小さな泡が世界の生活を変える

2017/06/20

『小さな泡が世界の生活を変える』 前書きと目次

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小さな泡が世界の生活(くらし)を変える
 ~日本発の新技術 マイクロバブルトルネード、サイエンスの挑戦~


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著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-420-4
初版発行:2016年4月28日
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はじめに

「ご無沙汰いたしました」
「いやぁ、14年ぶりだ。14年ぶり!」

本書の主役・青山恭明氏との再会は、こう言い交わしながらの感激の握手で始まった。

その数日前のことだ。私は毎朝、各種の新聞・雑誌、各業界の業界紙・誌に目を通すことを日課にしている。そのなかのひとつ『リフォーム産業新聞』に「青山恭明」の名を見いだした。記事によると、青山氏は現在、株式会社サイエンス(本社・大阪市淀川区西中島)の会長になっており、「マイクロバブルトルネード」という画期的な製品を開発し、その普及に目覚ましい実績をあげているという。

「ああ、元気で、いまも水に特化したビジネスをやっているんだなぁ」

突然、自分でも信じられないくらいの喜びが湧き上がってきた。

実は14年前、私は、当時、青山氏が手がけていた水まわり事業をテーマに、1冊の本を上梓したことがある。その本は、かなりの好評を得た。

その後、そのビジネスは、時代を先取りしすぎていたことと、日本の行政の奇妙な縛りのために、方向転換を余儀なくされたが、その青山氏が、現在も水をテーマにしたビジネスで辣腕をふるっているというのだ。

「会いたい。いま、すぐにでも……」

次の瞬間、私の手は電話に伸びていた。

こうして彼との再会が実現し、話を聞くうちに、これはどうしても「本にまとめ、世に強くアピールしなければいけない。そのくらい重要で、エキサイティングなテーマだ」と確信した。青山氏は、これまでの入浴の概念をまったく変えてしまう、画期的な製品を開発していたのである。

*  *  *  *  *

「お風呂に入る」と言えば、みながみな、湯船でお湯に浸かったあと、体をごしごしと洗うことまでを含めてイメージするはずだ。

「体の隅々までよく洗うのよ」

子どものころ、母親にそう声をかけられた記憶は、誰にもきっとあるだろう。そのくらい、「お風呂に入る」とは、「体をこすって洗い、体を清めること」を意味している。

ところが、青山氏が現在、メイン商品として扱っている「マイクロバブルトルネード」は、入浴につきものだった「体を洗う」という作業を、不要にしてしまうというのである。

そう言われても、どういうことなのかと首をひねるかもしれない。だが、「マイクロバブルトルネード」のしくみを知れば、浴室はもはや「体を洗う場」ではなく「リラックスの場」となり、精神的なゆとりや楽しみを味わう場、美を実現するエステの場に進化していることを、理解できるはずだ。

「マイクロバブルトルネード」とは、ひと言で言えば、極めて細かく小さい泡を発生させる装置のことだ。

最近、各方面で大きな話題になっているファインバブル※技術。水の気泡を極限まで細かくすると、気泡は水の表面に上がってこなくなり、水の中に長くとどまって、やがて消えていく。この間に気泡が、優れた吸着作用で目に見えない小さな浮遊物まで吸着し、優れた洗浄効果を発揮する。半導体の製造工程などでファインバブルが使われているのは、この効果に着目してのことだ。ほかにも、魚や野菜などの生育を促進したり、鮮度をこれまでの数倍、いや数十倍に保つなど、さまざまな効果を持つことが、どんどん明らかになってきている。

※気泡の直径が100マイクロメートル以下のものを総じて「ファインバブル」と言う。「ファインバブル」には、気泡の直径が1~100マイクロメートルの「マイクロバブル」と、直径が1マイクロメートル以下の「ウルトラファインバブル」がある。(国際標準化機構「ファインバブル技術に関する専門委員会」による定義。ISO/TC281。2016年3月時点)

青山氏は、この工業用ファインバブル技術にヒントを得て、「この気泡の発生装置を小型化して、人の体を洗うことに使えないだろうか」と発想した。いわば、人間のクリーニングマシーンの開発である。それから開発努力を重ね、ついに自動入浴装置とでも言うべき革命的装置「マイクロバブルトルネード」の開発に成功したのである。

「マイクロバブルトルネード」がつくりだすのは直径が約3マイクロメートル(0・003ミリ)のマイクロバブル。これは毛穴のサイズよりも小さいので、これを発生させた湯に浸かっていると、超微細な泡が毛穴の中にまで入りこみ、毛穴の奥に付着した汚れまで浮き上がらせ、引き出してくれる。つまり、「マイクロバブルトルネード」を設置すれば、「バスタブに浸かっているだけで体がきれいになる」のだ。毛穴の奥に潜む汚れや、余剰な分泌物、老廃物をきれいに取り除くことから、加齢臭などの悩みも解決できるし、美容業界でも近年、「毛穴(ポアーズ)の汚れを取る」ことは大きな関心事になっている。

また、保温性も高まるので、入浴後、いつまでも体がポカポカして冷めないという、温泉のような効果も楽しめる。日本の女性には冷え性が多い。冷え性は万病の元とも言われ、つらい思いをしている人も少なくない。「マイクロバブルトルネード」は、そういう人たちにとっても光明となるだろう。

ちなみに「マイクロバブルトルネード」は、一般社団法人ファインバブル産業会(FBIA)が定めたファインバブル製品の登録制度規格の、認証登録第1号という栄誉にも輝いている。

また、サイエンスでは、同じく超微細な泡を応用した製品「ナノシャワー」も開発している。「ナノシャワー」には、洗浄・温浴効果に加えて、保水性能があることが、第三者機関の実験により科学的に検証されている。

青山氏の水に対する情熱は、これだけでは収まらない。飲料水はもちろん、調理や風呂に使う水など、家庭内で使うすべての水をクリーンで美と健康によい水に変えるセントラル浄活水装置「ウォーターシステム」も扱っている。「ウォーターシステム」を使うと、家中の水が安心・安全なおいしい水に変わる。しかも、ミネラルウォーターに比べて格段のコストダウンも図れるのだ。

サイエンスは「生活に関わる水ビジネス」を展開する企業として2007年8月に創業。青山氏を取締役会長に、水上康洋氏を代表取締役社長に据え、現在は「ウォーターシステム」「マイクロバブルトルネード」「ナノシャワー」の3つの技術を、新たな時代の水技術として提案。いまでは大手ハウスメーカーまでもが標準仕様として積極的に採用するようになっている。さらに、ベイシェラトンなどのホテルや、老人介護施設、エステサロンなどへの導入も、加速度的に増えている。

その結果、サイエンスは急成長を遂げ、創業以来、毎年、増収増益というめざましい成長カーブを描いている。

2015年には、注文住宅事業にも駒を進めている。サイエンスが提唱する住宅は、健康・快適・美容・安心・安全の「5つ」を満たす、その名も「5つ星の家」。もちろん、「ウォーターシステム」「マイクロバブルトルネード」「ナノシャワー」は標準装備だ。

*  *  *  *  *

本書では、青山氏が展開している「マイクロバブルトルネード」を核に、革新的な3つの技術について詳しく紹介するとともに、熱血経営者・青山恭明氏の素顔も紹介したいと思っている。

現在56歳の青山氏は、自ら「水商売一本やりですわ」と大笑する。その言葉どおり、これまで一貫して、生活水に関わる事業を展開してきた。その歩みはけっして平坦なものではなく、ときには窮地に追いこまれたこともあったようだ。

だが、青山氏には不思議な「何か」がついているのだ。青山氏自身は、実家が寺だということから「仏縁」「仏の加護」と言っているが、いわゆる「人徳」と言ったほうがわかりやすいだろう。

青山氏は、とにかく熱い。そのうえ人情家で、どんな場合も人としての誠を尽くす。その人柄は、そのまま強力な求心力となって、いろいろな人が「青山氏のためならば」と一肌脱ぐ。すると青山氏は、それを上回るような誠意を尽くす。その循環で、青山氏の人生は螺旋階段を進むように、一見、上がり下がりしていると見えながら、確実にステップアップしてきているのである。

事実、14年ぶりに再会した青山氏からは、一段も二段も階段を上がった、人としての大きな成長、成熟が感じられた。

たとえば、14年前の青山氏は「起業した以上、1日も早く上場企業になりたい」というのが口癖で、その言動からは「隠しきれない野心」が感じられたものだ。むろん、起業家として、そうした意欲や野心を持つことは、けっして悪いことではない。

ところが今回会ってみると、そうした野心は影を潜め、「本当に人のため、社会のためになる製品を広め、1人でも多くの人の健康、美、幸福のためにお役に立ちたい」という真剣な思いが、ひたひたと伝わってきたのである。それが心底、本音であることは、400人以上の経営者を取材し、執筆してきた私には、よくわかる。

14年前の青山氏にあった、人としての大きさ、力強さに加えて、現在の青山氏には、人間的な深さ、包容力、力強さに勝るしなやかさがある。そして何よりも、まるで太陽のような、とてつもない明るさ、やさしさ、温かさが感じられるのだ。

こういう心境に至った経営者は、理屈では説明しきれないパワーを得る。時代が背中を押し、社会が応援してくれる。

本書では、青山氏の経営理念、人生哲学に加えて、そうした青山氏の人となりにも筆を伸ばしていく。したがって、経営書としてだけでなく、「人生を、どう生きたらいいのか」という、誰もが持つ悩みの解決を示す書としても読んでいただけると自負している。そうした意味から、本書を人生の成長の書として、愛読書の1冊に加えていただければ、著者としてこれ以上の喜びはない。

なお、本文中の一部の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断わりしておく。

 2016年3月  鶴蒔靖夫


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はじめに


第1章 入浴革命が始まった!

「すごい」「すご~い!」という声があがる不思議なお風呂
入浴の常識が180度変わる!
小さな泡の驚異の効果
毛穴の奥深いところの汚れまで取れる洗浄効果
なぜ洗わなくても毛穴の奥の汚れが取れるのか
肌を傷める原因になる「こすり洗い」はもう不要
肌荒れ、敏感肌、アトピー肌の方にも喜ばれた
もう「お父さん、臭いから嫌い!」と言わせない
毎日が温泉気分、体の芯から温まる温浴効果
「冷え」と「健康」
心を癒やすゆらぎ効果、やさしい水流効果も満喫できる
九州大学名誉教授との共同研究・ジェット入浴の心身への効果
音や振動にうるさいマンションでも設置可能
第二の入浴革命「ナノシャワー」
科学的に証明された「ナノシャワー」の洗浄力
肌がしっとり潤う保湿性能と温浴作用
シャワーであればこその洗浄力
いま使っているシャワーが、そのまま「ナノシャワー」になる
地球視点で開発された、驚異の節水効果


第2章 夢の入浴装置「マイクロバブルトルネード」が誕生するまで

マイクロバブルのニュースを見ていて、ひらめいた
「必ず夢のお風呂を実現する」という固い決意
「ひらめき」がかたちになるまで
泡の技術者・平江との運命的な出会い
「マイクロバブルトルネード」開発の裏側
夢の入浴の進化版「マイクロバブルトルネード」
他のメーカーが追随できない技術
「どの浴槽にも取り付けられる」が第二のブレイクポイントに
「ナノシャワー」の誕生まで
平江、サイエンスへ入社
「マイクロバブルトルネード」の市場展開
美容院、エステサロン、介護施設……、広がる導入先
全国に支店網を展開。代理店支援・教育のために本社も拡充
売り上げを大きく牽引したテレビCМ
「マイクロバブルトルネード」入浴を満喫―利用者からの喜びの声


第3章 家中の水をすべて浄活水化・水を変える「ウォーターシステム」

水が変わると、生活すべてが変わる
子どもの塩素系アトピーから、生涯を生活水改善に捧げると決意
脱塩素シャワーを開発したが……
水道水に含まれている塩素は、ある意味「必要悪」
残留塩素はこれだけ体に悪い
シャワーでは、より多くの残留塩素に体がさらされる
だったら、家中の水を浄活水化してしまおう
サイエンスの浄活水器「ウォーターシステム」はここが違う
「ウォーターシステム」の水は天然水よりも天然水?
「たからの水」と「LUIC PROJECT」
カートリッジ1本でペットボトル2500万円分の水を浄化
水が変わると、暮らしが変わる


第4章 一騎当千のプロ集団・サイエンスを支える精鋭部隊

創業10年、目を見張る躍進を続けるサイエンス
陣頭指揮をとる青山の熱いキャラクター
タカラレーベン・島田社長への恩義
さらに強まるタカラレーベンとサイエンスの絆
ビジネスに欠かせない最高の女房役
青山のおかげで人間改革ができた
違うと思ったときは、はっきり言うからこそ、長く続いてきた
たくましく育ちつつある若き侍たち
安定+不完全燃焼より、未完成+完全燃焼を選んだ山形
心底から生きがいを感じる生き方を
代理店契約の4カ月後にはサイエンスの社員になっていた
部下をつぶす「クラッシャー」からの卒業
名古屋支店をとりしきる責任者へ
心技体の向上を教えこむ研修合宿
「します、やります、できます」サイエンス
社員の家族もサイエンスの一員
高校時代の初恋を貫く
20歳で身につけた営業の5原則
アメリカ留学で起業精神を学ぶ
白血病で死線をさまよった次女の侑加さん
感謝、感謝の般若心経
新しい生活提案の場「5つ星の生活」
新プロジェクトを担う新スタッフたち
「5つ星祭り」で地元に溶けこむ
創業10年、毎年増収増益の記録を更新中


第5章 ファインバブルの可能性とサイエンスの未来

ファインバブル産業会認証登録制度第1号
厳しい審査基準をクリアした認証登録の意義
マイクロバブルはミラクルバブル
ファインバブルの効果と青山のひらめき
ファインバブルの用途は無限大?
世界の市場規模は12兆円超、日本はそのトップランナー
日本主導で国際標準化を推進
国主導の超ビッグプロジェクトが動きだす可能性も
25年後のサイエンスを描いた『プロジェクトX』
国内外に20社のグループ企業に成長する


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