとんどのため、事業に手を出すのはリスクが大きすぎる。

立地によっては、空室が埋まらないケースも増えており、賃貸住宅経営には二の足を踏む。かといって空き地にしておいても、税金は納めなくてはならないため、なんらかの対策を講じたいのだが……。

こうした現状に照らし、個々の物件に応じた不動産の有効活用を提案し、成長しているのが、本書で紹介する「エム・ケー株式会社」(本社:東京都日野市、代表取締役:小林勁氏)である。

同社は、マンションや一戸建住宅、オフィスビル、倉庫、物流施設などの建築物のプランニングから開発、販売、仲介まで、不動産に関するあらゆる事業を手がける総合不動産会社だ。

同社が強みとする事業が、地権者・土地オーナーから物件を借り上げ、テナント(事業者)に賃貸する「ヘッドリース事業」である。二十年余りにわたり培ってきたノウハウと実績を武器に、ヘッドリース(一般的にいうサブリース)事業を展開し、三多摩地区で確固たる地位を築いている。

また、同業他社が敬遠する、市街化調整区域における、大規模土地開発を得意としている点も、同社の大きな特徴である。

市街化調整区域における開発の問題点は、地権者の同意を得たり、開発の許認可を取得するのが、極めて困難な点にある。そのため、大規模な市街化調整区域の開発を進める不動産事業者は少ない。むしろ、やりたくてもできないのが実情だ。

現在、同社が力を入れているのが、埼玉県久喜市で造成中の工業団地「ネクストコア清久」の開発である。また、十二年の歳月を費やし、ようやく具体的に動き出した「イオンモールつくばSC」(茨城・つくば市)の事例もある。

エム・ケーは、このような大型プロジェクトを手がけながらも、社員数は三一名と少ない。これは、会社の規模拡大より、少数精鋭で安定した事業展開を進め、それにより、会社の信用力を高めるという、代表取締役・小林勁氏の考えによるものである。

同社の創業者である小林氏は、大学卒業後に小川建設を経てミサワホームに入社し、建設、設計、開発事業部の部長を歴任。昭和六十三(一九八八)年に独立し、エム・ケー株式会社を設立した。

国の基本政策に沿った事業展開で、着実に成果をあげており、近年では、行政のほうからエム・ケーに相談を持ちかけるケースも少なくないという。

「常に時代の需要を鋭く察知し、柔軟に対応しながら百年企業をめざす」と語る小林氏は、「地権者、事業者と行政間の風通しをよくし、土地の有効活用と地域発展に貢献していきたい」と今後の方針を語っている。

本書は、市街化調整区域の開発に取り組み、土地活用に革命を起こしたエム・ケーの事業活動を紹介するとともに、創業者・小林勁氏の経営理念、および人生哲学に迫るものである。不動産事業者や土地オーナー、工場や倉庫などの用地を求める企業はもとより、地域の活性化や街づくりに関心を持つ多くの一般読者にとっても、貴重な指針の書となるであろう。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

平成二十四年九月   鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 土地は「所有」から「活用」へ

バブルとともに崩壊した土地神話
耳たぶにふれる需要を聞き逃すな?
東日本大震災で変化した土地感覚
不動産の活用に見られる市場の変容
不動産投資は所有から活用へ
ヘッドリースは底堅い計画が肝要
広い土地から狭小地までの活用法
需要変化にも守りとおすべき約束事
市街化調整区域の活用法に注目!


第2章 不動産の新たな可能性を切り開く多様性

明日、何が起きるかわからない
企業の特異性が業容に寄与する
不動産にかかわるすべての事業を展開
三多摩地区で築いた企業の基盤
少数精鋭、不動産業のプロたち
時代の需要を的確に読み取る力
新たな可能性を切り開く多様性
培ったヘッドリースのノウハウ
市街化調整区域の開発力に富む


第3章 新たな文化を生む市街化調整区域の開発

「市街化調整区域」とは
“死角”となりやすい無産農地
郊外型大規模施設「イオンモールつくばSC」の開発事例に探る需要と課題
農地を“稼げる”土地に転換
自治体、金融機関との信頼関係
ノウハウ、実績、資金力の強み
官民一体で開発、工業団地「ネクストコア清久」に見る新しい価値観の創出
自治体の企業誘致支援が追い風
開発事業に“独り勝ち”はない
地元に新たな雇用と文化を創造


第4章 地主と地域社会の需要に応えるヘッドリース事業

大はやらない&小はやれない論
相手の立場でものごとを考える
成長のカギ・ヘッドリース事業
土地の個性に合わせ多彩な提案
トータルサポートで利益最大化
“現場百遍”の真摯な企業姿勢
“三位一体”のバランスシート
土地開発による二酸化炭素削減
事業の集積が会社の財産


第5章 創業者・小林勁の経営理念と人生哲学

ミサワホームでの経験を生かす
義父・三澤二郎から学んだこと
ヘッドリース事業に着目した理由
職務の責任と遂行に関する思考
企業は人がつくり、育てるもの
切磋琢磨、社員と磨きつづける技
視点を変えろ! の意味とは
ムダ金づかいは死に金づかいである
“農耕型”経営で地域貢献する


第6章 オンリーワン企業「エム・ケー」が描く未来戦略

本格化した超高齢社会への対応
激動の時代を見据えるたしかな目
地域密着、顧客第一精神を貫く
快適な街づくりと社会への貢献
日本人に合う農耕型の企業文化
百年間続くオンリーワン企業へ


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2018/02/06

『21世紀は「音楽と福祉」の時代』 前書きと目次

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21世紀は「音楽と福祉」の時代
~自由・創造・自立の精神で未来を切り開く国立音楽院~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-378-8
初版発行:2012年11月21日




 はじめに

厚生労働省が発表した「平成二十三(二〇一一)年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は女性が八十五・九〇歳、男性が七十九・四四歳となり、男女とも前年を下まわった。これは東日本大震災で多くの人が亡くなったことが影響したとみられている。

その結果、女性は二十七年ぶりに世界一の座を明けわたし世界第二位に、男性も前年の第四位から第八位に順位を下げたものの、依然として世界有数の長寿国であることに変わりはなく、平均寿命は今後も延びつづけると推測される。ちなみに男女とも第一位は香港である。

また、内閣府発表の『平成二十四年版高齢社会白書』によると、六十五歳以上の高齢者人口は過去最高の二九七五万人に達し、総人口に占める割合(高齢化率)は二三・三%と、ほぼ四人に一人が高齢者という、世界に類をみない超高齢社会を迎えつつある。

ひと口に高齢者といっても元気度は千差万別で、要介護者が増える一方で、肉体的にも精神的にもまだまだ元気はつらつとしていて、実年齢より随分若く見える人もいる。仕事をリタイアしたことで生じた時間を有効活用し、音楽やダンスなどの趣味を楽しみながら、第二の人生を謳おう歌かしている人たちも少なくない。

そんなシニアたちに人気の趣味として、常に上位にランキングされているものの一つに、気軽に音楽が楽しめるカラオケがあげられる。ひところに比べ、若者たちの間ではカラオケ離れが進んでいるとの声も聞かれるが、中高年には依然として根強い人気がある。カラオケ店側も高齢社会にあってはシニア層を取り込むことが不可欠とみて、シニア割引や平日割引など、あの手この手のサービスを実施し、いまや街のカラオケ店では平日の昼間は大勢のシニア客でにぎわい、歌好きな仲間が集うコミュニケーションスペースにもなっているようだ。

懐メロなどを中心に、リズムに乗って声高らかに気持ちよさそうに歌いあげるシニアたち。大きな声を出すことはストレスの発散になるばかりか、手や顔を動かすことで脳を刺激し、脳の血流や神経細胞が活性化されれば、アンチエイジング効果も期待できる。

また、青春時代の懐かしい曲を歌ったり聴いたりすることで、若いころの自分の姿がよみがえり、生きる活力や希望が生まれるきっかけにもなるという。

だが、高齢者のなかには歌は好きでもカラオケの速いテンポについていくのがむずかしいという人もいるだろう。そこで、最近はシニア層を対象にカラオケに代わって生の伴奏で歌ったり、ソロやアンサンブルの演奏を気軽に楽しめるサロンも登場した。

本書で紹介する国くに立たち音楽院(本校:東京都世田谷区、理事長:新納重臣氏)とNPO法人ラポールミュージックセラピーサービスが、「音楽と福祉」をテーマとする活動の一環として新たに取り組みはじめた「シニアサロン」である。

「音楽は人の心を癒いやす天からの贈りもの。音楽を奏で歌いながら、楽しく元気に幸せをお届けしたい」

これが国立音楽院が考える福祉の心であり、昭和六十(一九八五)年の創立以来、同音楽院では「音楽と福祉」をテーマに好きな音楽を仕事に生かしながら福祉分野で活躍する人材を多数輩出してきた。

また、同音楽院が時代にさきがけて展開してきた「幼児リトミック」は、音楽やリズム遊びをとおしてこどもの心を育てるプログラムで、いまや全国約四五〇カ所の教室で実施され、講師として多くの卒業生が指導にあたっている。

この幼児リトミックのノウハウを応用して、高齢者向けの音楽療法として独自に開発したのが「若返りリトミック」だ。音楽の力を活用して頭・心・身体の若返りをはかり、できるだけ健康寿命を延ばすことを目的としたプログラムで、介護予防や高齢者のQOL(生活の質)の向上に有用な療法として、有料老人ホームやデイケアサービス、病院などで導入され、好評を博している。

同じくリトミックから派生した「シニアサロン」は、中高年世代を対象に希望と元気を生み出すメソッドとして開発され、音楽療法というより、健康増進のために音楽を楽しみながら幸せな気分に浸れる場を提供しようというものだ。音楽好きな仲間が集い、生伴奏に合わせて歌ったり体操したり、「笑いヨガ」で爽快な気分を味わったり……。カラオケと違って生伴奏の場合はみんなが歌いやすいよう、演奏者が即興でテンポを決められるので、誰もが気持ちよく歌えるというわけだ。

シニアサロンは国立音楽院の在校生や卒業生にとっても、好きな音楽を生かして活躍できる格好の場となり、若返りリトミック指導員のほか、生の伴奏や演奏が不可欠なため、ピアノ、ギター、ヴァイオリン、フルート、クラリネット、サックスなど、得意な楽器による音楽プレイヤーへの道も開かれている。

高齢化が進行するなか、こうした「音楽と福祉」に携わる人材へのニーズは、今後、いっそう高まるものと思われる。

「二十一世紀は心の豊かさが求められる時代であり、いまや赤ん坊からお年寄りまで、多くの人たちに心身の安らぎ、あるいは希望や元気をもたらす音楽の力が必要とされています。好きな音楽を通じて心を通わせ、喜びや幸せをお届けする。音楽を志す学生たちが理想とする、そんな働き方も決して夢ではないのです」

こう語るのは、国立音楽院の理事長・新納重臣氏である。

だが残念なことに、大好きな音楽を一生の仕事にしたくても、実際に音楽で食べていくのはむずかしそうだからと、自分の夢をいとも簡単にあきらめてしまう人が多いのが実情ではないだろうか。

たしかに、音楽大学を卒業してもプロの演奏家になれるのはほんのひと握りにすぎない。ほとんどの卒業生は自宅でピアノ教室を開いたり、音楽教師になるなど、限られた選択肢しかなく、音楽とはまったく関係のない仕事に就かざるえないケースがほとんどといってよい。

その点、国立音楽院では創立当初から「好きな音楽を一生の仕事に生かす」ことを基本理念として掲げ、学生一人ひとりの音楽への情熱を仕事につなげるべく、夢の実現を全面的にバックアップしてきた。即興演奏の能力をマスターすることに重点が置かれているのも、音楽のプロとして“現場で使える”人材を育てるためだ。

「音楽を学んでも仕事がないという世間の認識や考えは間違っています。音楽に携わる仕事はいくらでもあるはずです」

新納氏がこう語るように、国立音楽院では、リトミック本科や音楽療法学科など、「音楽と福祉」の仕事に就くための学科にとどまらず、楽器製作やリペア、ピアノ調律、音響デザイン、作曲アレンジなど、いずれも仕事に直結した多彩なカリキュラムが用意されている。

もちろん、シンガーソングライター科やジャズミュージシャン科、ロックプレイヤー科など、プロのミュージシャンをめざす人のための学科も充実しており、講師陣には各分野で活躍する現役のプロが顔をそろえる。

しかも、それらの授業は学科の垣根を越えて、自由に科目が選択できるオープンシラバス制を採用。興味や関心があれば、とことん学べる環境がそろっているのである。

入学に際して試験はなく、年齢や経歴、能力も一切問われない。「好きな音楽を仕事にしたい」という人にとっては、自由にのびのびと学べる、理想的な環境といってもいいだろう。

本書は、「音楽と福祉」を融合させたユニークな事業を展開しつつ、仕事としての音楽の可能性を広げる国立音楽院のさまざまな取り組みや、現場で活躍する卒業生の姿を紹介するとともに、創設者である新納氏の教育理念、音楽哲学に迫るものである。

「自分にとって好きでやりたいことこそ、天命として与えられた『天性』なのです。自分の未来は自分のものであり、天命を素直に受け入れる自分であってほしい」と新納氏は語る。

音楽を愛し、音楽の仕事を志す人たちにとって、本書が自らの進む道を考えるうえでの一助となれば、これに勝る喜びはない。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

平成二十四年十月   鶴蒔靖夫




 はじめに


第1章 音楽が持つ力と仕事としての可能性

音楽は人の心を癒す天からの贈りもの
先哲の言葉が示唆する音楽療法の原点
モンテッソーリ教育法との出合い
ギリシャ語の「リトミック」の語感に共鳴
幼児教育に音楽を取り入れた幼児リトミック
アメリカではじまった近代音楽療法
長寿社会でニーズが高まる音楽療法
喜びや感動、元気を与えるのが福祉の真髄
音楽と福祉を結びつけた「忘己利他」の精神


第2章 実践的「幼児リトミック」のパイオニア

音楽を使って豊かな感性や情操を育む
こどもたち一人ひとりの個性を伸ばす指導を
楽譜ではなく、こどもの顔を見ながら音を奏でる
現場実習に徹した授業で仕事につなげる
教育には終わりがないことを実感
仕事に直結する幼児教育関連の資格
親子のコミュニケーションが最高の笑顔を生む
音楽はこどもの豊かな心を育む“魔法”


第3章 心の時代の到来で注目される音楽療法

独自の資格認定で音楽療法士を養成
医療現場でのさらなる普及が望まれる臨床音楽療法
集団作業療法の一環として行われる集団セッション
高齢者のセッションでは大人の空間づくりを意識
音楽療法ならではの隙間のアプローチ
不登校だった少女が就労にこぎつけた例も
音楽療法士は“音楽”をきちんと使えることが基本
介護予防を目的とした「若返りリトミック」
現場での実習経験を経て認定試験にチャレンジ
一時間のプログラムを楽しんでもらうことが大切
一生続けられる仕事にめぐり合う
音楽を通じて福祉の増進に寄与するNPO法人を設立


第4章 音楽の可能性を広げる多彩なカリキュラム

好きな音楽を仕事に生かす
学科を超えて自由に選択できるオープンシラバス
学ぶ人にとってどれだけ付加価値がつけられるか
音楽のプロに求められるのは経験よりも感性
即興演奏を学ぶことで仕事領域が広がる
音楽とともに学べるアートセラピー
名演奏を陰で支える音づくりのプロたち
感動を与える音楽にものづくりで貢献する
演奏もできる管楽器リペアマンを養成
KMA楽器リペア製作工房を運営
音や映像に感性を生かす音響デザイン
プロの作曲家、プレイヤーへの道
二年制修了後は研究科やイギリス留学も


第5章 創設者・新納重臣の半生と音楽への思い

音楽を愛した少年時代
進駐軍のPXで働きながら音楽漬けの日々
生の音楽の素晴らしさにふれる
もって生まれた営業の才に目覚める
ピアノの販売でもトップ営業マンに
発想のヒントは足元に転がっている
音楽教育への足がかりとなった音楽ホーム教室
音楽教育とともに時流をとらえた事業を展開


第6章 心の時代、ますます求められる音楽の力

中高年向けのシニアサロンを開設
気分爽快、笑いに勝る良薬なし!
“稼げる”プレイヤーをめざす
美と健康を意識したリトミックヨガセラピー
インターンシップ制度の導入
日本のリトミックの先駆者としてバンダイとコラボ
“ひらめき”が音楽教育を進化させる


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