喜働って、なに?

2017/12/11

『喜働って、なに?』 前書きと目次

Kidouweb


喜働って、なに?
~「社員を活かす喜働環境とは」~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-395-5
初版発行:2014年4月8日




 はじめに

平成二十三(二〇一一)年三月十一日に発生した東日本大震災の本格的な復興、原発事故の処理問題、平成二十六年四月の消費税増税以降の社会動向、さらに突発的ともいえる東京都知事の辞任とそれにともなう選挙……、めまぐるしくも問題山積の現況である。とはいえ、“アベノミクス”効果、二〇二〇年の東京オリンピック開催の決定で、ムードとしてはいい流れだ。あくまでムードではあるが、こうした“氣”は結構、じんわりと時代を変えていくものだ。ここはかすかな光明に導かれ、“新生日本”の船出としたいものである。

実際、被災地の復興、公共事業の復活、老朽化インフラの再整備、東京オリンピックにともなうインフラ整備など、建設業界は一気に活性化する気配を見せている。

その一方で、急激に膨張した需要のため、以前から指摘されていた人手不足が深刻な問題となっている。

こうした建設業界において独自の存在感を示しているのが、本書で紹介する「株式会社スギモトホールディングス」(本社:東京足立区、代表取締役社長:杉本義幸氏)を中心とするスギモトグループだ。

同グループは、① オフィスビル、商業ビル、マンションから戸建て、商店、幼稚園などの設計・施工、建設を手がける総合建設業、② コンクリートの再生・再利用、鉄・非鉄金属の再資源化を手がけるリサイクル事業、③ JRの橋脚耐震鋼板や土木、建設工事の鋼構造物製造・販売を手がける鉄工業、④ 分譲マンションや戸建て住宅の開発および販売を手がける開発事業を展開。グループ年商は平成二十六年七月期予想で一六〇億円、従業員数はグループ合計で約二〇〇人規模を誇る、建設業としては中堅クラス、リサイクル事業としてはトップクラスの企業グループだ。

創業は昭和二十九(一九五四)年、平成二十六年九月に創業六十年を迎える。創業者はグループの中核「杉本興業」を興した杉本儀一氏(平成二十三年三月没、享年八十二歳)である。

杉本儀一氏は、すでに半世紀も前に、いまでいう“都市鉱山”の先駆けともいうべき「東京鉱山」という言葉を使っていたというから、まさに慧けい眼がんの士といえる。また、何によらず「もったいない」が口グセで、クギ一本もムダにすることを戒めていたというから、これまた“もったいない”ブームの元祖といっていいだろう。

また儀一氏は「八義の精神」――正義、仁義、道義、義?、義理、義勇、徳義、信義をベースにした企業理念「義・恩・情」を掲げた。これは現社長・杉本義幸氏にも着実に受け継がれ、いまなお生かされている。

現在、スギモトグループは“総合資源循環型企業”を標榜し、コンクリートガラひとかたまり、古クギ一本も捨てることなく再資源化し、建設業とリサイクル事業を循環させることにより、資源枯渇、地球環境保全の問題に正面から取り組んでいる。
世の中がリサイクルと声高にいうよりはるか以前から、リサイクル=資源循環に着目し、事業化していた点は注目に値する。

そしてもう一つ、同グループを特徴づけているのが「大家族主義経営」である。

本書のテーマは、先代の残した精神的土壌を引き継ぎながら、近代合理主義に裏づけられた経営を実践する二代目・杉本義幸氏の新・創業がモチーフとなっている。

詳細は本文でじっくり語るが、無機質で殺伐とした今日の企業経営現場に、それは日本人が忘れ去った温もりをもたらすものとして、いまこそ必要とされるものなのかもしれない。これは決して懐古の情ではない。案外、これからの社会を担う若い世代が無意識に求めているものなのではないかと思う。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

平成二十六年一月   鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 建設業の現状と環境問題の取り組み

変化と不変(普遍)を峻別する目
増加する転職・離職志向の要因
危機意識があるから“安定”訴求
震災復興と東京オリンピックの需給均衡
「国土強靱化基本法」と公共事業
待ったなしの老朽インフラ再整備
全国に拡大する技術者・資材不足
建設業界と不可分の環境保全意識
可能性に満ちたリサイクル事業


第2章 総合資源循環型企業・スギモトグループの果敢な挑戦 ―無資源国の知恵と工夫―

建設事業とリサイクルの一体化
“もったいない”精神の賜物
川上から川下までの流れが循環する――無資源国だからこその知恵と工夫
「八義の精神」で独自の経営観
「六面体経営」で推進する企業
“温故知新”という経営の刷新
“喜働”の社員が一隅を照らす
情報源としての“人”の動かし方
伝統は変えないが味変えはする


第3章 再生砕石技術の確立で躍進 ―グループ発展の基盤となった中核組織・杉本興業―

六十年の節目に新本社ビルを建設
“本丸”は地域の防災対策拠点
再生砕石技術の確立で躍進する
杉本興業とグループ企業の役割
新しい視点で見る総合資源循環型企業
時代に不可欠なリサイクル事業
出発は“なんでも屋”の杉本さん
電柱を再生、木造建築に進出
仕事の芽を見つける社風が定着
抜群の財務体質で判明した陰影


第4章 「八義の精神」で実践する日本的大家族主義経営 ―グループ企業躍進のカギ―

“八義”の意味を理解して実践
見えない部分こそていねいに――現場自主管理で効率アップの杉本鉄工①
移転した年にリーマンショック――はね返すために営業をかけた杉本鉄工②
いつまでもあると思うな親と金
人が選別することで製品の純度を高める――高品質が信頼を得る双葉商事①
需給バランスが崩れているなかでの競争――リピーターを確保する双葉商事②
どのように戦うのか――躍進のポイントは待ったなしの真剣勝負にあり
リサイクルをアピール――見学デッキを設け産業廃棄物再生を訴求する協和興業①
最前線で新しい形態を模索――個人レベルで組織のあり方を探る協和興業②


第5章 受け継がれる想い ―企業理念と経営哲学を踏襲するスギモトグループ六十年の礎―

同心円の経営から自律型組織へ
厳しさはやさしさの裏返しなのだ
父に背いて海外を放浪したころ
働いて、稼いで、ビッグに遊ぶ
正しい“集団行動”を継承する
二代目ではなく“一・五世代”感覚
夢を実現させるために一歩前へ


第6章 「光輝ある創業百周年」に向けて ―スギモトグループが描く未来戦略の絵柄―

信用度ランキング第一位の実力
IT時代で変わる現場の人的交流
広い心と視野で将来を展望する
共存・共栄・共闘する仲間集団であれ――若者を活かす“喜働環境”の創出
創業六十年から“光輝の世代”へ
常にスタンバイで次につなげる
新大家族主義の結束力を固める
総合資源循環型のソーラー事業
爽やかに新世代へバトンタッチ


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