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2021/01/12

『再エネ投資で未来をつくる』 前書きと目次

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再エネ投資で未来をつくる
~自立・分散型社会の構築をめざすセンチュリー・エナジーの挑戦~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-467-9
初版発行:2021年1月18日 初版発行




はじめに

2020年、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の大規模な感染拡大が、世界中を震撼させた。そこから生まれた「3密」「ソーシャルディスタンス」「テレワーク」などの言葉が日常的なものとなり、それにともない、私たちの暮らしのありようも変わってきている。

ここで大事なことは、「この災厄は、われわれになにをもたらすのか」を、いちど立ち止まって考えることだろう。「見直すことの大切さ」を世界中の多くの識者が指摘し、この「ピンチ」を「チャンス」に転換させるための方法を探っている。

新たな座標軸を早くに打ち出したのは、地球環境の危機に敏感な人たちだった。SDGs(持続可能な開発目標)の実現をめざす彼らは、人類がこれまで物質の豊かさを追い求め続けてきた結果、地球という土台が危うくなっていると警鐘を鳴らす。

人間の活動がいかに地球を傷めているかを表す「アース・オーバーシュート・デー」という指標がある。世界の人々のその年の自然資源の消費量が、1年間に地球環境が生産できる量を超える(オーバーシュートする)日を示したもので、国際シンクタンクのグローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)が毎年発表している。それによると、1960年代までは人間が消費する自然資源の量と地球の復元力は釣りあっていた。しかし、2020年の「アース・オーバーシュート・デー」は8月22日だったという。つまり、たった9か月弱で人類は、1年分の自然資源を使い果たしたということだ。

私たちはいま、経済的な復興だけでなく、環境、生物多様性、食糧、水といった点において持続的な社会を形成するための、具体的な行動を起こすことを求められている。社会インフラのベースであるエネルギー問題は、その動きの中核にある。これまでの化石燃料を中心とした社会から、再生可能エネルギーを中心に活用する社会へのアップデートをめざしていこうとの声が、世界中のあちこちから発せられているのだ。

今回のコロナ禍を奇貨として、環境、社会、金融、地域づくりなどのすべてを包括した新たな時代をつくっていこうとの取り組みが、エネルギーを中軸に実践されつつある。新たな時代を築く再生可能エネルギー事業にも、多くの企業が正面から取り組んでいる。

そのなかのひとつが、本書で紹介するセンチュリー・エナジー株式会社だ。

日本で再生可能エネルギーの普及が本格的に始まったのは、2011年に発生した東日本大震災に付随する東京電力福島第一原子力発電所の事故がきっかけだった。日本国民がエネルギー問題を身近に、かつ切実に考えるようになったのは、このときからと言ってもよいかもしれない。

センチュリー・エナジーは、もともとは不動産業を営んでいた。しかし、2012年にFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)がスタートしたことを機に、創業者で現・代表取締役の山中正氏は、まったく未知の分野である再生可能エネルギー事業への参入を決意。原子力発電所の事故の影響で苦しんでいた故郷・茨城県への支援と、いまこそ安全・安心なエネルギー源が必要だとの使命感から、行動を起こした。2013年に自らが所有する土地を提供して小規模な太陽光発電所を建設したことを皮切りに、北は北海道から南は九州・鹿児島県まで破竹の勢いで約170か所の太陽光発電所を設置。売上も100億円が視野に入るほどとなり、業界のリーディングカンパニーとしての地歩を固めていった。

センチュリー・エナジーの活動は、太陽光発電事業だけにとどまらない。山中氏がこれから取り組もうとしているのは、木質バイオマス発電、ソーラーシェアリング、風力発電といった再生可能エネルギー事業の総合体で、すでに複数のプロジェクトが進行中である。

再生可能エネルギーの特質は、エネルギーの分散化と地産地消化に適合することだ。特に木質バイオマスやソーラーシェアリングは、地域の雇用と所得の向上に寄与するものとして期待されている。

地域活性化や地方創生への貢献は、再生可能エネルギー事業を立ち上げた山中氏の最大の目的のひとつだった。さらに言うなら、「社会貢献」こそが、長い経営者人生を歩んできた山中氏にとっての事業のモチベーションである。

「そもそも事業は、世の中のためにやらなければ、儲かるはずがない」

という持論を、山中氏は取材中に何度も発した。

再生可能エネルギー事業は、脱炭素社会をめざし、気候変動リスクを軽減させるという点で、SDGsの実現に貢献するものだ。センチュリー・エナジーは、地域社会、従業員、顧客への配慮を真摯に続けることで、企業としての責任を果たし続けようとしている。そこには、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大規模な流行によってダメージを受けた社会と経済を復興するための事業が、将来の持続可能性を潰すようなものであってはならないという、山中氏の意図が込められている。

新型コロナウイルスの感染拡大は、いまだに収束の気配も見えてこないが、そのなかでも「ピンチをチャンスに」という気運が、徐々にではあるが高まりを見せ始めている。「利潤の追求から生存の追求へ」「分断から共存へ」という本質的な問いかけが続くなかで、社会貢献と地域活性化を掲げて邁進するセンチュリー・エナジーの姿勢には、企業の使命および責任という点で多くの示唆が含まれていると感じる。

本書では、脱炭素社会の実現に向け、太陽光発電を中心とした総合再生可能エネルギー事業に取り組むセンチュリー・エナジーの事業活動を紹介しつつ、新型コロナウイルス感染症の猛威を経験した社会の変容と将来への展望についての検証も行っていく。地球環境の未来を見据えたい人はもとより、再生可能エネルギー発電事業への投資を考える人々にとっても、貴重な指南の書となるだろう。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。


2020年11月  鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 パンデミックからの回復とエネルギー政策

パンデミックによる「ピンチ」を「チャンス」に
環境改善と経済復興の連係を掲げる「グリーンリカバリー」
コロナ禍からの回復力が最もある電源が再生可能エネルギー
日本の太陽光発電の先駆者として
化石燃料時代の終焉は近い
価値観の変革を提唱するSDGs
儲けだけを考える時代は終わった
民間企業の脱炭素社会への動きが国内外で
石炭火力のフェードアウトに見る曖昧さ
脱炭素社会に向けての動きが鈍い日本


第2章 未来の環境のためのESG投資と太陽光発電

太陽光発電事業のパイオニア
投資としての魅力もある太陽光発電
センチュリー・エナジーならではの「3つの安心」
再生可能エネルギーの中心となった太陽光発電
まずは自分の土地で太陽光発電を
会社を軌道に乗せた第2号発電所
「安全な場所で安全な発電所を」
土地は「縁もの」、なにかの導きで使わせてもらっている
発電所の一つひとつがわが子のよう
FITを取り巻く状況に変化が
太陽光発電とマイニング事業のコラボレーション
活況を見せる中古市場
太陽光発電もESG投資へと意識が変化


第3章 太陽光発電事業者の社会的責任

太陽光発電の効率はメンテナンスで決まる
メンテナンスの不備は大きな事故につながる
遠隔操作と人の手でメンテナンスをきめ細かく迅速に
「JET PV O&M認証」で信頼度を向上
保守点検・維持管理の義務化
「隣は壊滅、うちは無傷」となった要因
20年間の安心と安全を保証するメンテナンス
パートナーシップ契約を76か所と


第4章 総合再生可能エネルギー事業者として地域を活性化

「新しい時代の新しいエネルギー」の一翼を
地域に貢献しSDGsにも寄与する木質バイオマス発電
森の再生にもつながる木質バイオマス発電
木質バイオマス発電は地域活性化の切り札になる
バイオマスで再生可能エネルギー自給率100%をめざす町
新たな社会形態「地域循環共生圏」
環境と経済の好循環をめざしてビジネスチャンスを創出する
小規模な木質バイオマス発電を優遇
めざすは木質バイオマス発電によるビジネスモデルの創出
木質バイオマス発電への投資は町づくりに貢献する
ソーラーシェアリングで農業と地方を発展させる
栃木県那須塩原に広がる約2000坪のソーラーシェアリング


第5章 創業者・山中正の理念と哲学

厳しい道も落ち着いた佇まいで乗り越える
青雲の志で上京し、社会貢献を胸に起業
新しい住文化をめざし、地球環境にも言及
原子力発電所の事故による風評被害をまともに受けた茨城県
67歳で異業種に足を踏み入れ、ゼロからのスタート
仕事は「たいへん」であってあたりまえ
社員から見た山中の人物像
チャレンジ精神で新天地を切り開け
成長スピードが速ければ人事で先輩社員を追い抜くことも普通


第6章 センチュリー・エナジーが描く再生可能エネルギーの未来図

コロナ禍収束後の世界はどうあるべきか
明確なビジョンを示せていない日本
次なるチャレンジは風力発電
再生可能エネルギーによる電気事業への進出をめざす
中小企業向け「RE100」の発足と社会貢献意識の高まり
自立・分散型のエネルギーシステムの構築で電気を効率的に利用
「スマートグリッド」で再生可能エネルギーを安定供給
再生可能エネルギーへの投資が地球の環境を救う
今日の続きではない明日のために
再生可能エネルギーの本番はこれからだ


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