そ:「創意と工夫」で世界に挑む

2021/10/05

『「創意と工夫」で世界に挑む』 前書きと目次

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「創意と工夫」で世界に挑む
~グローバルアイケアカンパニー・オフテクスの挑戦~


著者:鶴蒔靖夫
定価:本体1800円+税
ISBN978-4-87218-469-3
初版発行:2021年10月8日




はじめに

いまの社会はテクノロジーが高度に進化しており、新技術の開発から生産活動に至るまで、ありとあらゆることがデジタル化されている。仕事はもちろん、パーソナルな人間関係もリモートによる交流はあたりまえになっているし、新テクノロジーの開発もAIが牽引し、生産現場では3Dなどの最先端技術が主導しつつある。

日本はこの先端的な動き、とりわけデジタル化において先進国に遅れをとっていることを、認めざるをえない。近年、日本経済がパワーダウンしている理由の大きな部分は、デジタル化の遅れにあったと言える。

その遅れをいっきに取り戻そうと、菅義偉内閣はデジタル改革関連6法案(デジタル庁設置法、デジタル社会形成基本法、デジタル社会形成整備法、公金受取口座登録法、預貯金口座管理法、地方自治体情報システム標準化法)を2021年5月に成立させ、同年9月にはデジタル庁を新設する。なにかと動きの遅いこれまでとは打って変わって、驚くほどスピーディな対応だ。このデジタル庁の新設をきっかけに、およそあらゆる社会システムをオンライン化したデジタルガバメントを実現し、その担い手となるデジタル人材の育成にもいっそう注力するという。

だが、デジタル化は一方で、人の身体や暮らしにこれまで以上の負荷をかけることも予想される。特に懸念されるのは「眼」への負担だ。現状でさえ、パソコン、テレビ、スマートフォン、ゲームなどで眼は酷使されている。

人体は実に精巧な構造や機能を持っているが、同時に繊細で、きわめて傷つきやすいものでもある。デジタル技術が進化すればするほど眼への負担も大きくなり、視力障害も起こりやすくなる。実際、視力補正が必要な人は年々増加しており、発症も若年化している。

デジタル社会が進む今後は、これまで以上に眼に対する関心を高め、眼を大切にするライフスタイルを確立し浸透させていくことが、大きな課題になるはずだ。

近代テクノロジーの賜物であるコンタクトレンズは、正しく使用さえすればきわめて便利で有益だが、眼にとってはあくまでも異物であることを絶対に忘れてはならない。その異物を適切にケアし正しく使いこなしていくことが、近未来を生きるわれわれに求められる英知であるとは言えないだろうか。

ところが最近は、コンタクトレンズが不適切に使われるケースが増加の一途をたどっている。その結果、コンタクトレンズの使用が原因と思われる眼のトラブルも増えている。公益財団法人 日本眼科学会でも角膜感染症などのトラブルが頻繁に報告され、レンズケアへの関心を高めることと正しいケアについての指導および教育を強化することの必要性が、しばしば指摘されている。

「こうした流れは、コンタクトレンズケア用品を主力に40年歩んできたわが社がいっそう奮起し、もっと社会に貢献しなさいという、時代からのメッセージなのだと受け止めています」

こう語るのは、株式会社オフテクス 代表取締役社長の米田穣氏だ。

1981年に創業したオフテクスは、コンタクトレンズケア用品を主力に汎用性の高い一般用医薬品なども手がけるアイケア専門メーカーである。2020年度の年商は約45億円、市場シェアは12%で業界6位(2021年7月現在)となっている。

特に評価すべきは伸長率の高さだ。オフテクスはこの10年で売上規模を約2倍に成長させている。

その成長力の源泉は、まだ実現されていない新技術を常に追いかけ、日本初、世界初の製品を次々と開発して市場を切り開いてきた進取の精神と実行力にある。オフテクスの代名詞ともなっている、ポビドンヨードを配合したコンタクトレンズケア用品や、1回使い切りタイプの点眼薬などは、間違いなく世界のアイケア用品の最先端を行くものだ。

コンタクトレンズは、これまでは欧米や日本などの先進国で使われることが多かったが、いまでは中国、台湾、韓国などでも広く一般的に使われるものになっている。さらにシンガポール、ベトナム、中東、北アフリカなどでも使われるようになってきており、市場は今後、世界的に大きく伸びていくことは間違いない。

そのうえCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミック(世界的流行)を経験し、衛生に対する世界の人々の意識はこれまで以上に高まってきている。そうなれば眼に直接入れるコンタクトレンズのケアに対する関心も高まっていくに違いなく、コンタクトレンズケア用品の選択眼もいっそう研ぎ澄まされていくことになるだろう。つまり、まさにいま、時代がオフテクスに強い追い風を送っているのだ。

もちろん、いまはどの市場でも苛烈な世界競争が繰り広げられている。コンタクトレンズケア市場もけっして例外ではない。

だがオフテクスは、競争が熾烈になればなるほど優位に立てる強い武器を持っている。オフテクスの主力製品の多くは、日本初、世界初といった絶対的な強みを持つ製品だからだ。

「『創意工夫と挑戦』が、創業者である父・豊秋が貫いたオフテクスの精神でした。父の跡を継いだ私のポリシーは『継続は力なり』です。父が確立した精神を受け継ぎ、ポスト・コロナの世界の動きをいち早くとらえて、いっそうがんばっていこうと決意しています」

こう語る米田氏の言葉には、迷いもぶれもない。

実は、私と米田氏とは10年来のつきあいになる。10年前に出会った当時も、常に独自性のある製品の開発にこだわり続けてきた米田氏の経営姿勢におおいに心を動かされ、その感動を軸に私は1冊の本を上梓させていただいた。

そして今回、ひさしぶりの再会を果たした米田氏は、爽やかで若々しい雰囲気は当時と少しも変わらないままに、この10年間で売上規模を約2倍にまで発展させてきた自信が備わり、新たな時代をリードする経営者へとみごとに成長していた。

本書は、日本初、世界初の製品を次々と開発しコンタクトレンズケア市場をリードし続けてきたオフテクスの成長の軌跡を追いながら、今後さらに大きく躍進しようとしている同社への期待と応援を込めてまとめたものだ。厳しい市場競争のなかで戦い続けている多くの経営者や企業家の方たちにとって、米田氏が進める経営のあり方や、経営者として、さらには、ひとりの人間としての生き方が、ビジネスを力強く発展させていくうえでのひとつの指針になることを切に願っている。

なお、本文中の敬称は略させていただいたことを、あらかじめお断りしておく。


2021年8月  鶴蒔靖夫




はじめに


第1章 近視時代とコンタクトレンズ

2050年、世界の半数の人は近視になる
アジアで特に増加している近視人口
誰もが避けられない老眼
13世紀にイタリアで誕生した眼鏡
眼鏡からコンタクトレンズへの流れ
ダ・ヴィンチが発見したコンタクトレンズの原理
コンタクトレンズは「高度管理医療機器」
正しいレンズケアができていない人が半数近くも
コンタクトレンズユーザーの低年齢化が進む
眼のトラブルにはどのようなものがあるか
オフテクスのミッションが強く求められている


第2章 日本初、世界初にこだわるオフテクス

コンタクトレンズケア用品にはそれぞれに違いがある
ソフトコンタクトレンズケア用品の3つのタイプ
相次ぐ試練を乗り越えて未知の領域に挑む
独自路線に切り替えてユニークな製品を次々と開発
ポビドンヨードとの出合い
世界初のポビドンヨード配合のコンタクトレンズケア用品が完成
さらに高かった厚生労働省認可の壁
市民権を得たポビドンヨード配合のコンタクトレンズケア用品
国民生活センターの調査結果もポビドンヨードを高く評価
独自性の高いコンタクトレンズケア用品が次々に誕生
新製品が完成したその日から次の進化に向けた開発が始まる
機能性ヒアルロン酸を配合した新「クリアデュー」シリーズ
新「クリアデュー」シリーズのラインアップ
1回使い切りという画期的な発想の点眼薬
コンタクトレンズケア用品の開発で培ってきた眼科医療の研究成果


第3章 研究から製造までの自社一貫体制で日本初、世界初を実現

研究開発こそがオフテクスの生命線
社員の10人に1人は研究開発スタッフ
眼科医も高く評価する学術活動
創業以来の研究データは新製品開発の源泉
自社工場生産へのこだわり
兵庫県豊岡市に建つ3000平方メートル超の自社工場
一貫工程で全製品を製造
3つのゾーンで構成される豊岡工場
防腐剤フリーの点眼薬を製造するBFS充填機を3台保有
豊岡市の雇用を支え、地方都市の活性化に貢献する


第4章 「川上、川下戦略」と海外展開でシェア拡大に挑む

眼科医への丁寧な説明でシェアアップをめざす
クオリティの高さこそがオフテクスの誇り
2本社制で市場での存在感を高めていく
店頭からの発信力を高めてシェアアップにつなげる
新シリーズを起爆剤にいっきに攻めに転じる
健闘光る海外市場
社員の成長を促す研修センター「豊穣館」
オフテクスの研修メニュー
社員間の連携により真のワンチームに


第5章 オフテクス40年の歴史

創業者の偉大な構想をいまに伝える「米田豊秋記念ホール」
研究職からセールスエンジニアへ
コンタクトレンズケアとの出合い
世界の巨象に正々堂々と立ち向かう
あえて特許は取得しないと決断
自社工場の完成が発展を加速
父から子へ受け継がれた「創意工夫」の精神
海外市場への進出
米田が社長に就任し、豊秋は会長に
豊秋、突然の逝去


第6章 グローバルアイケアカンパニーをめざす

右肩上がり路線を取り戻すための成長戦略を策定
特殊コンタクトレンズに対するニーズの高まり
時代は機能の高いコンタクトレンズケア用品を求めている
新発想の点眼薬を開発し、医薬品領域も積極的に拡大する
メディカルデバイス事業を本格始動
日本発のグローバルスタンダードを確立し、世界市場で戦っていく
社員それぞれに成長のチャンスを与える企業に
世界の眼科医療に貢献するオフテクス


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