« 『保育士がたりない!』 前書きと目次 | トップページ | 『小さな泡が世界の生活を変える』 前書きと目次 »

2017/06/20

『人生100年時代 いつまでも自分らしく暮らしたい』 前書きと目次

100nenweb


人生100年時代
いつまでも自分らしく暮らしたい

 ~老後の住まい第3の選択「シニア向け分譲マンション」~


-----
著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-421-1
初版発行:2016年7月21日
-----


 はじめに

人生100年時代の到来と言われている。

厚生労働省は2015年9月に、100歳以上の高齢者数は6万1568人であると発表した。調査が始まった1963年には153人であったから、単純計算すると、半世紀で400倍も増えたことになる。特に、この1~2年の伸びは急速で、「医療の進歩や健康意識の高まりが背景にある」と厚生労働省は見ている。

雑誌などで「元気な100歳」の姿を見ることも多くなった。100歳で毎日ボウリングを楽しみ160点のスコアも出す元会社経営者、101歳で和菓子屋の店頭に立ち接客をする女性、101歳で携帯電話を自由に操り体操を欠かさない男性など、元気にはつらつと日々をすごしている人が増えてきている。

こんな時代がくるとは、30年ほど前には誰が想像しただろうか。「日本人は、いまや生物として別の種になった」と指摘する歴史人類学者もいるほどだ。

比類ない長寿を手に入れた日本だが、一方では、老後の生活設計を描ききれないことからくる不安も大きくなっている。ある生命保険会社の調査によると、65歳までの4人に1人は、長生きを願う気持ちはないと回答。また、長生き願望のある人も含めた約9割が、長生きに不安を感じているという。不安の三大理由は「お金」「病気・入院」「介護」である。

私たちは、この「人生100年時代」をどう迎え、どのようにすごしたらよいのだろうか。

人跡未踏の地に突然立たされているような状態で、誰もが願うのが、最後まで自分のことは自分でしたい、ということだ。理想の姿は「元気でぽっくり」だろう。

そこで現在、注目を集めているのが、元気ですごせる「健康寿命」を延ばすことである。これには国も自治体も、本腰を入れて対策に取り組んでいる。

国は、平均寿命と健康寿命との10年近くある差を縮めることを喫緊の課題として、「『国民の健康寿命が延伸する社会』に向けた予防・健康管理に関する取組の推進」を提唱。自治体でも、ストレッチ講座など、さまざまな試みを展開している。

なかでも神奈川県は、「人生100歳時代とロボット革命」と銘打って、ITを活用した健康増進をはかるというダイナミックな構想を進行中だ。「病気を治す」医療から「健康な状態を長く保つ」医療へ変えることをめざすと同時に、新たな市場の創出につなげようとの意気込みが感じられる。

「老い」は誰も避けて通ることはできないが、医学的な見解では、老化と寿命を決める要因の75%は環境的なものであるという。これは、生活様式や食生活がいかに重要かを示している。ならば、健康寿命を長くできるかどうかも、7割以上は本人次第ということだろう。この先、さまざまな対策や試みが打ち出されるなかで、心身ともに元気なうちから「自立した100歳」をめざして自分の環境や生活様式を改善する努力が、さらに求められていくに違いない。

そうしたなか、健康寿命の延伸を最大の目的として、新たな市場を開拓しようとしているデベロッパーを知ることになった。それが首都圏におけるシニア向け分譲マンションのパイオニア、ダイヤモンド地所株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:外所行則氏)である。

シニア向け分譲マンションとは、通常の分譲マンションに高齢者が住むためのサービスと共用施設を付与した商品である。一般の分譲マンションにはない、高齢者向けの設備や共用施設、コミュニティ、日常生活・健康・安全を支えるサービスやサポートが付帯している。

有料老人ホームなどの「施設」とは異なり、居住者は「住宅」としての所有権を持ち、資産性を有することが最大の特徴だ。

入居の対象者は「自立したアクティブシニア」で、入居後は、安心・安全のサポートを受けながら、自由な暮らしと同世代との交流を満喫できる。

実は、日本の高齢者住宅は、要介護者を対象とした施設系が大半で、元気な人向けの本格的な住宅は極めて少ないのが現状だ。本文で詳しく述べるが、特別養護老人ホームを筆頭に10種類以上ある高齢者住宅の多くは、要介護者や社会的弱者のケアを目的にしている。

シニア向け分譲マンションの立ち位置は、それらとは真逆である。元気な高齢者を受け入れ、その状態を長く維持することが目標なのだ。ひと言で言えば、できるかぎり要介護にならないようにする終の住処だ。

そのために提供するサービスは、ハード面、ソフト面ともに、徹底した利用者本位が貫かれている。24時間の見守り体制や看護師常勤といったシステム面はもちろん、どんな依頼にも対応するコンシェルジュや、一人ひとりの状態に通じるスタッフを配置するなど、居住者が困ったときにはいつでも人の手が差し伸べられるきめ細かさが、隅々にまでいきわたっている。もちろん、医療や介護の体制に関しても、充分な準備が施されている。

外所氏は、自らが開発したシニア向け分譲マンション(ダイヤモンド地所では「中高齢者専用マンション」と呼んでいる)のことを「元気を維持するための箱」と表現した。

古くなり、維持や日常生活における負担が多くなった持ち家を離れ、このマンションに移り住んで新たな刺激や生き甲斐を見つけた居住者たちのアクティブな日々は、高齢者に新しい選択肢が生まれたことを実感させる。

というのも、65歳以上のいわゆる「高齢者」のなかで要介護者は意外に少なく、80%以上は介護の必要のない自立者として生活しているのが実態なのである。にもかかわらず、その人たちにふさわしい住まいが、これまでほとんど検討されてこなかった。

元気な高齢者は、立派な「社会的資源」である。その人たちに、さらにアクティブになってもらい、なんらかのかたちで社会に貢献してもらうことは、社会全体の活性化にもつながるに違いない。そうなるための元気を維持するしくみが、シニア向け分譲マンションには詰め込まれている。

シニア向け分譲マンションは、まだ物件が少なく、多くの人にその実態が知られていない。私自身も、これまで知る機会もなかったため、あまり関心が向かないままだった。しかし、取材を重ねるなかで、それはまことにもったいないと思うようになり、私自身が、その特性を紹介するレポーター役を買って出ることにした。健康寿命の延伸を推進するための創意工夫と、その実践のあり方を人々に知ってもらうことは、「人生100年時代」を生きる道標のひとつを示すことになるはずである。

本書を読むことで、豊かな老後を創造するヒントをひとつでも見つけることにつながれば、これ以上の喜びはない。

なお、本文中の一部の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

 2016年6月  鶴蒔靖夫


-----


はじめに


第1章 超高齢社会に突入した日本

予測を超えたスピードで進む高齢化
超高齢社会が促す変化とは
統計から見る高齢者の姿
健康寿命の延伸は、政府から個人まで総力をあげて取り組む課題
学際的な「高齢社会総合研究機構」を東京大学が創立
老後の家計簿、目減りする年金
「下流老人」が意味するもの
お金がある人もない人も、半数以上が幸せ
幸福度の決め手は人間関係
アクティブな楽しみと介護の日々から生まれる新しいライフスタイル
介護保険制度破綻の危機説をめぐって
介護職員の不足
意外な現実、要介護者は高齢者の2割に満たない
高齢者にやさしい街づくりが地域活性化を促す
元気な人たちにふさわしい住まいとは
シニア向け分譲マンション登場


第2章 高齢者の住宅事情

主な高齢者向けの住居・施設
公的施設の代表、介護保険施設
福祉型の施設と住居
さまざまな特徴を持った民間運営の施設と住居
「サ高住」は高齢者住宅の切り札となるか?
いまの住まいへの不満・不安とは
私自身の住まい事情
日本は高齢者用住宅が極端に少ない
85歳以上でも6割の人が健康状態「ふつう」以上
健康でいきいきした老後をサポートするシニア向け分譲マンション
有料老人ホームは「利用権」、シニア向け分譲マンションは「所有権」
「施設」と「住居」はまったく違う

《一人暮らしも不安なく―Sさん(70代)》 


第3章 シニア向け分譲マンションでの暮らしを検証

「ダイヤモンドライフ森の里」を端的な事例として
居住者の平均年齢は74歳
里山の風情を残す洗練された研究都市
高い付加価値を持つ共用施設
全員の楽しみ、天然温泉大浴場
食の楽しみは生きる楽しみ、ダイニング&レストラン
ペットと健康寿命の関係は深い
居室は広く、安全・安心の機能も充実
優れた利便性と地域交流
近くには自然豊かな公園があり、リゾート地も近い
24時間常駐の有人管理、コンシェルジュによるきめ細かいサービス
看護師も24時間常勤体制、気軽に利用できる「健康管理室」
協力医療機関や訪問介護との連携
3つの安心が保証されるシニア向け分譲マンション
居住者の傾向

《いちばん大事なのは人と人との関わり―Yさんご夫妻(夫70代・妻70代)》 


第4章 シニア向け分譲マンションの特殊性

元気なうちに準備と計画を
シニア向け分譲マンションの歴史
シニア向け分譲マンションとの出合い
首都圏のシニア向け分譲マンションの半数はダイヤモンド地所が携わったもの
奥が深く、容易には手を出せない事業
お任せではなく自主性を重んじる人にこそふさわしい
売るより運営
オーダーメイドの対応
手探りと試行錯誤で開発した唯一無二のソフト
「死ぬまでのおつきあい」に見る福祉の心
場合によっては退去してもらうことも
介護がしやすいマンションでQOL(生活の質)は維持される
自宅マンションでの看取りも行う

《安心・安全・自由を満喫―Kさんご夫妻(夫80代・妻70代)》 


第5章 元気な高齢者の新しい選択肢

高齢者自身が「住みたい」と思える場を提供したい
新たなコミュニティを生むシニア向け分譲マンション
アクティブの基本は社会とつながっていること
生涯現役、人のために役に立つことが元気の源
65歳は高齢者か
シニア向け分譲マンション事業に関する課題
契約までの長いおつきあい
シニア向け分譲マンションのスタンダードをつくる
中古市場への挑戦
日本版CCRCは広がるか?
幸せな老後の創造が、のちの人たちへの貢献につながる
安心を伝える雰囲気
元気を維持するための箱、ミドル層のための住まい
お金より夢を追う


IN通信社の本 セミオフィシャルサイトへ行く
-----


« 『保育士がたりない!』 前書きと目次 | トップページ | 『小さな泡が世界の生活を変える』 前書きと目次 »

**鶴蒔靖夫」カテゴリの記事

*福祉・介護・高齢者」カテゴリの記事

*建築・建設・不動産」カテゴリの記事

カテゴリー

無料ブログはココログ