*医療・医薬・健康

2018/02/01

『日本の医療現場を考察する』 前書きと目次

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日本の医療現場を考察する
~「改革」のために、いま、何をすべきか~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-379-5
初版発行:2012年11月1日




 はじめに

「なんとなく具合が悪い。ちょっと医者に診てもらおうか」

体調が思うにまかせないと何げなくそう思う。そして、実際にごく気軽に、病院や診療所に出かけていく。だが、こんなふうに医療との距離感が近く、ハードルが低いのは、先進諸国でも日本くらいのものなのだ。

そのうえ、日本の医療技術は、ほぼすべての診療領域で世界の最先端を行く高水準にある。医師の多くは医療に純粋な情熱を抱いており、われわれは自分の体、いや、自分の人生を預けるのに躊躇は感じない。

こんなに医療に恵まれた国はないのだが、それを日々享受していると、われわれ国民は、しだいにあたり前のことに感じられ、この“ありがたさ”は「当然のもの」、そして、「この後もいつまでも持続するものだ」と思い込んでしまう。

ところが現在、日本の医療制度は極めて“重篤な状態”に陥っているのが実情なのだ。少子高齢化などからくる健康保険財政の悪化、そこに長引く景気低迷が襲いかかり、日本が誇ってきた国民皆保険制度は赤字が常態化。しかもさまざまな手を打っても赤字はふくらみつづけ、いまやにっちもさっちもいかなくなり、存続の危機に立つ健康保険組合も多い。

医療の質に対する評価が行われていないことから、結果的には患者満足に対し積極的な努力をしない病院のほうが経営はラクというおかしなことにもなっており、患者にとって必要な良心的な医療を行う病院ほど赤字になるという矛盾も抱えている。

赤字体制をなんとかしようと、小泉内閣以来、医療費の抑制政策が取られてきたが、医療現場はさらに苦境に追いやられてしまった。最近、医療給付金はわずかにアップされたが、焼け石に水同然で、医療機関の大多数は赤字。赤字が許されない民間病院では、医師を筆頭に看護師をはじめ、コメディカルスタッフの待遇を抑えざるを得ず、それでも彼らは医療への情熱から、厳しい勤務条件のなかで熱心に医療に取り組んでいる。だが、それもいつかは限界に達しよう。

弱り目にたたり目とでもういうべきか、そこに深刻な医師不足や看護師不足が重なっている。とりわけ地方の中堅病院では、医師不足から診療科の閉鎖に追い込まれたところも出てきているありさまだ。

「現場の医師は数時間から十数時間、立ちっぱなしで、神経を極限まで集中して手術を行い、それが終わるとほとんど休む間もなく次の手術に向かう。満足に休日も取れず、個人の時間はほとんどない。しかも、勤務医はそれほど高い報酬を得ているわけではない。そうした医師たちの自己犠牲のうえに成り立っているのが現在の日本の医療なのです」

こう語るのは、株式会社メディカ・ライン(本社:東京都文京区)の代表取締役社長・佐藤望氏だ。

メディカ・ラインは医療の現場に山積する諸問題を改善していこうという思いの下、医療機関をサポートするさまざまな事業を展開している企業である。

佐藤氏は以前、医療機器メーカーの社員として主に脳神経外科医に最先端の医療機器を紹介する仕事をしていたが、その仕事を通して医師たちのハードすぎる日々を間近でみつめることになった。医療の高度化にともない、医療機器のなかには相当高額なものも増えてきて、その購入やメンテナンスが医療機関の大きな負担になっていることにも気づく。たとえば、最近では多くの医療機関に配置されているMRI(核磁気共鳴画像装置)だが、その維持費だけで、数年後には新品が購入できてしまうほどの金額に達するという。

ところが、この高額な医療機器の選択や購入に関して、詳細な情報を持っているのは医師ではなく、もっぱら医療機器メーカー側なのだ。そのため、メーカー主導の導入が行われることが多く、その結果、必ずしも適正機種、適正価格で導入されるとは限らないことも目につく。はっきりいえば、必要以上に高度な機器を購入することになったり、適正な価格とはいえない価格で購入していることも少なくないのが実情なのだ。

こうした現実を見ているうちに、佐藤氏のなかにある決意が浮かんだ。「自分の知っている医療機器情報を、医療機関側に立って提供しよう。そうすることによって、苦しい医療機関の現状を少しでも改善することに貢献していきたい」

こうして創設したのがメディカ・ラインである。当初は主に、脳神経医療を中心とした最先端医療機器のコーディネートや医師の開業支援を行っていた。医療機関側に立って、それぞれの医療機関にもっとも適した機器をコンサルティングし、コーディネートするという業態は、医療機器流通業界では初めてで、医療機関を開業しようとする医師や運営する医師にとっては何よりもありがたい存在となっていった。

佐藤氏は医師にも負けない医療への熱い情熱と医師へのリスペクトを持っている。医療への純粋な気持ちは多くの医師にも受け入れられ、脳神経外科でいえば、日本を代表するトップ中のトップの医師たちと緊密な人間関係を築いている。

その豊富な人脈から、メディカ・ラインは開業支援、さらには病院経営のコンサルティングも行うようになり、現在では経営サポート、医師の紹介、薬局の経営などと業容を拡大していき、年商七五億円とコンサルティング企業としては堂々の規模に成長させている。

今回の取材を通じて痛感したのが、医師たちが佐藤氏をいかに信頼し、頼りにしているかということだった。日本を代表する高名な医師たちが、口々に「佐藤さんのおかげ」「メディカ・ラインに助けられている」と言葉を尽くして佐藤氏への、そしてメディカ・ラインへの感謝を表するのだ。

佐藤氏と話せば、多くの医師への尊敬の念が伝わってくる。医師と佐藤氏の間には、双方向の尊敬と信頼の関係が確立していることに気づく。その関係を築いてきたことを想像すると、佐藤氏の努力に、私は驚嘆するばかりである。

佐藤氏は、たとえば医療機器の販売一つをとっても、「古い慣行から脱却し、医師および患者視点の流通の透明化を実現させたい」と熱望している。そのためには、メディカ・ラインのスタッフは日本の医療制度や医療技術の進化などについてしっかりした知識と、常にいちばん新しい情報を身につけていなければならないと、医療に関する各種勉強会に積極的に参加させるなど、積極的な人材育成にも力を入れている。

佐藤氏がめざすのは、医療機器のコーディネートや経営改善のコンサルティング活動を展開することを通じて、医療機関をサポートすることにとどまらない。究極の目標は「日本の医療に貢献し、人の和と心で医療の世界を結ぶ架け橋になる」という壮大にして高遠なものなのだ。

その第一歩は確実に踏み出されており、近い将来、中国をはじめとするアジアの医療との連携を考え、すでに平成二十三(二〇一一)年に上海に国際貢献事業を目的とした会社を、脳神経外科医師らとともに立ち上げている。

本書は、日本の医療の現状についての理解を進めていただこうと、まず苦境に立つ医療の現実をさまざまな角度から検証し、次いで山積する課題の解決策について、佐藤氏や私が構想するいくつかの提案を述べていく。

解決策は、行政、医療機関、そして患者の三方向から、現実に即し、実行可能な具体策でなければならない。それほど、医療問題の改善は喫緊の課題なのだ。

読者もぜひ、自身の問題としてその解決の道をともに考え、自分にできることから実行に移していただきたいと強く願う。

また、医療の現場にあり、日々、現実と直対している医療機関の長にも話をうかがい、忌憚のない現場の声をコラムにまとめた。すぐれた医師が医療・病院経営に腐心される様子には頭が下がるが、同時に、現場の意識を改革すれば、医療経営はここまで改善できるという事実もわかり、希望が湧いてくる。

合わせてメディカ・ラインの取り組みについても紹介し、改めて、メディカ・ラインが取り組もうとしている医療改善への貢献もクローズアップしたいと思っている。

本書が、日本の医療の将来を考えるうえでの貴重な指針となることを願ってやまない。

なお、本文中の敬称は略させていただくことを、あらかじめお断りしておく。

平成二十四年九月   鶴蒔靖夫




 はじめに


第1章 存続の危機に立つ日本の国民皆保険制度

「ありがたい」健康保険制度
世界トップクラスの健康達成度
世界有数の健康保険制度
先進諸国の医療保険制度はどうなっているか
日本の健康保険は慢性的な赤字構造に
健康保険制度を追い詰める少子高齢化
無保険者
社会保障、税の一体改革は功を奏するか


第2章 知らなかったではすまない、日本の医療の現状

日本の実質的な医療費は先進国中最低水準
そのしわ寄せは医療機関に
深刻な医師不足が起こっている
外科医や小児科医、産科医の深刻な不足
医師の偏在を加速した新臨床研修制度
疲れ切っている勤務医
決して多くない勤務医の生涯年収
病院から医師がいなくなる
看護師も足りない
大病院の赤字経営と診療所の経営難
他業界への転出を考える医師たち


第3章 崩壊しつつある日本の医療を建て直すには

その1・医療機関・医師が取り組む改善策
 医療財政改善の決定打――医療機器コストの見直し
 医療機器導入の見直しで黒字化を達成したある病院
 医療機器導入、メンテナンスコストなどのサポートで経営に光明を
 医師でなくても医療に貢献できることはないか
 OECD平均の四倍近いCTスキャン、MRIの保有率
 医療機関側に立って、メーカーにいた強みを惜しみなく発揮
 開業時にすべてを新品でそろえる必要なし
 医師に代わって、開業準備を滞りなく進める
 経営不振は医療の質低下に直結する

《病院にも求められる経営感覚。その結果、よりよい医療を実現できる》
《現場発の改善が奏功、高い患者満足度を実現した》
《「いつでも誰でもなんでも」をモットーに》
《経営のことはおろかお金のことは考えたこともなく医療に没頭してきたが……》
《TQMの徹底でいまや国立医療機関は黒字転換》

その2・行政が取り組む改善策
 しっかりしろ! 日本の政治
 病診の棲み分けを行う
 かかりつけ医→大病院→在宅医療
 スムーズな医療連携を広げていく
 ジェネリック医薬品の使用を拡大する
 ジェネリック医薬品の使用拡大を阻む理由
 薬局、患者の意識は向上している
 診療報酬のシステムを見直す
 混合診療を認める
 医療補助スタッフを新たに設ける
 一患者一カルテ制度の積極的検討

《医療機関の情報開示・連携を積極的に》
《絶対的に不足している脳神経外科医の存在感を高め、積極的な養成を》

その3・患者の意識改革も必要だ
 医療制度崩壊の一因は患者にもある
 コンビニ診療を自粛する
 現代の社会環境もコンビニ受診の増大の一因
 患者も病院を使い分ける
 土日・祝日診療を行う診療所
 モンスターペイシェントの増加
 「賢い患者」になる
 増加の一途をたどる医療訴訟
 救急車はタクシー代わりか?
 QOD・死の質を高める

《国民皆保険に甘やかされてきた国民。医療機関にも責任。どちらも問題》


第4章 いま求められる医療の産業化

新成長戦略の目玉・医療産業
メディカルツーリズム
 医療のグローバル化とメディカルツーリズム
 メディカルツーリズム大国はタイ
 周回遅れの日本のメディカルツーリズム
 オンリーワン技術とホスピタリティを訴求する
病院をまるごと輸出する
 海外に日本の病院をつくるという構想
 一〇件近いプロジェクトが進行中
医療機器の海外競争力を強化する
 輸出の主役であってよい医療機器だが……
 世界的に高い成長性が予想される医療機器市場
 医療機器メーカーの世界地図
 許認可期間の短縮が急務
 海外競争力を高め、ひいては国内シェアを取り戻す
 中古医療機器の活用


第5章 医療の架け橋、佐藤望とメディカ・ライン

離島医療と医療への尊敬
医者じゃなくても、医療に貢献できる
脳神経外科と運命的な出会い
医療機器のプロフェッショナルをめざそう
レーザーメス開発を間近で見守る
世界三大医療機器メーカーの一つ、フィリップス社で腕を磨く
医療機器導入コンサルティングで医師をサポートする
メディカ・ラインの創設
「神の指先」医師の開業もサポート
大きな経費節減効果
医療領域で人と人とをつないでいく
医療への貢献に情熱を持つ後継スタッフを育成する
十年後には三〇〇億円企業へ


終 章 開けいく医療の未来

世界の医療貢献へと歩を踏み出す
日本のプレゼンスを復活させる
日本をいま一度、洗濯する
お互いの感謝の思いが日本の活力を再生する


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2017/12/12

『目覚めよ、薬剤師たち!』 前書きと目次

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目覚めよ、薬剤師たち!
~地域医療を支える薬剤師の使命~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-389-4
初版発行:2013年11月16日




 はじめに


現代人の生活は、多かれ少なかれ「薬」と無縁ではいられなくなっている。たとえば、病気になって医者にかかれば、たいていは薬が処方されるし、病院に行かないまでも体調不良と感じれば、薬局やドラッグストアで一般用医薬品(OTC薬)を購入するなど、なんらかのかたちで薬に頼ろうとする。

わが国では、その薬を取り巻く環境が、ここ半世紀あまりの間に随分様変わりしてきた。かつての薬局は“町の科学者”などと称され、地域の人たちにとっては健康に関する「よろず相談所」のような位置づけで、非常に頼りにされ、尊敬もされていた。

やれ子どもが熱を出しただの、ヤケドをしただの、何か困ったことが起きたら、まずは薬局に駆けつけたものだ。

しかし、ドラッグストアの台頭により、むかしながらの“クスリ屋さん”は徐々に姿を消し、代わって一九九〇年代後半以降、医薬分業により急成長を遂げてきたのが医師の処方せんを扱う調剤薬局だ。

さらに、ここにきて薬の販売方法にも新たな動きが見られる。安倍政権は成長戦略の一環として、インターネットによる一般用医薬品の販売を解禁する方針を打ち出したのである。いまではさまざまな取引がネット上で行われるようになったとはいえ、われわれアナログ世代からしてみれば、医薬品までネットで購入できる時代になったのかという驚きを隠せない。

日本医師会や日本薬剤師会などの業界団体は、安全性が確保できず、国民の健康を危険にさらしかねないとの理由から、ネット販売にはあくまでも慎重な構えだ。
では対面販売なら本当に安全といいきれるのだろうか。実際、薬局やドラッグストアでOTC薬を購入する場面を思い浮かべてみると、われわれがかつて体験した古きよき時代の薬局と違って、はなはだ心もとない気もする。

本来ならOTC薬についても、薬の専門家である薬剤師が患者からの相談に応じ、適切なアドバイスのもとに販売されるべきだろうが、そうしたシーンはほとんど見受けられない。購入する側も薬剤師の存在すら意識していないのではないだろうか。

残念ながら世間一般が薬剤師に抱いているイメージは、「調剤室に閉じこもって調剤作業をしている人」というものだ。医薬分業が進み、調剤薬局が増えるにつれ、そうしたイメージがすっかり定着してしまった感がある。

薬剤師自身も、調剤作業が自分たちの仕事と思い込んでいる人が少なくないだろう。処方せんどおりに正確かつ速やかに薬剤をピッキングして、できるだけ待たせないよう患者に手渡す。しかし、それだけでは薬剤師としての専門性は発揮されず、患者に対し存在価値を示すことができないわけだ。

すでに調剤の現場では、さまざまな作業が機械化されているという。薬剤師がいつまでも調剤作業にばかりとらわれていたのでは、この先、機械化がさらに進めば、薬剤師不要論さえ起こりかねない。

薬剤師の本来の役割は調剤作業ではなく、患者にOTC薬も含めた服薬を指導して効果をたしかめるとともに、副作用の有無をチェックすることにあるはずだ。

行政が医薬分業を強力に推進してきたのも、もともとは医師と薬剤師がそれぞれの専門分野で業務を分担することで、効果的な薬物療法を実現し、国民医療の質的向上をはかろうとの意図があったからだ。加えて、それまでの薬漬け医療を是正することで、増大しつづける医療費を抑制しようとの思惑もあった。

その結果、わが国の医薬分業は、いまでは六五%を超えるまでに至っている。病院や診療所の門前はもとより、町のあちこちに調剤薬局の看板が見られ、その数はコンビニエンスストアの数を上回るほどだ。薬局はすでにオーバーストアの様相を呈しはじめ、薬局業界はドラッグストアも交えての再編・淘とう汰たの時代に突入している。

さらに最近では、「医薬分業は果たして国民のためになっているのだろうか」と疑問視する声が医療関係者だけでなく、分業を誘導してきた行政サイドからも湧き起こり、メディアでも頻繁に取り上げられるようになった。

単に院内処方から院外処方に切り替えるだけでは、患者にとっては二度手間となり迷惑にほかならない。技術料などの費用負担も増しているわりに、その効果が実感できないというのが多くの国民の本音だろう。

こうした指摘は、当事者である薬局業界からもあがっており、本書で紹介する株式会社ファーマシィ(本社:広島県福山市)の代表取締役社長・武田宏ひろむ氏もその一人だ。

同社の創業は昭和五十一(一九七六)年。武田氏は東京薬科大学を卒業後、いったんは大手製薬会社に入社している。当時は薬剤師の免許を持っていても、保険調剤は医師に独占されてほとんど扱えず、薬局の薬剤師はOTC薬や物品販売に力を傾けざるを得ない状況だった。そのため武田氏にとって薬剤師は職業的な魅力がまったく感じられず、日本の医療分野における薬剤師と薬局の立場の弱さには、正直なところ失望していたという。

そんな武田氏がアメリカに渡り、目まのあたりにしたのが、医療人として医師と対等の立場で活躍する薬剤師だった。その姿に触発された武田氏は、日本でも確固たる薬剤師の職能を築き上げたいという信念のもと、医薬分業元年といわれた昭和四十九年の二年後に、国立福山病院(現国立病院機構福山医療センター)前に、最初の調剤薬局を開設。まさに医薬分業の先駆け的存在だった。

「当時の厚生省が医薬分業を明確に打ち出したことから、その将来性に賭ける気持ちだったのです」

しかし、武田氏自身が「無鉄砲な開業だった」と振り返るように、当初は国の舵かじ取りもむなしく、日本の医薬分業は遅々として進まなかった。そのため、国は医療機関が院外処方に切り替えると優遇措置を与えたり、院外処方の技術料を高く設定するなどの策を講じて、医薬分業を全面的にバックアップ。分業率は次第に高まり、一九九〇年代後半以降は目に見えて進捗したため、調剤薬局業界は著しい成長ぶりを見せてきたのである。

ファーマシィもいまでは中国・四国、関西圏、首都圏に七四の薬局を展開しているが、大手調剤薬局チェーンのM&Aなどによる拡大路線とは一線を画す。

「薬剤師の業務の質が問われようとしているいま、優先させるべきは規模の拡大よりも、中身の徹底した充実です。むしろ規模が小さくても、どうすれば生き残れるかを考えたほうがいい。私が薬局経営に乗り出したのは、いい薬剤師を育て、地域に根ざした信頼される薬局をめざしたいというのが原点でした。その思いは創業以来、一貫して変わっていません」

それだけに、薬剤師が単に調剤作業だけで満足していてはいけないのだと、武田氏はことあるごとにいいつづけてきた。「薬剤師は地域住民にとって健康相談のできる、いちばん身近な存在であるべき」というのが武田氏の持論だ。そのためにも、薬剤師は調剤室を飛び出し、地域に根ざした活動に積極的に取り組んでいかなければならないという。

超高齢社会を迎え、医療ニーズ、医薬品ニーズは今後もいっそう高まると思われるが、それを支える財源が逼ひっ迫ぱくしていることは周知のとおりだ。今後は医療、介護、日常生活を地域のなかで支援する地域包括ケアシステムへの移行が課題となっている。その中核となるのが在宅医療・在宅介護である。

同社では、薬剤師として本来の職能を発揮すべく、地域医療チームの一員としての在宅ケアにも力を注ぐ。そのため、無菌調剤室の設置や在宅専門薬剤師を配置して二十四時間三六五日対応の体制を整備するなど、患者本位の施策を次々に実施している。それでも武田氏にとっては、「まだ本来の薬局をつくれていない」との思いがある。

平成十八年から薬学教育が六年制に移行し、薬剤師の専門的職能への期待はますます大きくなっているはずだ。地域包括ケアシステムへの参画はもとより、地域におけるプライマリ・ケアの実践、セルフメディケーション支援など、薬剤師の活躍できるフィールドは今後、さらに拡大していくと武田氏は見ている。

その期待に応えられる「いい薬剤師」をつくるために、同社では教育研修を充実させるとともに、薬剤師の意識改革を進めている。

本書は、医薬分業の先駆けとして、「見える薬局・薬剤師」の実践をテーマに理想の薬剤師像を追求しつづけてきたファーマシィの事業活動、ならびに創業社長・武田宏氏の経営理念と哲学に迫るとともに、これからの地域医療における薬局、薬剤師のあり方について検証するものである。

本書をご一読いただき、薬剤師として医療に携わる人はもとより、これから薬剤師をめざそうとする人も含め、一人でも多くの方々が、薬局・薬剤師の本来の役割を見つめ直し、地域医療の未来のために大きく羽ばたく一助となれば、これに勝る喜びはない。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

平成二十五年九月   鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 過渡期を迎えつつある「医薬分業」

行政主導ではじまった日本の医薬分業
分業率はそろそろ限界に近づきつつある?
処方せん調剤だけで患者満足が得られているか
専門性が発揮できなければ薬剤師の存在価値がない!
“経済分業”と揶揄される処方せんビジネス
医薬分業の費用対効果を疑問視する声も
調剤医療費不正請求の実態が明るみに
処方せん調剤のみの薬局は過去の薬局?
薬剤師は患者とのコミュニケーションが不足
薬学教育は創薬中心から薬剤師養成へ
薬剤師過剰時代がやってくる?


第2章 これからの薬局・薬剤師の役割とは?

チーム医療を支えるべく動き出した病院薬剤師
医師の薬剤師を見る目が変わった
病院の新機能として登場した薬剤師外来
在宅医療は薬局薬剤師の存在感を示す格好の場
薬剤師の使命感を持って在宅ケアに取り組む
本気度が問われる「訪問薬剤管理指導」の中身
薬剤師の視点で行うフィジカルアセスメント
在宅医療におけるCDTM(共同薬物治療管理)
病院と薬局の病薬連携を密にする
薬剤師が患者から引き出す情報は宝の山
「かかりつけ薬局」として薬の一元管理を担う
OTC薬を中心にセルフメディケーション支援


第3章 医薬分業の先駆け「ファーマシィ」の実力

経営理念は「地域に根ざした信頼される薬局の創造」
時代の要請に応え在宅支援薬局を立ち上げる
在宅では二十四時間三六五日体制の構築がカギ
薬剤師がかかわることで、安全・安心の薬物療法を実現
在宅医療ネットワーク「福山在宅どうしよう会」を発足
厚生労働省のチーム医療実証事業への参加
出雲地区でも地域の在宅医療チームに参画
行政と一体となって地域の在宅支援体制構築へ
地域住民の健康相談窓口として健康生活をサポート
薬局のさまざまな可能性をかたちにした次世代型薬局


第4章 患者に信頼される薬剤師を育成

社会人としての基本を身につける新入社員研修
ポジションに応じた研修プログラムと各種勉強会
現場での実践を重視した在宅医療研修
日ごろの研鑽や研究の成果を社内外で積極的に発表
大勢の前で講演することは薬剤師の自信にもつながる
薬剤師の職能を広げるNPhA主催の在宅医療研修
薬剤師は生涯学習を続けなければならない


第5章 創業社長・武田宏の経営理念と医療哲学

東京薬科大学を卒業後、大手製薬会社へ
人生を出直そうと決意し、アメリカに渡る
医薬分業の可能性を信じて調剤専門薬局を開局
日本でも確固たる薬剤師の職能を築き上げたい
医師への積極的なアプローチで医薬分業の道筋を
信用を担保に開局を支援してくれた恩人との出会い
地域の拠点として規模の大きい薬局づくりへ
自主運営の薬局をつくり薬剤師の士気を高める
全国の薬剤師向けの情報誌『ターンアップ』を発行


第6章 ファーマシィが提案する保険薬局の新しいかたち

調剤作業におけるテクニシャン導入の是非
“箱出し調剤”により薬剤師を調剤作業から解放
薬剤師のスキルが問われるリフィル処方せんの導入
プライマリ・ケアを担う身近な存在に
価値ある薬局をつくれば市場はまだいくらでもある?
生き残る薬局、消えゆく薬局
門前立地は終焉に向かい面展開へ
業務提携で一〇〇〇億円規模のグループ形成へ

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『“真の医薬分業”へのあくなき挑戦』 前書きと目次

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“真の医薬分業”へのあくなき挑戦
~ジェネリック医薬品が日本の医療を変える~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-398-6
初版発行:2014年9月9日




 はじめに


いま、世界の熱く、鋭い視線が日本に向けられている。

人類が初めて迎える超高齢時代。その最先端を走る日本では、国民は原則的に、高い生活水準を保ち、手厚い社会保障制度、医療保険制度によって、高度な医療を等しく受けられる制度も整備されている。

国民の健康を支える国民皆保険制度は、世界の国々の“目標”となっているほどだ。

その日本の医療体制をこの先も持続していくことができるかどうか。現在、険峻な分岐点に立っている。いや、危機に瀕ひんしているといったほうが正しいだろう。

果たして日本はここの危機をどう乗り切っていくのだろうか。それとも、世界の“目標”はあえなく崩壊してしまうのだろうか。

世界が日本の行方を固かた唾ずを?んで見守っている理由はほかでもない、先進国はいずれも同じ問題を抱えているからだ。「明日はわが身」というわけだ。

日本の医療保険制度に赤信号が灯った最大の要因は、人口構成の急激な変化である。平成十七(二〇〇五)年、日本の人口は減少に転じた。日本はすでに人口減少時代に突入し、おそらく、今後も増加することはないだろう。

さらに深刻度を深めているのはその人口構成だ。健康意識の高まりや医療の進歩によって平均寿命はどんどん延び、高齢者が増えつづけている。現在、国民の四人に一人は六十五歳以上の高齢者で、三十年後には三人に一人になるという。

高齢になれば、当然、あちこちに不具合が出てきて医療を受けることが増え、医療費はふくれ上がっていく。平成二十四年度の国民医療費は三八兆四〇〇〇億円。この金額は同じ年の税収の九〇%に相当するというから、絶句するほかはない。

実際、すでに多くの自治体が、このままでは、教育や子育て支援などほかのサービスにお金が回らないと、悲鳴にも近い声を上げている。各種行政サービスも劣化させることはできないし、道路や橋などのインフラ整備もある。それらをなんとかカバーしようとしてきた結果、積もり積もってしまったのが国債発行残高などの、いわゆる国の借金だ。平成二十五年度末時点で、国の借金は過去最大の一〇二四兆九五六八億円、国民一人あたり八〇六万円に達している。

なんとしてでもこの状況をどうにかしなければならないが、その最大の眼目とされているのが医療費の削減なのである。

「増えつづける医療費によって日本の社会保障制度が崩壊しかけている。医療費を抑制するためには医療関係者、国民の意識向上を強力に推し進めなければいけない」

こうした思いを強く抱き、特に医療・医薬の面からさまざまな医療改革に率先して取り組んでいるのが日本調剤株式会社(本社:東京都千代田区)である。

同社の創業社長である三津原博氏は三十五年ほど前、医薬品メーカーのMR(医療情報担当者)として医療現場に身を置いていた。そのとき、薬害に悩む患者に接して大きなショックを受けたという。

薬害訴訟に踏みきっても、患者側が勝訴することはほとんどない。専門知識にすぐれた医師のガードを打ち崩すのは困難で、医薬品メーカーも医師サイドに立つか、あるいは沈黙を守る。疑義を唱えたい薬剤師がいたとしても、発言の場が与えられることはほとんどなかった。

これでは、日本の医療は信頼性を失い、患者は行き場を失ってしまう。義憤にかられた三津原氏は、医師と薬剤師がそれぞれの専門領域から患者を支える医薬分業を確立しなければならないと決意する。そして「医薬分業」を旗印に、昭和五十五年、調剤薬局を展開する日本調剤株式会社を立ち上げたのである。

現在でこそ、院外で薬を受け取る調剤薬局の存在は広く浸透しているが、当時は「薬は医者から受け取る」のがあたり前だった。また、薬価差益は病院の収入源でもある。当然、医薬分業を推進するうえで、さまざまな抵抗があった。

三津原氏はそれらの困難を一つずつクリアしていき、日本調剤を店舗数五〇〇(平成二十六年八月一日現在)を誇る日本最大級の調剤薬局チェーンに成長させてきた。そのネットワークは北海道から沖縄まで、全国をくまなく網羅している。

とはいえ、日本の医薬分業率は処方箋ベースで六七%(平成二十五年度)。完全な医薬分業の達成にはまだ距離があるが、ここまで分業率を高めてきた陰に、抵抗勢力からの有形無形の圧力と闘いながら、信念を貫いてきた三津原氏が果たした貢献は極めて大きいものがある。

次に三津原氏は、医療費の削減という国家的な課題に向かっていく。十数年前から医療費問題の将来に赤信号が点滅しはじめ、その解決策の一つとして、ジェネリック医薬品の積極的な採用が叫ばれるようになった。

ジェネリック医薬品の価格は新薬のおよそ二分の一以下。つまり、ジェネリック医薬品の使用が進めば、医薬品の使用量を減らさずに、医療費を縮小できる。

三津原氏は早くから、ジェネリック医薬品の大きなメリットに着目し、ジェネリック医薬品の普及・浸透に全力で挑んできた。いまでこそ、ジェネリック医薬品に対する国民の認知度は九〇%以上に高まっているが、当初はジェネリック医薬品という言葉も知られていなければ、知っているとしても、誤ったイメージを持っている人が大半で、普及を進めるにはいくつもの障壁があった。

ここ数年、ようやく国も、医療改革において大きな役割を果たすジェネリック医薬品の普及を進めるために、積極的な施策を打つようになってきた。

さらに、国はジェネリック医薬品の使用率を「平成三十年までに六〇%まで引き上げる」と目標を掲げた。だが、日本調剤では、ジェネリック医薬品使用率はすでに七〇・〇%(数量ベース、平成二十六年七月末現在)にまで高めている。国の目標を四年も前倒しして実現してしまっており、まさに快挙というにふさわしい実績だ。

三津原氏は、国全体、社会全体の先行きを見通して、これは絶対に成し遂げなければならないと思うことは、国に先がけて、果敢に実行してしまうのだ。

本文で詳述するが、ジェネリック医薬品の使用率引き上げに果たした調剤薬局、ことに三津原氏が率いる日本調剤の功績は大きいものがある。真の医薬分業の確立、そしてジェネリック医薬品の普及は、日本の医療改革を実現するうえで、表裏一体の課題といえるものなのだ。

医薬分業の進展にともなって調剤薬局の医療における存在感が大きくなり、それにつれて、薬剤師に求められる役割も変化してきている。

薬剤師は本来、医師とともに医療を支える薬の専門職であるべきだが、かつては医師の指示のもとで働くというケースがほとんどだった。

それでは健全な医療は実現できないと、三津原氏は、薬剤師を真の医療人、薬のプロフェッショナルとして活動できるポジションに押し上げるべく取り組んできた。それにはもちろん、薬剤師の意識向上も求められる。

少子高齢化の進展にともない、国の高齢者施策の方向は、施設ケアから在宅ケアへと舵かじを切っている。医療費削減という目的もあるが、それ以上に、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)、さらにはQOD(クオリティ・オブ・デス=死の質)を高めていこうとする施策でもある。そうしたなかでの在宅医療、終末期医療ではチーム医療体制の整備が急がれるが、ここでも薬剤師が果たす機能は大きく、薬剤師に対する期待は高まる一方だ。日本調剤ではいち早くこうした役割を担うことができるスキルと意識の高い、プロフェッショナルな薬剤師の育成を進めてきた。こうした取り組みは現在も変わることなく続けられている。

このように、常に日本の医療の健全化、クオリティアップを目標に活動を続けてきた三津原氏だが、日本調剤における調剤薬局の展開に加え、高品質のジェネリック医薬品を提供すべく日本ジェネリック株式会社を設立し、ジェネリック医薬品の製造・販売に進出。ほかにも、医療職に特化した人材サービスを行う株式会社メディカルリソース、日本調剤の薬局に集まる膨大な処方箋データを生かして医療関係企業などに情報提供やコンサルティングを行う株式会社日本医薬総合研究所を設立するなど、いまや日本調剤は調剤薬局企業から脱し、医療に関する豊富な経営資源を共有した独自の企業集団へと進化を遂げている。

グループ全体の連結売上も一六五三億円(平成二十六年三月期実績)という堂々たるものである。

この企業集団の活動を貫くキーワードは「Low Cost High Quality」。質の高い医療を高いコストをかけずに提供することだ。

医薬分業、ジェネリック医薬品の普及、さらには薬剤師を含めて各分野の医療人がそれぞれの専門性をいかんなく発揮することができる医療体制の確立をめざして進む三津原氏の視線の先には、超高齢社会が抱える諸問題の答えが見えているようだ。その答えこそ、日本はもちろん、先進諸国が求めてやまないものといっても過言ではないだろう。

創業から三十余年、三津原氏の行動の底には、常に国のため、社会のため、患者のため、人のため……という強い正義感、使命感があふれている。三津原氏と接していると、そうした使命感にかける熱い思いがひしひしと伝わってくる。

本書では、日本調剤が切り開いてきた医薬分業確立への道、ジェネリック医薬品の普及・浸透にかける情熱、薬剤師の専門性向上に向けた活動などを一つひとつ紹介していきたいと思っている。

医療を切り口とした、危機感あふれる日本の起死回生の書と読んでいただいてもよし、企業経営のサクセス書と読んでいただくこともできると思う。さらには、常に、「世の中をよくするためには、こうあらねばならない」と信じたことを断固実行していく、三津原氏の理念と行動哲学も読み取っていただきたい。そして、自分はいま、社会のために何ができるか、何をすべきか、深く考える時間を持っていただければ、と願うばかりだ。

一人ひとりが社会的な視座に立って行動するようになっていけば、医療のみならず、日本が抱える多くの問題は必ず解決に向かって動き出すはずだ。そのために、本書がいささかなりとも役立つことができれば、これ以上の喜びはない。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

平成二十六年八月   鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 日本の医療健全化のカギ・ジェネリック医薬品

風前の灯、医療保険制度
薬好きな日本人
切り札はジェネリック医薬品
ジェネリック医薬品は人類の共通財産だ
こんなにある、ジェネリック医薬品のメリット
どのくらい「安く」なるか
日本のジェネリック医薬品使用率はアメリカの半分以下
すでに使用率七〇%を達成した日本調剤
ジェネリック医薬品使用率を引き上げるためには
医師の六〇%がジェネリック医薬品に不安を感じている
日本のジェネリック医薬品は世界有数の高品質
インフォームド・チョイスの時代に求められる「相談できる薬局・薬剤師」
コミュニケーションしだいで高められる使用率
薬のことは薬のプロ・薬剤師が主役になる
「薬価差益」を手放そうとしない医療機関
ジェネリック医薬品の在庫を増やす


第2章 医療のあるべき姿・医薬分業を推進する

アメリカの病院では薬をもらえない
医薬分業のメリット
薬屋のいろいろ
医薬分業の起源は「毒殺防止」
大きく遅れた日本の医薬分業
医薬分業が本格的にスタートしたのは昭和四十九年
薬づけ医療が社会的問題に
相次いだ薬害事件
医療弱者の患者を救う決め手は医薬分業
日本調剤の創業
苦汁をなめた創業時代
マン・ツー・マン出店方式での船出
日本初のメディカルセンターを企画
他社に先駆けて多様な医療モールを展開
大型病院前の門前薬局戦略にシフト
点分業と面分業
全国出店を達成。目標は一〇〇〇店舗
医療分業率はやっと六〇%レベルに
真の医薬分業の実現に向けて
調剤ミスゼロに挑戦する「JP調剤システム」
独自のネット通販「アポセレクト」
保険相談ができる店舗


第3章 薬剤師を真の医療人へ

子どもになってほしい職業は薬剤師
変わる薬剤師の仕事
薬剤師が「医療の担い手」になったのはわずか二十二年前
薬学系大学が六年制に
ファーマシューティカル・ケアを先取りして実践
医療人としての薬剤師を育成する、日本調剤の教育制度
完成度の高い日本調剤の教育制度
患者に寄り添う薬剤師になるためのコミュニケーションスキルを磨く
疑義照会は薬剤師の義務
医師と積極的にコミュニケーションをとる薬剤師に
服薬アドヒアランスと調剤薬局の薬剤師の役割
電子版お薬手帳の導入
ヒモがついていない薬局


第4章 在宅医療時代を迎え、大きく変わる薬剤師のあり方

高齢者の医療は「病院から在宅へ」
変わる薬局薬剤師の仕事
訪問薬剤師としての活動
日本調剤の在宅医療の取り組み
介護施設医療との取り組み
薬剤師の在宅医療への期待と問題点
薬剤師とフィジカルアセスメント
世界的に見てあまりに低い日本のQOD
「自宅で最期を迎えたい」という声に応えられる体制づくりを
看取りにおいて薬剤師に求められる役割


第5章 調剤薬局企業から総合医療グループへ

日本の医療サービスのリーディングカンパニーに
東京証券取引所第一部に上場
IT専門企業に遜色ない日本調剤のIT力
グループ化の推進による巨大医療グループの実現へ
薬局から生まれた医薬品メーカー・日本ジェネリック株式会社
薬剤師人材サービスを提供するメディカルリソース
医薬コンサルティング事業を展開する日本医薬総合研究所
日本の医療の未来像・待ったなしではじまる大淘汰時代
生き残れる薬局は現在の半分以下
街の健康ステーションとしての薬局
一〇社程度に絞り込まれるジェネリック医薬品メーカー
日本の医療制度再生の日

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2017/06/22

『どうする!医療改革』 前書きと目次

Iryoukaikakuweb


どうする!医療改革
 ~日本の再生医療へのシナリオ~


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著者:松村博史・鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-406-8
初版発行:2015年4月21日
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  はじめに


 平成二十六(二〇一四)年師走。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の可否を問う衆院選は与党が大勝し、第三次安倍晋三内閣がスタートした。

 今回の総選挙では経済政策にばかり目が向けられ、社会保障政策は大きな争点になりえなかったが、超高齢社会を迎えたいま、医療や介護、年金など、社会保障関連の改革は待ったなしの状況だ。とにもかくにも、社会保障に充てる財源が圧倒的に不足している。

 解散前に、政府は消費税率一〇%への引き上げを一年半先送りし、平成二十九年四月から実施するとの考えを示し、選挙でこれが容認されたかたちとなり、社会保障の財源確保は、いちだんと厳しい状況に追い込まれている。

 消費税率が五%だったのを八%へ、そして一〇%へと段階的に引き上げられることは、民主党政権時代に「社会保障・税の一体改革」関連法案として、自民党・公明党と三党合意のもと可決され、増税分は社会保障の財源に充てられるはずだった。しかし、八%に引き上げられた税収分の使い道もはっきりと示されていないのが実情で、国民の増税への抵抗感が根強いことは、平成二十六年の世相を表す漢字が「税」であったことからも見てとれる。

 とはいえ、わが国の財政は火の車であることは明らかだ。財政赤字はふくらむ一方で、財務省の発表によると、国債と借入金、政府短期証券を合計した、いわゆる国の借金は平成二十六年九月末で一〇三八兆九一五〇億円となり、国民一人あたりに換算すると八〇〇万円を超えている。一般会計予算の約四分の一は債務の返済に向けられ、近い将来、ギリシャのように財政破綻するのではないかと不安視する声も聞かれる。消費税率が一〇%に引き上げられたところで、こうした状況を抜本的に改善するには至らないのである。

 社会保障関連のなかでも、とりわけ医療費の財源不足は深刻で、すでに医療財政は破綻寸前の状況といわれるようになって久しい。わが国の国民皆保険制度は世界的に誇れるすばらしい制度であることは、誰もが認めるところだろう。だが、制度発足から五十年以上が経過し、当時と時代背景も大きく異なってきている。

 世界に類を見ない高齢化の進展により国民医療費は毎年一兆円規模で増え続け、平成二十五年度の国民医療費は四〇兆円を突破するとみられている。政府は後期高齢者医療制度の保険料軽減特例措置の見直しなどの改革を進めようとしているが、国民皆保険制度の存続は、もはや小手先の改革では、にっちもさっちもいかないところまで追い込まれているのではないだろうか。

 こうした財源問題にとどまらず、国民皆保険制度そのものが制度疲労を起こしており、根本的な仕切り直しが必要ではないかと訴えるのが、日本で最大規模の歯科医療グループを形成する医療法人徳真会グループ(本部:新潟市)の理事長・松村博史氏だ。

 医療財政が逼迫するなか、歯科の診療報酬は低いレベルに抑えられたままで、歯科医療の現場は総じて厳しい状況に置かれている。加えて昨今は歯科医師過剰問題も取り沙汰されているが、松村氏はそのこと自体はまったく問題にしていない。グローバル化が進み、医療も歯科医療も世界的に大競争時代を迎えている状況下では、競争があって当然であり、競争があってこそいい技術や診療も生まれると考えているからだ。

 そうしたことよりももっと広い視点に立ち、日本の医療の将来を考えたとき、松村氏が危惧しているのは、現行の医療制度自体が危機的状況にあることだ。

 松村氏が指摘する日本の医療制度の課題は大別して三つある。一つはいうまでもなく医療財源の問題だ。二つ目はそれにともない、国民皆保険制度が制度疲労を起こしているということ。そして三つ目が、医療従事者の教育の歪みだ。これらの課題を解決していくには、国が行う改革、医療機関側の経営努力、国民(患者)の理解と協力という三つの側面から考えていく必要がある。

 医療に関する問題は超高齢社会を迎えた日本にとっては、解決すべき最重要テーマのひとつといえるだろう。その一方で、安倍政権下では医療を成長戦略の中核の一つに据え、産業としての医療への期待も高まっている。

 このように、医療はいろいろな意味合いで国民の大きな関心事であるだけに、私がパーソナリティを務めるラジオ番組『こんにちは! 鶴蒔靖夫です』では、足かけ二年余りにわたって松村氏に定期的にご出演を願い、「日本の医療」をテーマにシリーズ対談を行ってきた。対談で松村氏が考える医療制度改革への率直な提言や、すでに世界を舞台に先駆的な歯科医療事業を展開する徳真会グループの取り組みについて語ってもらった。

 本書は、ラジオでのシリーズ対談をベースに加筆・再編し、一冊にまとめあげたものである。医療および歯科医療にかかわる方々はもとより、これからの時代を生きるすべての人たちにとって、日本の医療のあるべき姿を考えるうえで、なんらかの参考になれば幸いである。

  平成二十七年一月  鶴蒔靖夫


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 はじめに


第1章 国民皆保険制度の仕切り直しと財源確保が急務

危機に瀕している日本の国民皆保険制度
道州制導入も視野に地方分権型医療のしくみづくりを
消費税、法人税、所得税、資産税オール二〇%への提言
「負担なくして給付なし」を肝に銘じるべき
基礎医療とオプション医療を明確に分ける
医療制度改革を進めるうえでは規制緩和も大きな課題
健康IDカードによる情報の共有化で無駄を削減
国への依存度を下げ、医療機関自らが経営努力を
安定経営には資本と経営、現場の分離も有効
国民(患者)一人ひとりに求められる自立の概念
社会保障を一元化し、医療費の窓口負担を一律に


第2章 真の医療人を育てる教育への提言

民度の低下は人間教育、道徳教育を怠ったツケ
医療従事者に不適性なら他分野に移行できるしくみに
人間力を磨かなければいい医療人は育たない
患者の理解・協力を得にくい臨床参加型教育の現状
歯学部学生のレベル低下で国家試験不合格者が大量発生
国家試験に適性、診断力、技術力の判定も取り入れるべき
国際人の育成はグローバルな環境づくりから
医療マネジメントのスペシャリスト養成機関の必要性
人材育成は企業や医療機関に課せられた責務
医療人に求められる四つのスキルを再教育
多彩な分野のリーダーから生き方を学ぶ「一燈塾」


第3章 「多極化・多角化・世界が舞台」をキーワードに ――徳真会グループが実践する歯科医療改革――

前例のない歯科医療の組織づくりに挑む
歯科医療の現場と経営を分離しチーム医療を実現
現場ではチームプレイの精度を高める努力を
国家への依存度を下げつつ医療の質と効率を高める努力
「医療もサービス業」という視点をもつ
大規模施設によっても生じるスケールメリット
海外展開による医療を通じた社会貢献
歯科技工分野でグローバル・ネットワークを構築
組織として、人としての「自立と創造誓言」
歯科医療界から世界的起業家表彰の日本代表に選出された意義


第4章 時代を先取りする歯科医療プロジェクト

多角化も視野に入れた日本最大規模の郊外型歯科医療施設
診療・技工・研究部門を統合した先端歯科医療研究所
「医療は人なり」を実現させるためのアカデミー
仙台・長町駅前に地方都市型新モデルを創造
東京・青山に誕生する都市型モデルの集大成となる施設
歯科医療分野で日本初のJCI認証取得をめざす
〝隣戦略〟で新たな井戸を掘り進める
〝医道塾〟を開催して医療人としての再教育を
ミャンマーにラボを設立し雇用創出による国際貢献を
学校法人とタイアップして歯科衛生士育成の取り組みも


第5章 日本の医療の成長産業化実現に向けて

アベノミクスでは医療を成長産業として位置づけ
大きく立ち遅れている日本のメディカルツーリズム
医療機関の競い合いより、本当の勝負は時代との競争
TPPへの参加で公正で自由な競争が行える環境へ
どうなる? TPP参加による混合診療解禁の行方
国境の概念を取り払い、医療従事者の人的交流を促進
少子高齢化時代に求められる歯科医療の役割
官民あげて日本の医療の未来を切り開く

 あとがきにかえて


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『薬局新時代 薬樹の決断』 前書きと目次

Yakujuweb


薬局新時代 薬樹の決断
 ~「まちの皆さま」の健康を支えるために~


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著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-409-9
初版発行:2015年6月22日
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 はじめに

医師の処方せんを扱う調剤薬局が一般的になり、医薬分業率が七〇%近くに達している現在。

最近は「医薬分業は国民のためになっているか」という再点検の声が、医療関係者だけでなく行政サイドからも起こり、メディアでもとりあげられるようになってきた。

先日、テレビ東京の経済情報番組「ワールドビジネスサテライト」(WBS)でも、「医薬分業は誰のため~患者負担をどう軽減するか」というタイトルで、医薬分業に関する特集が放映された(平成二十七年三月十七日)。患者目線で医薬分業をもう一度考えてみるべきという提言が盛り込まれた内容で、院内処方に戻した医療関係者や患者が主な発言者となっていた。調剤薬局には厳しい印象があったが、そのなかで薬局の新しい役割を打ち出す実例として紹介されたのが、「訪問薬樹薬局瀬谷」の薬剤師の活動である。

訪問の薬剤師は、在宅治療の患者をケアするチーム医療のメンバーの一員である。在宅治療のがん患者の家にあがり、「お薬はうまく飲めていますか?」と同じ目線で確認。上あごを切断したという女性患者が「大丈夫」という表情でうなずくと、症状を見ながら一つひとつの薬の説明に入る。患者の家族は「月に一回訪問される薬剤師さんには、いろいろ勉強させてもらってありがたい」と、安心した様子で語っていた。

番組のコメンテーターである大和総研チーフエコノミスト・熊谷亮丸氏は、調剤室から飛び出した新しい薬局の手ごたえを感じたのだろう。「やる気のある、ああいう薬局が伸びていくような、そんな世の中にしなければいけないですね。付加価値のあることが必要だと思います」と感想を述べた。

本書でとりあげるのは、この訪問薬局を運営する「薬樹株式会社」。新しい理念と提案を掲げ、地域社会と共に歩む二十一世紀型の薬局である。

薬樹の代表取締役社長・小森雄太氏は、

「薬を売ることより健康を守ることが、本来、薬局の果たす役割です。実績を積み上げて、頼りになる存在として地域に根ざしていく必要があると思います」

とコメントした。

小森氏は本書の中心人物で、医療人としての自覚を強く持ち、かつ経営者としても次世代を見すえた発想力と行動力を堅持。薬局のあるべき姿を追求し、成長力ある事業を次々と展開している人物である。

番組のテーマは、医薬分業における患者の自己負担の実態に関してであったが、在宅医療の現実と支援の様子が強く印象に残るものとなった。

薬樹株式会社は、首都圏を中心に一都五県に調剤薬局を約一五〇店舗展開している企業である。

調剤薬局は現在、全国に約五万五〇〇〇店ほどもあり、その数はコンビニエンスストアを上回っている。全国展開している企業もあり、調剤市場は六兆円超えという一大マーケットとなっている。

そのあまたある薬局のなかでも異彩を放っているのが「薬樹株式会社」であることは、ずいぶん前から意識していた。

昭和三十九年生まれ、経営者としては若い五〇歳の小森氏は、創業者である父親の侃氏から受け継いだ薬樹株式会社に独創性と近代性による改革を遂行し、新しい薬局をめざして挑戦を続けている渦中にある。

ダイナミックな動きのなかで、現在のスタンスを最も簡潔に表していると思われるメッセージはこれである。

「薬樹は、あえて全国展開はせず『地域に根ざした薬局』をめざしています。単に処方せんに従ってお薬を提供するだけでなく、一歩進んで地域の皆さまの健康なライフスタイルの実現をサポートしていきます」

ここには、これからの超高齢社会にとって重要な、三つのコンセプトが提示されている。①地域密着、②処方せんがなくても気軽に入れる薬局、③地域のヘルスケアの中心的役割、の三点だ。

そのコンセプトを具現化すべく打ち出したのが、薬局であることの原点とも言える「健康ナビゲーター」宣言(健ナビ宣言)である。

平成二十一年から出店を開始した「健ナビ薬局」の特色は、管理栄養士が店の顔となり、食生活や生活習慣の改善の指導にあたること。薬剤師と管理栄養士の連携によって、一人ひとりに合った健康プランを提供し、地域の健康度アップに貢献しようというものである。六年目を迎えた現在は「健ナビ薬樹薬局」として各地域に定着し、管理栄養士のアドバイスを受けるため、わざわざ電車に乗って訪れる客も少なくないという。「かかりつけ薬局」として地域の予防・未病の拠点に育っていこうとしている。

健康ナビゲーターの役割でもうひとつの柱となっているのが、テレビ番組でも扱った在宅医療である。薬剤師による在宅医療は、始まって間もない分野と言ってよく、手がけている薬局はまだ少数である。薬樹は平成二十二年から訪問健ナビ薬局として先陣を切るかたちでスタートし、現在「訪問薬樹薬局」として首都圏に三店舗を展開している。

注目すべきは、ターミナルケアを中心に居宅をまわるという業態である。残された日々を自宅で過ごす患者と向き合い、「最後の薬剤師」として触れ合う体験は、医療人としても人間としても大きな影響を受ける。本文中には訪問薬樹薬局の立ち上げからかかわってきた薬剤師の証言を掲載したが、生と死の最前線で訪問医師や家族、患者の間で交わされるやりとりは、重たい感動を伝えるものである。

つながりを持った人々の一生を丸ごと看ようという小森氏の思いは、地域に根ざした医療人の覚悟と言えよう。

薬樹の理念(薬樹では「〝進〟理念」と言う)は、

「まちの皆さまと共に、健康な毎日をつくり笑顔とありがとうの輪を広げる」

である。小森氏の魅力は、こうした「深さ」と同時に「広さ」をいかんなく発揮しているところにある。

健康へのこだわりは、突き詰めると個人の健康だけにとどまらないとして、小森氏が生み出したのは「健康な人、健康な社会、健康な地球」のすべてを包括した「健康さんじゅうまる」という概念であった。

「地域社会や自然環境という広がりのなかでとらえ、これらすべてが満たされていることが真に健康な状態」と小森氏は提言する。

「健康な社会」「健康な地球」をめざして、薬樹グループではそれぞれ特色のある取り組みが行われているが、代表的なものは、地域の障がい者が働く「特例子会社・薬樹ウィル株式会社」であろう。そこで働く障がい者たちの存在を通して社員たちがやさしさを取り戻していくという話は、現代社会に貴重な示唆を与えると思う。

また、「健康な地球」をめざして立ち上げたNPO法人「Liko‐net」と「スロースタイル薬樹薬局Liko」は、商品を購入することで地域や地球への貢献ができるという新しいライフスタイルを提唱している。東京の麻布十番にある「スロースタイル薬樹薬局Liko」では、地球にやさしい商品の販売と共にエコ関連のイベントも頻繁に行われ、地域の人たちにとって自然との共生を再考する大事な場所になっているという。

そうした「深さ」と「広さ」に加え、「新しさへの挑戦」も忘れてはならない要素である。

三菱商事との業務・資本提携を皮切りに推し進められている、異業種・異業態とのアライアンス。サプライチェーンの全体最適化をめざして開発・導入した業務サポートシステム「PRESUS(プレサス)」は、日本初の薬局版POSシステムとして話題を呼んだ。システム導入にいたる経緯はまことにドラマチックであるが、小森氏もスタッフも、よくこれほどの困難に合いながらも撤退しなかったものだと感心させられる。変わることへの恐怖に立ち向かい、それを乗り越える様子は、ぜひ本文を読んでもらいたい。

小森氏の話を聞きながら幾度も浮かんできたのは、「まちの小さな薬局から、新しい風が吹いている」という印象であった。地域医療に携わる薬局は、社会インフラの一環を担っているという強い自覚。薬局の職域として、日本の社会保障制度を守る責務があるという深い認識。

外に向かって挑戦を続ける薬樹は、新しい薬局のかたちを見せると同時に、新しい社会に向けた啓発と連帯の種を振りまいていることを実感する。

本書は、薬樹株式会社の事業活動を紹介すると同時に、小森氏の理念、足跡に関しても詳しく語っている。親子二代にわたる型破りな人間ドラマを存分に味わってもらいたい。

同時に、医薬品関連の事業に携わっている人のみならず、過渡期を迎える医薬分業を窓口にして超高齢社会のあり方を考えていく、貴重な指南の書となるであろう。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

  平成二十七年五月  鶴蒔 靖夫


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はじめに


第1章 超高齢社会に求められる薬局・薬剤師の役割

社会保障にとって最大のヤマ場「二〇二五年問題」
地域かかりつけ推進改定と受けとめる 
医薬分業、日本の歴史はまだ四〇年 
薬局の店舗数はコンビニエンスストアよりも多い 
医療提供施設のひとつとして位置づけられる 
調剤医療費の増加と批判 
医薬分業のそもそもの目的とは 
門前薬局型ビジネスモデルの終焉 
六年制の薬剤師の時代に 
地域包括ケアシステムにおける薬剤師の役割 
薬局にしかできないことを追究 


第2章 地域のかかりつけ薬局に ~次世代型薬局・健康ナビゲーター

まちの健康ナビゲーター、健ナビ薬樹薬局 
管理栄養士常駐の画期的スタイル 
「クスリ屋」から「健康支援」へ 
産みの苦しみを経て誕生した「健康ナビゲーター」 
五年間は学びの時期、毎年二割の成長
手本も何もないところから始まって 
『健康ごはん』出版、管理栄養士の奮闘は続く 
地域の健康をサポート、薬不要になるのを喜ぶ薬局 
調剤業務に特化した薬樹薬局、健ナビ薬局との連携 
在宅医療に薬剤師が加わりはじめた 
最も困難なターミナルケアから始めよう 
二四時間、三六五日態勢の在宅医療 
チーム医療に携わる一員として、命と向き合う薬剤師 
その人らしい逝き方を支える使命 ― 訪問薬剤師第一号・永瀬航の話 
訪問栄養士の役割とユニークな見守り 
東日本大震災の試練を通して薬剤師と管理栄養士が認め合う 
原点回帰 ― 地域のかかりつけ薬局として 


第3章 薬樹の理念 ~さんじゅうまる・エコ活動・オハナ

全一四七店舗のリニューアル、新生薬樹に込められたもの 
「健康さんじゅうまる」とは 
「健康さんじゅうまる」のもとで取り組むさまざまな事業 
すべての人と家族であり仲間である「オハナ」 
「クレド」に掲げられていること 


第4章 革新的システム実現による次世代型薬局の姿

国民を驚かせた「くすりの福太郎」事件 
オペレーションシステム「PRESUS」の効果と特徴 
在庫確認と発注作業は職人技の世界だった 
早い時期から取り組んできた業務効率化、PRESUSに変えることに全員が反対 
混乱を乗り越え、もう元には戻れない 
PRESUS導入後のメリット 
PRESUSを広めるのは私企業の利益を超えた社会正義ゆえ 


第5章 小森父子、二つの異なる個性が飛翔の力を生んだ

薬剤師のいない薬局、誕生 
ドクターと連携、新しい調剤薬局スタート 
社名は「薬樹」に決定、命名者へのお礼はクロスの万年筆 
「八・九・一〇」の符号 
ケンカあり家出あり、自立心が生んだ反抗の少年時代 
推薦で日大薬学科へ 
大学院では死に直面し、MR時代は人間の普遍的欲望を知る 
三〇歳を機に武田薬品を退職し薬樹へ 
異様で不思議な会社だった薬樹 
貸し剥がしにあい、綱渡りの日々 
「やらない」と決めたこと 
放浪の日々、今日はどこへ行こうかと 
二度目の「八・九・一〇」 
広さと深さ 


最終章 人を育て地域を守り健やかな社会をつくる薬樹

日本の医療問題を解決するキーパーソンとして 
未病・予防への働きかけ 
異業種との連携 
変えるべきことと守るべきこと 
障がい者も地域を構成する一員として迎えて 
志を同じくする人財にきてほしい。チームづくりの第一歩は「共感」 
近未来の薬局はドラスチックに変化する 
まるごと一生お世話をするのが地域の薬局の責務 


◦コラム◦
《顧客の懐深くまでかかわっていく》 神奈川事業部 事業部長 吉田圭吾  
《一人前になるためのお膳立てをするのが自分の役割》 東京事業部 事業部長 町田剛  
《自らのキャリアをデザインし実行できるスペシャリストの育成を》 常務取締役 吉澤靖博  
《元祖・健ナビ、健康さんじゅうまる》 NPO法人Liko‐net理事長 照井敬子  
《PRESUS導入奮闘物語》 情報本部 本部長 兼 営業推進本部 本部長 金指伴哉  


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2017/06/21

『感謝な心』 前書きと目次

Kanshaweb


感謝な心 Kansha na kokoro
 ~医療と福祉の垣根を超えた高齢者ケアの理想を追求~


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著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-417-4
初版発行:2016年1月15日
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 はじめに

「日本は高齢社会の現状を哲学的に変えていく必要があります」

こう指摘したのは、アメリカの老年学の教授であった。

日本が高齢化社会を迎えたのは1970年のことである。それからの約40年で世界一の高齢社会に上り詰め、いまや国民の4人に1人が高齢者である。高齢化のスピードは予想を超えたもので、家族のありようも、ライフスタイルも、経済活動も、大きな渦に巻き込まれるように、めまぐるしく変遷していった。

団塊の世代が75歳以上になる2025年が迫りつつあるが、それに対応する明確なグランドデザインはまだ描かれていない。介護移住や地方創生など、さまざまな案が立ち上がっては沈んでいる。圧倒的な財源不足のもとでの対症療法のみに追われる状況で、国にも個人にも「哲学」を生み出す余裕はないのかもしれない。

哲学とは、人の心に判断の基準を与え、未来の道標を示すものだ。それが希薄ないま、多くの老人が残りの人生に不安やおびえを抱きながら孤独に生きている。そして市民の大半は、そんな老人たちに無関心のままである。それぞれの心をつなげる共通のものが見つからないままなのだ。

介護保険制度が施行されて15年。国も個人も総がかりで、この先の社会のあり方を、覚悟を持って考えなければならないときがきている。

高齢者が幸せでない国は、国民全員も幸せになれない国である。誰もが自分の問題として取り組み、高齢者とともに未来を拓くつもりで動くことが必要ではないだろうか。

しかし、人々はなかなか動こうとしない。

そうした模索を続けるなかで、天宣会グループ理事長の西浦天宣氏と、仕事を通じて知己を得ることとなった。

天宣会グループは、千葉県東葛地区を中心にリハビリ総合病院、介護老人保健施設、特別養護老人ホームなどを運営している、医療法人社団および社会福祉法人の複合組織である。

西浦氏との出会いはなかなか強烈だった。最初に会ったときから「これは違う」とのインパクトがあった。強い理念の持ち主であることが、ほとんどすぐに確信できた。

はたして西浦氏は、介護老人保健施設(老健施設)の概念を日本で初めて提唱した人物だった。赤字病院の再建に奮戦するなかで、「人生の最後の日々を安らかに豊かにすごせる理想の施設を」という夢をふくらませた。そして独立後、ゼロの地点からほとんど独力で老健施設をつくりあげて、グループ化も果たした。

「口先だけの達人ならごまんといる。私がどんな人間で、どんなことを考えているかを知りたかったら、私のつくった施設を見てほしい」

余計なことは説明せず、そう促した西浦氏の要請を受け、私は天宣会の代表的な病院と施設をいくつか見てまわった。そして大きな感動を得ることになった。

圧倒的な規模の壁画や天井画、緑深い遊歩道、細やかな気配りが行き届いた飾りや小物など、高齢者施設とは思えぬクリエイティブな空間演出が展開されていたのである。しかも、部屋ごとに違う壁紙、どの部屋からも緑が見える構造など、細部にいたるまで徹底して利用者に配慮したつくりとなっていたのだ。

館内にあるもの、館外を構成するもの、すべての要素が連動し、癒やしと生きる喜びを利用者に与えていた。こんな施設が日本にあるとは驚きだった。しかも、その建物の構造から小物にいたるまで、すべて西浦氏の指示によるものだという。

施設内では、医療と介護の間の垣根は取り払われて、職員はみな平等にチームの一員としてリハビリやケアに取り組んでいた。西浦氏は職員に明言する。

「天宣会は人を助ける組織である。人を助けるためなら上司も飛び越えてかまわない」と。

アメイジングなつくりの施設も、職員へのメッセージも、すべては利用者優先の信念から生まれたものだ。

そうしたことのすべての基本になっているのが、「感謝な心」という、西浦氏がつくった独自の理念である。

「感謝な心」は、初めて聞く者には、只者ではない雰囲気が漂う謎の言葉だ。そこには、ひとりの人として向きあい、緊張感を持ちながら深い交流を続ける極意が秘められていた。

「感謝な心」は、「あなたと私」という対等な関係のなかで本当のやさしさを培い、その心を与えあっていくものであるという。だとしたら、それは世界中の人にも通じる理念ではないだろうか。

天宣会のような創造的な施設が増えていけば、日本の超高齢社会の光景も変わっていくことだろう。そうなってほしいという希望も込めて、この本を書くことにした。

といっても、天宣会の紹介でもないし宣伝でもない。西浦氏の話のなかから私自身が刺激され、学びにもなった部分を抽出し、また参考として、高齢社会の現状と課題を探っていこうというものだ。

ここから何を感じ取るかは、読者の感性と判断に委ねたい。この本をきっかけに、高齢社会のなかで自分にできることを考えてもらえれば、うれしいかぎりだ。

そして首都圏に住む人は、時間が許せば、天宣会の施設を一度覗いてもらいたいとも思う。このアーティスティックでヒューマンな施設を眺めて何かを感じ、それが起点になって自分の「哲学」が構築される可能性もゼロではない。

この本が、よりよい高齢社会をつくるために少しでも役に立てたら幸いである。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

  2015年12月  鶴蒔靖夫


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はじめに


第1章 病院らしくない病院、施設らしくない施設が訴えるもの

心を打った「感謝な心」
医療や福祉に関連する多様なサービスを手がける
施設の雰囲気は「文化度」を伝える
アートを意識した「北柏リハビリ総合病院」「北柏ナーシングケアセンター」
圧巻の天井画と癒やしの庭
自然を活かしつつ、独特の手づくり感のある庭
神社とマリア像
スタッフからの発言―外出時には家族も参加
個室と4人部屋が併設―特別養護老人ホーム「流山こまぎ安心館」
受診者本位の動線を採用している「柏健診クリニック」
老健第1号「梅郷ナーシングセンター」
いちばん質の高い食事
「家庭的」と「手づくり感」に天宣会の精神が込められている
建物そのものがイズムでできている


第2章 「感謝な心」の背景にあるものを探る

高齢者の医療・福祉の仕事は究極のサービス業
ずっと以前からあった高齢者虐待問題
現場レベルでもできることを
介護職に必要なものは理念、確固たる哲学
「感謝な心」が伝えるパワフルな理念
「利害関係」に含まれている深い意味
感謝の気持ちを分かちあう
「感謝な心」が生む「ここに来てよかった」という言葉
トイレに貼られている「おかげさまで」
「人間と人間」として接してほしい
信念にもとづいた長期にわたるやさしさこそ


第3章 介護とは創造的な仕事

2025年には介護職員が38万人不足する
低い報酬、国の責任
福祉には、そろばんははじかれない?
実は離職率は低い?
人材マネジメントの基礎「自分で考え、自分で行動する」
人を助けるとはどういうことか。職業的使命が打ち出す徹底したモラリスト精神
横のつながりを重視し、個として立つところにイノベーションは生まれる
お正月には餅を提供、逆転の発想のサービス
「かきくけこ」の精神をいつも念頭に
茶髪でもオーケー、みなが平等のチャレンジ精神
介護は楽しい、働く人も幸せでなければならない
キャリアアップ、現職員の80%が介護福祉士の有資格者


第4章 医療・福祉と経営(介護ビジネス)

厳しい変革の時代を迎える医療界
医療機関の倒産数
名医は必ずしも名経営者にあらず
医療機関は民間企業のノウハウを参照すべし
アメリカには20年もの遅れをとっている病院経営
病院経営は一般企業参加の時代に入った
患者本位を実現するなら、よい経営をすべき
病院再建の奮闘で身につけた経営感覚
医療現場と経営マネジメントの分離方式を直観で決断


第5章 介護保険と老健の存在意義

介護保険制度施行から15年
最初から破綻していた介護保険制度
老人の悲惨さを救おうと発案した日本版ナーシングホーム
医療と福祉の壁を取り払い、社会のニーズに応える老健
介護保険制度が促した第二の特養化
責任を持って出せる人しか出さない
在宅強化型への転換が生き残る道か?
社会福祉法人という存在の特異さ
社会福祉法人に改革を
社会福祉法人のM&A
老健のターミナルケア
ターミナルケアへの思いは篤い
老健の新しい存在意義とは
老健は地域の人にとって頼りになる存在


最終章 高齢社会という未知の領域に挑む

福祉立国スウェーデンの厳しい現実
医療・介護は成長産業となりうるか
介護の労働力が大幅に増えていく
介護職に外国人労働者を受け入れるということ
国に依存せずに行動していく
在宅介護は難しい
ちぐはぐな社会保障政策が「縮み」を起こす
チャレンジャーは常に時代の半歩先を行く
情熱こそが人を動かす
オリジナルで勝負する


IN通信社の本 セミオフィシャルサイトへ行く
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2017/06/20

『薬剤師新時代の到来』 前書きと目次

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薬剤師新時代の到来
 ~笑顔創造ファーマシー・あけぼの薬局グループの挑戦~


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著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-427-3
初版発行:2016年11月26日
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 はじめに

総務省は毎年「敬老の日」に65歳以上の推定人口を発表する。それによると、2016年9月15日時点の高齢者人口は3461万人で過去最高を更新し、総人口に占める割合は27・3%であるという。

高齢者人口の増加に伴い、医療ニーズ・介護ニーズはさらに高まり、それが国民医療費の増大を招いていることは周知のとおりだ。

医療費削減の命題のもとで近年、そのありようを大きく変えようとしているのが、薬剤師・薬局である。

2016年4月、厚生労働省は「薬局が生まれ変わる!」というキャッチコピーのもと、「かかりつけ薬剤師・薬局」制度を発足させた。一人ひとりの服薬状況を一元的・継続的に把握し、薬のことはもとより健康全般に関して指導・相談を受ける「あなたのための薬剤師」に、自治体からの公認を与えるというものである。詳細は本文で紹介するが、これは、調剤偏重であった薬剤師・薬局の業務を、「医薬分業」における本来の業務に戻すとの意図が込められた、大きな転換と言うことができる。

これには、町の薬局を地域の健康拠点として、健康寿命の延伸や医療費の削減という喫緊の課題に向けた切り札にしていこうとの狙いがある。

いまや、一人ひとりが自分の健康は自分で守っていく時代である。薬局は、最も身近な医療機関として、多くの人に対応する役割を担うことになるだろう。

はたしてこの先、町の薬局は、どのように変わっていくのか。国民のQOL(生活の質)とも直結するその動きを、われわれも注意深く見守っていく必要がある。

そうしたなかで今回「あけぼの薬局グループ」を紹介するのは、たいへんタイムリーだと言える。

あけぼの薬局グループは、首都圏と関西を中心に合計57店舗(2016年3月現在)を構える中堅薬局だ。同グループが展開している調剤薬局の多くは地域密着型の面対応薬局で、以前から近隣住民の「かかりつけ薬剤師・薬局」としての機能を果たしてきた。厚生労働省により「かかりつけ薬剤師・薬局」が制度化されるとわかったときは、顔なじみ患者の多くが「いままでやってきたことと同じだね」という反応を示したという。

あけぼの薬局グループを率いる岡田一平氏は現在43歳。2002年に29歳の若さで「有限会社あけぼの」を立ち上げ、現在は「株式会社あけぼの関西」(本社:大阪市北区)と「株式会社リバーサル」(本社:東京都中央区)の2社をメインに構成されるグループの代表として、組織運営の指揮を執り続けている。

近年、調剤報酬改正の影響などにより調剤薬局業界全体が厳しさを増しているなか、あけぼの薬局グループはM&Aを駆使して次々と出店を進め、地域の医療と健康増進に寄与している。

あけぼの薬局グループでは、「医師、患者、スタッフなど、医療と医薬に関わる人すべてが笑顔になれる」ことをめざした「笑顔創造ファーマシー」を経営理念に掲げる。社員に心からの笑顔がなければ、患者も周囲の人も幸せにすることはできないとして、社員満足を第一に打ち出しているのである。

「顧客満足より社員満足」のスローガンに込められているのは、「人」を大事にするという心意気である。一人ひとりの個性を最大限に伸ばすことを自らの責任として、さまざまな方策で社員のやる気を湧き立たせ、たりない面はみなで補いあって、ともに成長していくのが、あけぼの薬局グループのやり方だ。社員たちが和気藹々と仲良く、そして自由に自分の意見を発する社風は、閉塞感の漂ういまの世の中で際立つ明るさを見せている。

あけぼの薬局グループの薬剤師は、どんどん外に出て、積極的に地域と交わり、在宅医療を開拓している。あけぼの薬局グループでは、現時点で全店舗の8割が在宅医療に携わっているが、いずれは全店舗で行う予定であるという。

在宅医療では、医師とともに患者宅を訪問する「往診同行」がよく行われるが、これは医師からの絶大な信頼があってこそ成り立つ形態だと言える。

「薬剤師が医師の意向を正確に汲み取り、患者さんにしっかり伝えること。そして、医師には診察に専念してもらうこと。それが医薬分業の本筋です」

こう語る岡田氏がめざすのは、医師と協働で薬物治療にあたることのできる薬剤師の育成である。医師から質問され、相談される、「プロの医療人」としての薬剤師こそが、いま求められているのである。

あけぼの薬局グループでは、2020年までに100店舗への拡大をめざしているが、それより早くに目標を達成する可能性は十分ある。そして岡田氏は、淘汰の時代を迎えている調剤薬局業界の再編を演出する中心人物のひとりになることは間違いないだろう。

本書は、あけぼの薬局グループの事業活動の紹介を中軸としながら、今後の医療界における薬局・薬剤師のあり方を明示するものである。それだけでも十分に興味深いテーマではあるのだが、もうひとつ、岡田氏の今日までの歩みについても詳述する。子どものころからお金儲けにずばぬけた才覚を発揮し、長じてからは大手薬局チェーンと伍する地域密着型の調剤薬局チェーンとして独自の地位を確立してきた岡田氏の冒険譚を、じっくり読み進めていただきたい。成長のためのたゆまぬ努力、鮮やかな成功と転落の危機……、どれをとっても、通常の活劇より格段におもしろく、かつ、そこには独特の人生哲学が詰めこまれている。

こうした、ある意味で常識の枠を超えた人間が手がけているのだから、ほかの調剤薬局にはない新しい動きをどんどん見せていくのは当然と言えるだろう。その意味で本書は、薬剤師はもとより、これから人生の門を開けるという若者たちにとっても、なんらかのヒントを得られる書となるのではないだろうか。

なお、岡田氏のスケジュールの都合上、取材は2016年3月に行われたため、岡田氏の話の内容は3月時点のものとなっている。周辺取材に関しては同年4月以降も行ったので、周辺のデータに関してはできるだけ新しいものを使用したつもりだ。

また、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

 2016年9月  鶴蒔靖夫


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はじめに


第1章 かかりつけ薬剤師制度が導く今後の医療

ついに40兆円超えとなった国民医療費
新たに登場した「かかりつけ薬剤師・薬局」
顧客第一主義で選ばれる薬剤師・薬局
「かかりつけ薬剤師・薬局」創設の3つのビジョン
3つの持つべき機能と2つの強化すべき機能
かかりつけ薬剤師の条件
患者本位から離れていった医薬分業
患者自らの希望と意思で「選ばれる薬局」に
かかりつけ薬剤師の最大の任務はコミュニケーションにある
地域包括ケアシステムにおける薬剤師の役割
薬局にとっての「かかりつけ薬剤師・薬局」制度とは
厚生労働省の描く未来像


第2章 在宅医療に力を注ぎ、医師と信頼関係を結ぶ「あけぼの薬局グループ」

関東と関西の2社でグループを形成
キーワードは「勢い」「在宅」「設備」の3つ
いまだ認知度の低い在宅医療を積極的に開拓
在宅医療に特化した無菌調剤室完備の薬局も
充実の最新設備で安全性とスピードをアップ
患者と接する時間が多くなる
疑問があれば直接医師に聞きにいく
医師の思いを汲み取り、医師からも頼りにされる薬局に
利用者目線が生んだニュースタイルの薬局
面分業で地域と密着、デメリットはエリア運営で補完
地域のプライマリ・ケアに貢献

10年でパート事務員から社長に … 株式会社あけぼの関西 代表取締役 森あかね


第3章 薬剤師の人間力を育てるのは会社の責任

「顧客満足より社員満足」を掲げる心意気
経営理念は「笑顔創造」
6つのSを絶妙のバランスで運営して共有価値の実現につなげる
スタッフどうしの交流と共通した価値観
採用も年収も人柄本位
社員第一が生み出した、働きやすい環境
成長しあう研修で、やる気を高める
新人でも給与には差をつける
これから不可欠なコミュニケーション能力
独立起業を全面支援、すでに11人が独立
独立希望の人は大歓迎
小さな薬局から広がる笑顔

部下の未来をつくっていく … 株式会社リバーサル 執行役員 人事兼経営戦略部 田代雅也


第4章  創業者・岡田一平の成功と挫折、そして逆転への歩み

不安な時代に生まれた、特異な能力を持った少年
ビジネスの基本を学んだ小学校時代の瓶集め
ビジネス成功の秘訣は「コツコツ」にあり
誰にも言えなかった貯金額
MRとしてトップをめざすも、独立の道へ
コツコツ稼いだお金で次々と薬局をオープン
有限会社日本一をめざして
乗っ取り工作にはめられて
絶望からの復帰、神は乗り越えられる試練しか与えない
ゼロからリセット、第二の創業


第5章 薬局再編、激動の時代に

再編・淘汰の時代を迎えた調剤薬局業界
M&Aの大きな波が押し寄せている
「売るなら早く」が現在の状況
デッドストックの問題が深刻
厳しいM&A体験、1年がかりの再建
M&Aが成功するかしないかは人次第
薬局数が半分になるということは
コンビニエンスストアの調剤薬局
門内薬局が与える影響は?


第6章 岡田イズムが導く薬局・薬剤師のあるべき姿

かかりつけ薬剤師・薬局を知らない人が6割も
WHOが打ち出した、薬剤師の8つの役割
医療人としての自覚と責任
医薬分業発展の要は薬剤師にあり
薬剤師の究極の仕事は接客
疑義照会は薬剤師の義務であり、権利でもある
攻めの薬剤師にならなければ未来はない
今後重要視されるセルフメディケーション支援活動
一般市民の意識変化と薬剤師の意識変化
次世代に必要な薬剤師のスキル
薬剤師の未来を変えるリフィル処方せんと日本型CDTM
かかりつけ薬剤師が常駐する健康サポート薬局の広がり
岡田の人間力が調剤薬局業界の未来を創造


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2017/06/19

『東北の小さな大企業』 前書きと目次

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東北の小さな大企業
 ~圧倒的な技術と品質で世界の医薬品業界に挑む~


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著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-434-1
初版発行:2017年6月19日
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 はじめに

内憂外患。この言葉は、近年の日本にぴったりとあてはまる。

資源は乏しく、人口は多い日本。しかし国民は、優れた製造技術でモノづくりに励み、ほどほどの豊かさを甘受してきた。だが、近年、そうした成功モデルは過去のものとなり、世界における日本の存在感は急勾配で下がってきている。

今後の日本は、どのようにして活路を開いていけばいいのか。

そんな思いにとらわれるときに、ふと脳裏に浮かんでくるのが、日新製薬株式会社と、この企業を率いる代表取締役の大石俊樹氏のことだ。

日新製薬は、山形県天童市に本社をおく、ジェネリック医薬品のメーカーである。売上高は約300億円弱(販売会社の日新薬品株式会社との合算)で、現段階では中堅クラスのメーカーと言うべきだろう。

注目すべきは、その成長力と、そのパワーの源となっている、常に前を見つめて進む大石氏の、ぶれのない強固で誠実な精神性である。

実は私は、2012年にも日新製薬に関する著書を上梓している。当時の日新製薬は、売上高は143億円で、従業員数は700人だった。それが現在では、売上高は約300億円と、わずか5年のあいだに約2倍に成長を遂げ、従業員数も約1000人となっている。

同じ「売上高2倍」でも、売上高143億円を300億円にするのには、10億円を20億円にするのとは比べものにならないほどのパワーが必要だ。大石氏はそれを、まるであらかじめ敷かれていたレールを進んでいくように、淡々と、余裕に満ちた構えで実現してしまったのである。

あらためて説明する必要もないだろうが、ジェネリック医薬品とは、特許切れの医薬品の処方をもとに、飲みやすさなどの使用性を高めて製造された後発医薬品を言う。その最大の特徴は、新薬を世に出す場合と比べて、開発コストが圧倒的に低く、医療関係者に説明するための営業コストもかからないため、コストパフォーマンスが抜群によいことだ。そのため、高齢化の進展とともに医療費が拡大するばかりの先進国では、医療コストの引き下げに貢献する大きな力となり、医療費の高騰により高度な先進医療の恩恵にあずかれない人々にとっては、リーズナブルなコストで医療を受けられるという大きな恵みとなっている。

日新製薬は、このジェネリック医薬品のメーカーとして、ある意味で「日本一」と言われているメーカーである。

ここで疑問を持たれた方もいるだろう。たしかに売上高だけを見れば、日本国内にも日新製薬をしのぐ企業が何社もある。それでも日新製薬が「日本一」だと称されるのは、日新製薬がつくる製品のクオリティの高さと、そのクオリティを生み出すバックグラウンド体制ゆえである。特に製造工程では、大手ジェネリック医薬品メーカーがうなるほどの最先端設備を完備している。

これらは、日新製薬を率いる大石氏が、

「ジェネリック医薬品は、絶対になくてはならない薬だ」

との信念のもとに、ジェネリック医薬品のクオリティアップに徹底的にこだわり、全力を注いできた成果にほかならない。

大石氏は、日新製薬がまだ地方の弱小メーカーにすぎなかったころから、製品の品質向上に惜しみなく力を注ぎ、そのための大胆な先行投資を積極的に行ってきた。次々と最新・最高の性能を持つ機械を導入し、新工場を建設していった、その決断力と勇気には、ただ脱帽するのみである。

たとえば、高出力の光を瞬間的に照射することでボトル内を滅菌する非加熱滅菌法「パルス光滅菌」を、世界で初めて医薬品製造で実現したのは日新製薬である。ほかにも、いくつもの「業界初」と言われる取り組みを実施してきた。

その結果、日新製薬には「日本で初めて」「日本一」という形容が枕詞のように冠せられてきた。最近では、それがさらに一段階上がり、「世界で初めて」「世界一」へと変わってきている。

また、日新製薬では、ジェネリック医薬品だけではなく、新薬メーカーの製造受託事業も展開している。前述のような、ジェネリック医薬品メーカーとしての製薬技術レベルの高さや、製品クオリティに対する高い評価により、受託事業も成長の一途をたどっている。受託企業は国内外50社以上を数え、しかも、そのリストには大手医薬品メーカーの名がずらりと並んでいる。

日新製薬は、いまや日本の医薬品製造市場になくてはならない存在となり、日本の医療を力強く支えていると評しても、けっして過大評価ではないだろう。その傑出した存在感は誰もが認めるところであり、これまで、中小企業研究センター主催の「グッドカンパニー大賞グランプリ」、日刊工業新聞社主催の「優秀経営者顕彰 地域社会貢献者賞」、山形県主催の「山形県産業賞」、公益社団法人発明協会主催の「山形県発明協会会長賞」など、さまざまな賞に輝いている。

「日本一」「世界一」に通じるこの戦略は、企業経営の成功は「先の利」にあるという大石氏の信条から生まれたものだ。

「常に視点を〝先〟に向ける」

大石氏は、これが大事だと言うのである。将来から現在を見れば、進むべき将来に向けて、いまたりないものは何か、何をたせば発展するかが見えてくる。それを他に先んじて導入していけば、「先の利」をおのずと手にすることができる。これが、将来の発展を確かなものにする、ほとんど唯一の道だというわけだ。

日本人にたりないのは、まさにこの精神なのではないだろうか。日本の産業は、ほとんどの分野で世界の第一線レベルにあるのだが、そこから先に出ようとしない。それどころか、後追いを繰り返し、その結果、最先端からおいていかれてしまうことがしばしばある。これが、かつては世界で1、2を争った日本経済の国際競争力を、世界で26位(国際経営開発研究所(IMD)「世界競争力ランキング2016」)にまで引き下げてしまった最大の要因なのではないだろうか。

また、日本が直面している数多くある課題のなかでも、最も深刻なのは、日本人の幸福度の低さではないか、と私は考えている。国連による「世界幸福度ランキング」によれば、日本人が感じている幸福度は世界51位(「世界幸福度報告書2017」)。さすがに考えこまざるをえない状況だ。

そんななかで大石氏は、「働く人の幸福度アップ」にも力を注いでいる。「自分の仕事に誇りを持てること」「人として充実感を持って生きていくこと」「家族や友人などとともに毎日を楽しむ時間を持てること」など、いわゆるワーク・ライフ・バランスの整備に、大石氏は以前から力を注いできた。

雇用に際しての男女平等は言うまでもなく、最近では企業内保育所の設置なども積極的に進め、女性が安心して出産し、育児中も無理なく働き続けられるしくみをつくるなど、次世代型の雇用環境づくりを着々と進めている。

現在、日新製薬の従業員の男女比率は、男性約51%、女性約49%と、ほぼ同等の割合だという。これは、医薬品メーカーとしては希有な数字だ。これまでは、営業職、開発職ともに、どうしても男性偏重にならざるをえないと考えられてきた業界であるからだ。

しかし日新製薬では、実力があれば男女を問わずに責任のあるポストを与えるという姿勢であり、課長相当以上の女性社員も18%超いるという。

こうした取り組みが評価され、2016年には「山形県ワーク・ライフ・バランス優良企業知事表彰」を受賞している。
また、こうした評価はリクルートにも反映され、いまや日新製薬には、東北では人気ナンバーワン企業として、就職希望者が殺到するそうだ。

となれば、必然的に有能な人材を確保できることになり、企業のパワーはさらに高まっていく。

最近では、仕事に追われ、仕事だけに埋没する人生では、人として満足できないという認識が高まってきているが、日新製薬では以前から、仕事だけでなく、個人としての日々が充実し、楽しいものでなければならないと考えてきた。そうした日々が仕事にも張りややる気をもたらし、結果として企業をより輝くものにしていくという好循環を形成していくのである。

地方創生も、現在の日本が抱える重要な課題だ。日新製薬は、奨学制度などを通じて地方の興隆にも大きく貢献しており、山形県子育て推進部から「山形いきいき子育て応援企業」の「優秀(ダイヤモンド)企業」の認定も受けている。

いまや日新製薬は、日本の医薬品市場においてのみではなく、山形県の地方創生の要となる企業としても、かけがえのない存在になっていると言ってよい。

その日新製薬を率いる大石氏にとって、今年(2017年)は、70歳の喜寿を迎える節目の年にあたる。

いまから四十数年前に、当時は従業員32名という小さな製薬会社を経営していた大石家に婿入りしたことを機に、それまで縁のなかった製薬業界に足を踏み入れ、いまでは山形県下でも指折り数えられる超優良企業に日新製薬を育てあげた。その軌跡を振り返るときに大石氏の胸に去来するのは、どんな思いだろうか。

本書では、主にこの5年間の日新製薬の発展の足跡をたどりながら、日新製薬を今日まで引っ張ってきた大石俊樹氏の企業理念や人生哲学に迫り、経営者・大石俊樹と人間・大石俊樹の実像を描き出したいと思っている。冒頭に記したように、それは、混迷のなかにある現在の日本が、より光ある将来へと歩を進めていくうえでの、確かな道標となると思うからだ。

同時に本書は、人として「真に充実し、幸福度の高い人生を生きる」ためには何を大事にすべきかをも指し示す、人生の指針となる書でもあると自負している。

なお、本文中の敬称は略させていただくことを、あらかじめお断りしておく。

 2017年5月  鶴蒔靖夫


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 はじめに


第1章 「先の利」経営の象徴・日新製薬荒谷工場

圧倒的なスケールと先端的な装備
最先端システムを誕生させるまで
最高のクオリティの固形剤を生み出す最高の設備
完全ペーパーレス化を実現
指示待ち人間がいなくなった
連日、システム見学希望者の来訪が絶えない工場
むだなくスムーズ、安全性や効率も抜群の生産ライン
固形剤、特にステロイド剤では国内トップ
「先の利」戦略で日新製薬を倍速で成長させてきた
ステップ・バイ・ステップで企業を成長させていく


第2章 ジェネリック医薬品に吹く追い風

人類の明日の宝・ジェネリック医薬品
欧米ではジェネリック医薬品を使うのはあたりまえ
ジェネリック医薬品使用促進の動き
目標値達成のためのロードマップ
ジェネリック医薬品メーカーの正念場
パテントクリフで医薬品市場のマップが変わる
ジェネリック医薬品メーカーが躍進する時代へ
世界のジェネリック医薬品市場動向
出遅れた日本のジェネリック医薬品メーカー
最後に勝つのは、正しいことをやってきたメーカーだ
医薬品受託製造というもうひとつの市場
委託企業には世界の超大手の名が並ぶ


第3章 「日本一」「世界一」がずらりと並ぶ企業

「大手だから安心」とは言えない時代 ❖ 78
世界で初めて医薬品製造に「パルス光滅菌技術」を採用 ❖ 80
夢で啓示を得たパルス光滅菌の採用 ❖ 82
日新製薬が独自に証明したパルス光滅菌の滅菌効果 ❖ 85
パルス光滅菌研究では世界をリード ❖ 87
クオリティ日本一のポリエチレンボトル注射剤 ❖ 92
想像以上の困難が待っていたポリエチレンボトル製造 ❖ 94
ついにクオリティ世界一の
ポリエチレンボトル入り注射剤の製造に成功 ❖ 97
気体の透過に対応するブリスター包装機を導入 ❖ 100
世界一のフルコンテインメントシステム ❖ 103
品質管理体制でも日本一のクオリティを実現 ❖ 106
社員の20%が品質管理に関する仕事に従事 ❖ 108
競合も太鼓判を押した
ジェネリック医薬品業界トップのソフトとハード ❖ 110
慶応義塾大学先端生命科学研究所との連携 ❖ 112
日新製薬の医薬品は、他より高くても売れる ❖ 114
どこにも負けない競争力 ❖ 117


第4章 大石俊樹の足跡Ⅰ

大石が「真の山形県人」になった日
東京都足立区で始まった俊樹の人生
優秀な頭脳と抜群の運動神経、文武両道の才能に恵まれて
ものごとの本質をつかみ、行間を読み取る能力
悪ガキだが、言うことは常に正論
教会の牧師を論破
学生運動が吹き荒れるなかでの大学生活
選んだ就職先は電気部品の商社
入社早々、長年の経理の「不明」を徹底追及
半導体営業でもめざましい結果を出す
「知恵の営業」で市場開拓
大組織のサラリーマンか、小企業の経営者か
経営者の道を選択。そして「廣川」から「大石」へ


第5章 大石俊樹の足跡Ⅱ

結婚後、すぐに日新製薬に入社
日新製薬の創設
あまりにも大きかったイメージギャップ
気息奄々状態から再生の道へ
潰れる会社を継ぐのも悪くはない
改善に取り組み、わずか1年で赤字を解消
錠剤製造へ進出
大手メーカーのデータの不備を看破
正しいことだけをやっていこう
わずか3年で日新製薬を再生
受託事業と自社製品の2つの車輪が回りだした
大石俊樹、代表取締役社長に就任
日本最先端のレベルの製薬を実現
突然、右腕をもぎ取られる
自社開発のオリジナル路線を進んでいくことを選択
化学者のプライドを貫いてくれ
俺を乗り越えて進んでいってほしい
社会に「なくてはならない会社」になる
「人」にも惜しまず積極投資
鶏が先か、卵が先か
多頭数戦略で市場を切り拓いていく
「生産拠点」と「人」それぞれの拡大路線を突き進む
川越工場の誕生とリスク分散
継続的に投資し、進化し続けていく


第6章 明日の日本を担う企業へ進化

東北で就職人気ナンバーワンの企業
増えてきた地元志向
全国に主要産業の本拠地が広がる欧米型発展をめざす
地方創生へ政府も本腰を入れ始めた
雇用拡大で地方創生に最大の貢献
結婚できる給与水準
徹底的な教育で、従業員の質をさらに高める
従業員一人ひとりが充実した人生を送ってほしい
女性のキャリア形成ができない国・日本
日新製薬の「女性が働きやすい会社指標」
地域ナンバーワン企業を証明する数々の受賞歴
スケールアップする地元への貢献
企業存続のために、次世代へ襷をつなぐ
より高いところから経営を俯瞰し日本経済と日本社会を引っ張っていく
日本のジェネリック医薬品を世界にアピールする


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