建設業の未来を支える人づくり

2017/06/20

『建設業の未来を支える人づくり』 前書きと目次

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建設業の未来を支える人づくり
 ~ワールドコーポレーションの建設業派遣No.1戦略~


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著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-426-6
初版発行:2016年11月19日
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 はじめに

国内の建設投資は、バブル経済の崩壊以降20年にわたり、減少傾向が続いていた。しかし、東日本大震災の復興需要に加え、2020年の東京オリンピック開催に向けてのインフラおよび施設の整備、さらには安倍政権の国土強靱化計画による公共事業投資拡大を背景に、建設市場の需要は次第に回復しつつある。

だが、その一方で深刻化しているのが、建設業界における人材不足だ。長らく続いた建設不況のなかで、建設業各社は雇用を抑制せざるをえなかったため、建設業界における就労者の高齢化が進み、若手技術者が圧倒的に不足するという事態に陥ってしまったのである。

そこに追い打ちをかけるかのように、日本列島は、またもや熊本地震という激甚災害に見舞われた。しかし、瓦礫の撤去や、被災した道路や橋梁の復旧、住宅や各種施設の再建など、九州における復興需要はあるものの、被災したエリアが東日本大震災に比べると狭いことや、技術者の人手不足などの影響もあり、建設業界の動きは鈍い。ましてや個人の住宅ともなると、本震から半年以上が経過した現在も、修繕を含めた自宅再建のめどが立たないばかりか、解体すらいつになるかわからないという被災者も多くいるのが実情だ。

いまや、建設業界における人手不足は、自然災害によって被害を受けた被災者たちを救うことさえままならないほど、深刻なところにまできているのだ。

そんななかで、建設工事の現場を監理・監督する施工管理者を中心に、設計者、CADオペレーターなど、建設業に特化した技術者の派遣サービスを展開し、日本のモノづくりを代表する建設業を人の面から支えていこうというのが、本書でとりあげる株式会社ワールドコーポレーション(本社:東京都千代田区、代表取締役:小林良氏)である。

もともと独立志向が強く、異業種のトップセールスマンから転身を図り、2008年に36歳の若さで同社を設立した代表取締役の小林良氏は、次のように語る。

「起業するからには、人を成長させられるような会社をつくりたいと思っていました。父の助言もあって、施工管理の人材派遣について調べていくうちに、建設業界では若手の優秀な技術者が少ないということを知り、人がいないのなら、いっそ自社で有能な人材をゼロから育てあげればいいと考えるようになったのです」

人材派遣業といえば、さまざまなスキルを持った人材を契約社員として登録し、そのなかから顧客からの要請に応じて適任者を派遣するというのが一般的だが、小林氏は、若い人材を自社の正社員として採用し、自社で教育しようと考えた。そして、理系出身者や経験者中心の採用活動を見直し、より間口を広げて、文系出身者や未経験者の採用にも注力。そうした人材を、どこの建設会社でも即戦力として通用するプロの技術者に育てあげ、派遣するという方法を、とることにしたのである。

そこで同社では、正社員として雇用することで会社への帰属意識を持たせるとともに、大手ゼネコン出身者による研修などの教育を徹底することで、全体的なスキルの底上げを図った。だが、技術の習得以前に大事なのは、「仕事を好きになる努力をすること」だと小林氏は言う。

「人生のなかで仕事は、かなり大きなウェイトを占めます。仕事を好きになれば、持てる能力を存分に発揮でき、まわりからも信頼され、人生が豊かで充実したものになるのではないでしょうか」

会社設立から8年。社員数はすでに800名を数えるが、「心」の部分を含むこうした教育が功を奏し、社員の定着率は90%を超えるという。

ワールドコーポレーションの最大の強みは、なんといっても「若手の技術者を数多く抱えている」ということである。取引先には、大手ゼネコンをはじめ、そうそうたる一流企業が名を連ねる。

人口減少時代を迎え、さまざまな業種で労働力不足が懸念されているが、特に建設業は深刻だ。もともと「3K」などと評され、若者に敬遠されがちな職種であるうえに、長年にわたって雇用を抑制してきたのだから、当然といえば当然だろう。そんななかで建設業におけるアウトソーシングは、今後もますますニーズが高まることは間違いない。

4年後に迫った東京オリンピックのほか、高度経済成長期につくられた建物やインフラの補修、そして災害復興といった要因も重なり、日本列島は建設ラッシュに沸いている。建設業各社にしてみれば、即戦力となる優秀な技術者は、喉から手が出るほど欲しい存在だ。

こうした状況下でワールドコーポレーションがめざすのは、「建設業の未来に欠かすことのできない会社」と位置づけられるような存在になることだという。そのためにも採用と教育にいっそう力を注ぎ、まずは社員1000名体制をめざす。

さらに、現在は東京本社のほか、東北と関西に支店を設けているが、今後は名古屋、広島、札幌、福岡へと、全国に拠点を展開していく計画だという。

また、近い将来には株式上場も視野に入れており、10年後をめどに業界ナンバーワンになることを目標に掲げている。

小林氏は、「ワールドコーポレーションに関わるすべての人々の幸せに貢献したい」と抱負を語る。

本書では、建設業に特化した技術者派遣サービスで急成長を遂げているワールドコーポレーションの事業活動を紹介するとともに、同社代表取締役・小林良氏の経営理念およびビジネス哲学に迫るものである。これは、優秀な技術者を求める建設業界関係者のみならず、技術者として建設業界に自らの将来の夢を託そうとする多くの若者にとっても、貴重な指針の書となるであろう。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

 2016年10月  鶴蒔靖夫


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はじめに

第1章 低迷期を脱し、活況を呈する建設業界

バブル崩壊以降、低迷を続けた、かつての花形産業
強力な追い風となった東京オリンピックの開催
老朽化するインフラの更新・補修が急務に
日本列島で相次ぐ自然災害の甚大な被害
災害からの復興・復旧を担う建設業
安倍政権が進める国土強靱化基本計画


第2章 深刻化する技術者不足

需要があるのに倒産企業が続出する建設業界
雇用抑制が生んだ技術者の高齢化
若者に「3K」と嫌われる建設業界
いま脚光を浴びる「ドボジョ」とは
外国人労働者は人手不足解消の鍵となるか
国も本腰を入れ始めた建設業の人手不足対策
建設業界の要望が生んだ技術者派遣業


第3章 建設業に特化した技術者派遣で急成長 ―ワールドコーポレーションの事業概要―

施工管理者など建設現場での技術者不足に対応
設立以来、増収増益で成長し続ける理由
成長の原動力は、いきいきと働く社員たち
めざすは「建設業界の人事部」
目覚ましい業績を支える受注力
建設業界の多種多様なプロジェクトをサポート


第4章 未経験から本物のプロ技術者を育成

若い人材をゼロから育てあげる
文系出身者&未経験者を歓迎
未経験者をプロに育てる研修プログラム
未経験者採用を可能にしたベテラン勢の存在
次世代の幹部を育てるリーダー研修
社員定着率9割以上を実現したきめ細かなフォロー
大切なのは「仕事を好きになる努力をすること」


第5章 創業社長・小林良の経営理念と人生哲学

エネルギーを持て余していた青春時代
やがて知る、働くことのおもしろさ
36歳の若さで起業
アクセル役とブレーキ役を演じる重鎮2人
心のバランスを支える人生の先達
人との出会いを大切に、本音でつきあえる関係を築く


第6章 ワールドコーポレーションが描く未来

社をあげて建設業界のイメージアップに貢献
若手社員の成長が、成功を呼びこむ
全国展開に向けて進む支店開設計画
いよいよ視野に入ってきた株式上場
ワールドコーポレーションの経営戦略と未来像
業界の圧倒的ナンバーワンをめざして


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