経営道を究める

2017/12/11

『経営道を究める』 前書きと目次

Keieidouweb


経営道を究める
~プラント塗装業界のパイオニア・カシワバラコーポレーションの挑戦~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-392-4
初版発行:2014年2月16日




 はじめに


欧米の家庭では、簡単なリフォームならあたり前のように自分たちでやってしまう。その代表例が、外壁や室内壁の塗り替えだ。映画やテレビドラマでおなじみのシーンである。

ローラーを使い、ペンキ塗りをするのを苦とせず、むしろ日曜大工のレベルで楽しむ。それが彼らの流儀なのだ。

戦後、米軍基地の近くに住んでいたことがある人はわかるだろうが、基地の内外に建てられた米軍住宅の壁や屋根はカラフルで、日本家屋に比べると随分華やかだった。山口県の米軍岩国基地の周辺でも、休日になると、屋根や壁を思い思いの色に塗っていた。

当時、日本の住宅の屋根には、防錆のためにコールタールを塗っていたから、黒い色があたり前だった。しかし、米軍住宅の屋根は赤や青など、色とりどりなのだ。そんな時代に、仕事で岩国基地に出入りしていた一人の男が、やがて日本もそうなるのではないかと天の啓示のようにひらめいた。

そこで一念発起し、独立開業して「柏原塗装店」を興した。その男こそが、本書で紹介する「株式会社カシワバラ・コーポレーション」(本社:山口県岩国市、代表取締役社長:柏原伸二氏)の創業者、柏原久雄氏(故人)だ。

個人経営の柏原塗装店は後に法人化され、柏原塗研工業株式会社と名称変更し、さらに現在のカシワバラコーポレーションとなる。現社長の柏原伸二氏は、二代目である。

山口県岩国市は、日本における石油コンビナート発祥の地として知られる。また、波静かな内海である瀬戸内海は、造船業が盛んとなる。こうしてみると、岩国は戦後の経済復興の最先端に位置していたともいえそうだ。

コンビナートのプラント塗装、あるいは船舶塗装と、こうした需要は天の配剤のように創業者に幸いした。やがてプラント塗装で柏原塗研工業は日本一となり、その名は、業界に鳴り響く。もちろんそれは、今日もなお揺るがない。

ところが、社業はこれからというときに久雄氏は病に倒れる。そこで陣頭指揮に立ったのが現社長の柏原伸二氏である。紆余曲折は本文に譲るが、大学を卒業し、そのまま柏原塗研工業の現場に入った柏原氏は、親譲りの気概の経営で、社業の発展に尽力した。

カシワバラコーポレーションは現在、年商約三一六億円(平成二十五〈二〇一三〉年一月期)、従業員数も六〇八名(平成二十五年五月現在)と六〇〇名を超える規模に成長した。創業以来、いまだかつて赤字を知らない超優良企業である。

現在は、主力であるプラント塗装に加えて、ビルやマンションの大規模修繕工事、戸建リフォームにも進出。さらに平成二十四年にはインドネシアにジャカルタオフィスを開設。次いで平成二十五年には台湾に合弁会社を設け、几帳面、真面目、丁寧な日本人のDNAに裏づけられた“日本品質”を訴求し、海外市場にも打って出た。

ともすると、塗料・塗装は配色やカラーリングといった側面ばかりが着目されがちだが、実際は塗膜による防錆、防汚、防食などにより資産を守り、結果的にランニングコストの低減がはかれるという効果がある。

建造物のもっとも重要なパートが塗装という仕上げにある。したがって、塗装業は「究極の仕上げ業」というのが、同社のスタンスである。

同社はまた、成果主義が一般化している今日、日本型経営の年功序列、終身雇用制を守り、安心して働ける家族主義的な経営を実践し、人材教育にはことのほか注力している。

こうした経営方針、人材育成術は、いまの時代にこそ求められているものだ。そして経営の王道は人材教育にあることを、柏原氏は究極の「経営道」として示している。この点もまた、本書でしっかり検証したい部分だ。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

平成二十五年十二月   鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 社会インフラの維持・保全に不可欠な塗装 ――塗装の実体は品質保護の皮膜――

笹子トンネル事故は“劣化”警告
「国土強靱化」政策で現状を検証
老朽化が進む道路、橋、港湾施設
東北復興と社会インフラ二本立て
災害対策に適す基本に忠実な構造
“丈夫な皮膚”こそ健康の第一歩
一ミリにも満たない塗膜が腐食を防ぐ
塗膜性能のさまざまな効果・効能
美粧効果や機能性の付与にも注目
国民の生命・資産を守る仕上げ業


第2章 プラント塗装のパイオニアが究める仕上げ技

プラント塗装のフロントランナー
プラント塗装は“天の配剤”だった
関東モンが笑った“ノリ刷毛”
防錆か美観か企業基盤の別れ道
プラント塗装なら“カシワバラ”
高所の塗装に足場づくりは必須
コスト圧縮の利器「総合足場」
安全な足場が守るのは命と高品質な仕事
塗装の基本は下地づくりにある
ブラストマシンで現場に革命を


第3章 人の暮らしと社会を支える「kashiwabara」の技術力 ――“サービス業”の視点――

几帳面・真面目・丁寧な仕事魂
「kashiwabara」ブランドのDNA
世の中はリフォーム時代に転換
大規模修繕工事はサービス業
リピート性が強いリフォーム業
サービス業としてのプラスアルファ要素を訴求する
かゆいところに手が届いているか――緻密な居住者とのコミュニケーション
秩序ある現場をつくるのが前提
戸建リフォームの分野は狙い目
“人間力”と“現場力”の相関


第4章 プロフェッショナル集団「kashiwabara」を支える人間力

疲弊するシステム最優先の現代
システムよりプロ魂を涵養する
ビジネスで勤勉に勝る王道なし
主体的、能動的に動いているか
人材(財)を生かしきる経営術
3Kから5Kへ発想を転換する
一カ月間のホテル合同研修で絆
気(心)づかいは他人のためならず
一方通行は不可、双方向で理解を
若者の転職・離職志向を検証

第5章 親子二代にわたる気概の経営 ――柏原伸二の経営理念と人生哲学――

創業者と二代目の位置
伝わる勤勉の血と慧眼・判断力
禍福はあざなへる縄の如し
理不尽な要求には体を張ってわたり合う生一本の男魂
海外で学べたけれど死にかけた
かわいい子には旅をさせよ……
従業員満足度を優先させる理由
恩恵を受けた地元・社会に還元
自立した人が充実の人生を送る
“後顧の憂いなく”いまを生きる


第6章 グローバル・リノベーション企業への道 ――「kashiwabara」が描く近未来図――

働くことの幸せについて考える
近未来のツールを駆使して展開
業界全体の品質を高めるために
インドネシアと台湾に海外進出
長期的な展望で海外市場を深耕
パートナーシップでの海外事業
リピーターが新しい市場を創出
しこたま失敗をして肥やしにした
生涯を賭して究めたい「経営道」
エッフェル塔を塗り替えたい

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