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2020/01/29

『「タイムズ」が切り開くクルマと社会の新たな未来』 前書きと目次

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「タイムズ」が切り開くクルマと社会の新たな未来
~パーク24グループの飽くなき挑戦~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-462-4
初版発行:2020年1月29日 初版発行




はじめに

クルマをめぐる環境が大きく変わりつつある。

「われわれは、たんに自動車をつくるのではなく、モビリティを提供するのだ」

と、ダイムラーのツェッチェ会長(当時)が株主総会で宣言したのは、2015年のことだ。この宣言は、情報通信技術の進化にともない、自動車メーカーは「自動車の販売台数を増やす」というビジネスモデルから「自動車による移動(モビリティ)を提供する」というビジネスモデルへと自らの事業領域を再考する必要性があると訴えたものとして、世界中の自動車業界に大きなインパクトを与えた。

クルマ社会を取り巻く環境変化を踏まえ、いち早くモビリティソリューション事業へと移行する欧米を急追し、日本でも「MaaS」(マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティをシームレスにつなぐ新たな移動の概念)や「CASE」(コネクティッド化、自動運転、シェアリング、電動化)への取り組みが繰り広げられつつある。世界産業の根幹のひとつである自動車産業は、「所有」から「移動サービス」へとパラダイムを変えようとしているのだ。

そうしたなか、快適でストレスのない移動を実現するための先駆的なサービスを次々と提供している企業がある。それが本書で紹介する、パーク24株式会社(本社:東京都品川区)を中心とするパーク24グループだ。「タイムズ」ブランドの駐車場事業を基軸に発展を遂げ、カーシェアリングサービスへの参入をきっかけにモビリティ事業の拡充にも注力するパーク24グループは、他の追随を許さない圧倒的な強さで業界トップを独走している。

カーシェアリングというサービスが多様性のある社会を支える交通手段としてあたりまえのように使われるようになれば、人々のライフスタイルにも変化が生じてくるだろう。グループの中心であるパーク24株式会社およびタイムズ24株式会社の代表取締役社長を務める西川光一氏は、そのときの到来を見据え、

「カーシェアリングを、鉄道、バス、タクシーに次ぐ第4の交通インフラにする」
「鉄道が大動脈なら、カーシェアリングは毛細血管である」

と宣言し、展開している各サービスのシームレス化の実現を着々と図っている。

パーク24グループは、世界でトップクラスの駐車場運営件数を誇ると同時に、カーシェアリングサービスにおいても100万人以上の会員を有する、名実ともに国内ナンバーワンの企業である。基幹となる「タイムズクラブ」の会員数は約800万人で、これは日本における自動車保有台数の約1割に相当する数だ。

パーク24の歴史は、1971年に西川氏の父親である故・西川清氏が東京の西五反田で「駐車禁止」の看板の製造販売を行ったことから始まった。

並外れたエネルギーと発想力の持ち主であった西川清氏は、駐車機器の販売で企業としての力をつけたのち、1991年に日本初の「24時間無人時間貸駐車場による駐車場ビジネス」という未開のビジネスモデルを築いた。その後も「駐車場はサービス業」という信念のもとに次々と清氏から発せられた構想は、当時は荒唐無稽とも思われたが、西川光一氏の代になり、カーシェアリングサービスを筆頭に、多くが現実のものとなっている。

「先代(清氏)には、『0』を『1』にする力、『無』から『有』を生み出す力がありました。私の役割は、その『1』を『10』にする、あるいは『10』を『100』にすることだと思っています」

と語る西川氏が、先代社長の西川清氏から受け継ぎ、会社のイズムとして大切にしているのは、「誰もやらないことを先駆けて行う」というチャレンジ精神である。

「常に『次なる挑戦』がないと、企業はパワーを失います。パワーのない普通の会社になってしまっては、おもしろくもなんともありません」

と語る西川氏は、2004年にパーク24の代表取締役社長に就任すると、「『1』を『10』にし、『100』にする」という自らの使命感と、先代から受け継いだチャレンジ精神とを最大限に発揮して、海外進出、モビリティサービスの開拓などを展開し、事業領域を拡大してきた。

すべての事業を自前で行う体制により、迅速な開発スピード、顧客の要望への的確な対応、そして挑戦への気概を社風とするパーク24グループは、いまも進化を続けている。

次なるステージは、「人(会員)」「クルマ」「街(目的地)」「駐車場」の4つのネットワークの拡大とシームレス化の推進だ。

レンタカーとカーシェアリングを融合した新しいモビリティサービス「タイムズカー」の構築や、移動の目的地をネットワーク化するツールとしてのキャッシュレス決済サービス「Times PAY」の普及促進といった、従来のサービスの垣根を超えたサービスの提供は、誰もがいつでもどこにでも快適に移動できる社会の実現に、大きな役割を果たすことになるだろう。

それまで千代田区有楽町にあった本社を、2019年5月に創業の地・品川区西五反田に移転したと同時にCI(コーポレート・アイデンティティ)とBI(ブランド・アイデンティティ)をリニューアルしたパーク24グループが掲げる新たなグループ理念「時代に応える、時代を先取る快適さを実現する。」には、チャレンジ精神と、情熱をもち最後まで成し遂げることへの、強い決意が込められている。

本書では、駐車場を軸としたビジネスのパイオニアであり、業界トップを走り続けるパーク24グループの今日までの歩みを振り返るとともに、より豊かな社会を実現すべく「快適さ」をキーワードに挑戦を続ける同グループのさまざまな取り組みについて紹介する。

モビリティサービスの拡充は、交通渋滞の緩和や温室効果ガスの削減、ひいては持続可能な社会の実現へとつながるものであり、その分野を牽引するパーク24グループの取り組みや考え方は、クルマを利用する、しないにかかわらず、現代社会に生きるすべての人々にとって貴重な指標となるだろう。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。


2019年12月  鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 いま、創業の地から新たなるステージへ

創業の地・西五反田に本社を移転
創業の地で次なるステージへ
新CI、BIに込めたもの
新しいグループロゴが打ち出すモビリティ事業拡大への挑戦
勝利の法則を踏まえ、新たなレースに挑む
「あたりまえ」のなかに隠された不便さにビジネスチャンスがある


第2章 駐車場ビジネスをサービス業にした「タイムズパーキング」

需給バランスの悪さは伸びしろの多さを示す
日本における駐車場の変遷
バブル経済崩壊が追い風となって
足で稼ぎ、地元の人と密着して駐車場をつくる
公共性、社会性の高い「パートナーサービス」
パーク24グループの根幹インフラ「TONIC」
オンラインシステムの衝撃
オンラインシステムが生んだ新たなサービス
最新のテクノロジーと泥臭さを融合
海外駐車場のグループ化で世界ナンバーワンの駐車場事業をめざす
提案から工事、管理まで一貫体制


第3章 時代をリードする「タイムズ」のモビリティ事業

新しいブランドコンセプトが意味するもの
カーシェアリングサービスへの参入
わかりやすい利用方法と料金体系
カーシェアリングのメリットは法人にも
「タイムズカーシェア」はITの塊
安全運転へのしくみづくりで利用者に快適さを
「レール&カーシェア」という新たな移動手段
「タイムズパーキング」のあるところに「タイムズカーシェア」あり
ゲーム感覚で競える「エコドライブ選手権」
第4の交通インフラをめざして
カーシェアリングを地域振興の起爆剤に


第4章 「人」「クルマ」「街」「駐車場」の4つの資源をネットワーク化

4つの資源が掲げる方向性
カーシェアリングとレンタカーのよいところを融合
「目的地」をネットワーク化する
「たのしい街」はネットワーク化の先駆例
「Times PAY」のメリットとは
街に根づく個人事業者に歓迎される「Times PAY」
街全体を「タイムズパーキング」の「パートナーサービス」に


第5章 グループの総合力で時代に先駆ける「快適さ」を追求

「第7回 技術経営・イノベーション賞」において「内閣総理大臣賞」受賞
パーク24グループの編成
自前主義の一気通貫サービス体制
グループの一体感を高める新人事制度
「知的創造の場」としての新オフィス
東京オリンピックで金メダル獲得をめざす「パーク24柔道部」
社会貢献はパーク24グループのDNAのひとつ


第6章 稀代の経営者・西川清の「無から有を生み出す」発想と信念

100kgを超す巨体から発せられる圧倒的なエネルギー
資本金は妻の持参金の100万円
最初の事業は「駐車禁止」の看板づくり
病院に狙いを定めて「パークロック」を拡販
貧乏から、グアムへ家族旅行をする家に
50歳を前に起業家人生の勝負をかけた挑戦
知識がないからこそ、がむしゃらにできた
長男・光一の入社と店頭公開
「無」から「有」を生み出すのが本当の起業家
清の病、光一の社長就任
次なるステップへの躍進の時期


第7章 「100年に1度の大変革」の先駆けとして

カーシェアリングにEVを本格導入
ワンウェイ型カーシェアリングへの挑戦
「ETC2.0」データの活用で交通を円滑化
日本版MaaSトライアルの動きが本格化
「カーシェアリング官民共創実証事業」で地方創生推進モデルに
100年に1度の大変革の時代
パーク24グループは挑戦し続ける


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