医学部受験 富士学院の軌跡と奇跡

2017/06/16

『医学部受験 富士学院の軌跡と奇跡』 前書きと目次

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医学部受験 富士学院の軌跡と奇跡
 ~選抜制をとらずに生み出す圧倒的な合格力の秘密~


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著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1600円+税
ISBN978-4-87218-429-7
初版発行:2017年1月15日
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 はじめに

2014年12月31日現在における日本の医師数は31万1205人。2年に1度行われている厚生労働省の調査によれば、初めて医師数が30万人を超えた2012年の調査から7937人増え、2・6%増加したことになる。

31万1205人というこの数は、多いのだろうか、それとも少ないのだろうか。

経済協力開発機構(OECD)の「Health Statistics 2015」によると、人口1000人あたりの医師数は、OECD加盟国35カ国の単純平均で3・2人。これに対し日本は、「平成26年医師・歯科医師・薬剤師調査」によると2・4人である。ヨーロッパ先進国はおおむね3人~4人程度であり、ここ数年、医療保険制度の問題が話題となっているアメリカでも2・6人であることを考えると、国際的に見て日本の医師の数は十分とは言えないことは明らかである。

それでいて、日本では過剰診療が指摘されている。1人の患者が医師の診察を受ける回数はOECD加盟国のなかで最多であり、主要国の1・5倍~3倍に及ぶ。これは、日本の医療制度が医療行為ごとに医師の報酬が増える出来高払い制のため、医師が患者に何度も受診するよう促していることが原因ではないかと、OECD側は指摘している。

また、病床数と医師数の対比を見ても、医師不足ははっきりしている。先のOECDの調査をもとに100床あたりの医師数を比較すると、アメリカは85・2人(2012年)、イギリスは100・5人(2013年)、フランスは49・0人(2013年)なのに対し、日本はわずか13・4人(2014年)と、極端に少ない。これでは医療現場において医師不足の声が高まるのは当然だ。

経済大国であり、先進的な医療体制も整っている日本で、なぜ医師不足が生じているのか。その原因のひとつは、いまから34年前の1982年に施行された医療政策にある。

1982年7月、臨時行政調査会は、その答申のなかで「医師については、過剰を招かないよう合理的な医師養成計画を樹立する」と提言し、この答申を受けて政府は、医学部の新設を厳しく規制し、定員の増加も抑制したのだ。

だが、ここにきて、医師不足に起因する地域医療の崩壊が現実のものとなってきたため、政府は政策を転換し、医学部の新設と定員の増加を認めた。その結果、2016年には37年ぶりに、東北医科薬科大学において医学部が新設された。

しかし、定員数が増えたとはいえ、あくまでも微増にすぎず、近年増加する志願者数を考えれば、医学部入試が難関であることには変わりない。

こうした難関を突破するために、独自の教育を実施し、多数の合格者を輩出しているのが、本書で紹介する富士学院(本部:福岡県福岡市博多区、学院長:坂本友寛氏)である。

富士学院の特徴は、次の3つだ。

①生徒一人ひとりと本気で向きあう。
②プロの講師陣と担任講師、担当職員がチームを編成し、連携して指導を行う。
③生徒に元気と勇気を与える生徒面談と面接指導を重視している。

「大手予備校では、大人数に対しての集団授業が行われ、また、最近では全国の校舎をネットワークで結んだ映像授業が話題を集めています。でも、生徒がつまずいている問題は、誰もが同じではありません。ですから富士学院では、生徒一人ひとりの問題に適切かつ丁寧に対応するために、少人数制クラスと個人指導を重視しているのです」

と、学院長の坂本友寛氏は言う。

また、富士学院では、生徒たちが、医師になってからどんな人間になり、どのような医療を施すかを見定めて、教育することをモットーとしている。これは、「人の生命と健康を預かる医師を育成するには、人間教育をおろそかにすることは絶対にできない」という坂本氏の信念によるものだ。

実際、日本の医療は世界的に見て高いレベルを誇っているにもかかわらず、患者の満足度は低いと言われる。その原因は、コミュニケーション能力に欠ける医師が少なからずいるせいではないだろうか。

最近では電子カルテが普及したこともあり、パソコンの画面だけを見て、患者の顔もろくに見ない医師が増えている。私自身、診察時に症状を説明する私の目を見ようともしない医師にあたってしまったことが何度かあるが、やはり気分のよいものではない。

患者にとっては、診察や手術のスキルの高さはもちろん大切だが、自分の生命と健康を預ける相手が人として信頼できるかどうかも医師選びの重要なファクターになることを、日本の医療業界はもっと自覚すべきではないだろうか。富士学院が人間教育に力を入れているのも、「よい医師」には医療的なスキル以外にも欠かせないものがあるということが、わかっているからだろう。

富士学院の創立は1995年。九州に開校した福岡校が第1号である。その後、岡山校、名古屋校、鹿児島校を次々と開設し、2016年には小倉校と、関東エリアにも進出して東京校を開設。全部で6校体制となった。

創立以来、21年のあいだに毎年合格者を増やしながら、これまでに1112人の合格者を輩出。2016年の合格者だけでも160人にのぼる。

富士学院の授業には、「富士ゼミ」「個人指導」「期間限定講習」の3コースがある。

「富士ゼミ」は、高卒生を対象に、年間を通じて受験指導を行うコース。「個人指導」は、生徒と講師が1対1で向きあい、完全なマンツーマンで指導を行うコース。「期間限定講習」は、学校などの長期休みを利用した夏期・冬期の講習と、推薦入試や一般入試の直前対策などを行うコースである。

授業の主な特徴は、次の3つだ。

①21年間で培ってきた多種多様なノウハウの投入。
②医学部受験に精通した精鋭の講師陣を配置。
③豊富な情報量と、その情報を最大限に活かす学習環境の整備。

「医学部受験は年々、難度が上がっています。大学によって出題の傾向や合否の判断基準は異なりますが、場合によっては、たった1問の正誤が合否の分かれ目になることもあるのです。できるだけ早く志望大学を決めて、適切な対策を講じることが肝要です」

と、坂本氏は言う。

さらに言うならば、予備校の選択が医学部合格の成否を分ける大きな要因のひとつとなることも間違いない。

本書は、医学部合格の確度を高めながら、同時に人間教育にも力を入れ、さらには予備校業界の意識刷新にも取り組む富士学院の活動を紹介するとともに、学院長である坂本友寛氏の今日までの歩みをたどり、その教育理念や経営哲学に迫るものである。

いま、医療業界に突きつけられている「医師不足の解消」と「医療格差の是正」という難題は、超高齢社会に突入した日本において喫緊の課題だ。それだけに、本書は医学部入試をめざす受験生およびその家族はもとより、これからの日本の医療のあり方に関心を持つ多くの一般読者にとっても、貴重な指針の書となるはずだ。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

 2016年11月     鶴蒔靖夫


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はじめに


第1章 医師の不足・偏在に悩まされる医療現場

医師も患者も嘆く「医師不足」の現実
他国と比べて際立って多い日本の診療回数
「地域」と「診療科目」、2つの偏在
医師不足に反論を唱える「医師過剰論」
医師会と厚生労働省が医師教育の方針を転換するまで
地方自治体も医師の養成と確保に注力


第2章 医学部受験の現状

37年ぶりに医学部が新設された
定員増後も依然として高い倍率を示す医学部入試
国公立と私立、大学ごとに異なる入試形態
人間力が問われる? 医学部入試に欠かせない面接試験対策
医学部合格は単なるスタート地点にすぎないと心得よ
志望校の選択や予備校選びも合格のための重要戦略


第3章 「成長」「感謝」「信頼」「貢献」を理念に医学部合格をサポート

生徒を食いものにする予備校には行くな!
年々合格者数をアップさせている富士学院
医学部受験を勝ちぬくために大切なポイントとは何か
プロ講師、担任、職員がチームで連携して、合格までバックアップ
変わりゆく医学部受験に対応すべく、面接指導にも注力
理想の学習環境を持つ富士学院とは、どんな予備校なのか


第4章 医学部合格のための万全の指導体制

各コースに共通した富士学院独自の指導方針
高卒生対象の「富士ゼミ」は科目別・学力別の少人数制
いつでも、1科目からでも学べる「個人指導」
医学部受験者の多様なニーズに応える「期間限定講習」
推薦入試にも精通した講師陣で対策も万全
医学部に合格した生徒たちの喜びの声
生徒を支える職員と講師陣の熱い想い


第5章 学院長・坂本友寛の教育理念と経営哲学

前学院長から受け継いだ教育への想い
教育とは「教え、育む」こと
「良医」の育成を学院の指導方針に掲げる
真の人材教育を推進していくことで、予備校業界の意識改革を促進
「生徒の為に出来うることを全力で」をモットーに
富士学院の存在を「公益」ではなく「公共」に


第6章 世界を舞台に活躍する良医の育成をめざして

9年後に迫った「2025年問題」
日本の医学教育はガラパゴス状態から脱却せよ
OB会とともに医療業界全体の発展をサポート
世界で活躍する良医を輩出するために
先陣を切って教育業界にメスを入れろ!
「教え、育む」指導で日本の医療業界の未来を拓く


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